当社は、コーポレートガバナンスとは、「経営の効率性の向上」と「経営の健全性の維持」及びこれを達成するための「経営の透明性の確保」にあるとの認識のもと、株主を含めた全てのステークホルダーの利益にかなう経営を実現するコーポレートガバナンスの構築に努めています。
当社のコーポレートガバナンスに対する基本的な考え方について、「住友商事コーポレートガバナンス原則」としてまとめ、当社のWebサイトで公表しています。
当社は、監査役体制の一層の強化・充実によりコーポレートガバナンスの実効性を上げることが最も合理的であると考え、監査役設置会社制度を採用しています。当社は、監査役5名のうち3名が社外監査役で、そのうち2名が東京高等裁判所長官、検事総長の経歴を持つ法律家、1名が会計の専門家と、多角的な視点からの監査体制となっています。さらに、多様な視点から、取締役会の適切な意思決定を図るとともに、監督機能の一層の強化を図ることを目的に、2013年6月21日開催の第145期定時株主総会において社外取締役2名を新たに選任しています。独立性のある社外取締役及び社外監査役による経営の監督・監視機能の強化を図ることにより、コーポレートガバナンスの目的をより一層実現できると考えています。また当社は、住友の事業精神のもと、住友商事グループの「経営理念・行動指針」を制定し、法と規則の遵守など、住友商事グループとして尊重すべき価値観を共有すべく、役職員への徹底を図っています。さらに「経営の健全性」の観点から、コンプライアンス委員会の設置及び「スピーク・アップ制度」の導入など、法と規則を遵守するための体制を整えています。また、経営者自身が高潔な倫理観を持って経営にあたることが大切であるとの観点から、取締役会長及び取締役社長の在任期間を原則としてそれぞれ最長6年とすることを「住友商事コーポレートガバナンス原則」において明記しています。
社外取締役の選任理由及び略歴は次のとおりです。
検察官及び弁護士として長年培ってきた高度な専門知識と豊富な実務経験等を有しており、人格、識見のうえで当社の社外取締役として適任と考え、選任しています。
略歴
社外監査役の選任理由及び略歴は次のとおりです。
当社では、業務執行の責任と権限の明確化と取締役会の監督機能強化を目的として、執行役員制を導入しています。この制度のもと、取締役会で選任された執行役員42名(2013年7月末時点)のうち、執行の責任者である事業部門長5名を含む9名の執行役員が取締役を兼任することで、取締役会での意思決定と業務執行のギャップを防ぎ、効率的な経営を目指しています。
当社は、当社の経営方針と営業活動を全てのステークホルダーに正しく理解いただくため、法定の情報開示にとどまらず、任意の情報開示を積極的に行うとともに、開示内容の充実に努めています。
当社は、コーポレートガバナンス体制の強化・充実を行うとともに、「経営の効率性の向上」及び「経営の健全性の維持」の観点から、内部統制の実効性の維持・向上のため、内部監査、リスクマネジメント、コンプライアンスの一層の徹底・強化に努めています。
私は2005年に住友商事の社外監査役に就任し、8年間の経験を積みました。住友商事は高度なコーポレートガバナンスの実現に向けて、組織、人材、資金といった経営資源を積極的に投入し、不断の努力をしている会社だと思います。これまで住友商事は、監査役体制の強化・充実に取り組むことで、コーポレートガバナンスの実効性を高めてきました。
実際、社外監査役の存在によって住友商事のコーポレートガバナンスは十分に機能していると思っています。例えば、社内における全ての重要会議の議事録が閲覧できる制度など、社外監査役がその役割を最大限に発揮できるような、様々な工夫も十分になされています。私自身も監査役として、経営者のリーダーシップや各部門でのリスクの取り方に問題が生じることのないよう、取締役会などを通じて積極的に提言してきましたが、立場上、取締役会での意見形成には参画できないといった制約もありました。
住友商事では2013年、多様な視点からの取締役会の適切な意思決定の実現、監督機能の一層の強化といった観点から社外取締役を設置し、私を含む2名が社外取締役を務めることとなりました。会社の重要案件について、社外の人間が適切に状況を把握し、審議することは容易なことではありませんが、今後は住友商事の社外取締役として、長年にわたる法曹界での活動によって身に付けた知見、さらには住友商事の社外監査役としての知見を活かしながら、広い視野を持って取締役会での意見形成に参画していきたいと思っています。
住友商事は総合商社として長い歴史を持つグローバル企業ですが、時代の要請を受け、従来型のトレーディングに加え、プロジェクト・ファシリテーターとして社会的な価値を創出する機会が増えています。そこに必要なのは、様々な知識と経験を持ち寄り、住友商事の総合力を活かすことです。私は社外取締役として、こうした総合力がビジネスを通じてステークホルダーのための利益を生み出すよう、力を尽くす所存です。
私は2008年に住友商事の社外監査役に就任しました。国際会計士連盟会長、日本公認会計士協会会長など、国内外を問わず、様々な角度から企業会計に携わってきた知識と経験を活かして監査役の業務を行ってきました。
私が住友商事の取締役会に出席して感じることは、非常にオープンで活発な意見交換の場になっていることです。社外監査役についても、議論のテーマについて事前に説明を受ける機会が設けられており、それぞれの方が活発に発言されています。社外の意見を積極的に取り入れるための独自の仕組みとしては、社外取締役・監査役と会長・社長による月例ミーティングがあります。ここでは時事の話題やビジネスに関することなど、様々なテーマについて議論をすることができます。
役員・社員問わずに高い問題意識を持っていることは、住友商事が持つ大きな特徴の一つです。これは400年にわたる「住友の事業精神」と、それに基づく住友商事の経営理念が浸透していることの表れであり、住友商事のコーポレートガバナンスの根幹にもなっていると思います。2013年からは2名の社外取締役が就任しています。これによりコーポレートガバナンス体制が一層強化され、コーポレートガバナンスの実効性が高まるものと期待しています。
住友商事は2013年、創立100周年に向けて目指す姿を掲げました。目指す姿を実現するために、新中期経営計画BBBO2014の2年間は「収益力を徹底的に強化し、一段高いレベルの利益成長へ踏み出すステージ」と位置付け、財務健全性を確保しつつ、強固な収益基盤を構築しようとしています。利益成長のみならず、健全な財務体質の維持を目指す点などは「住友商事らしい」計画であると思います。住友商事の事業は、グローバルかつ多岐にわたります。様々なチャンスがある一方で、事業上のリスクやカントリーリスクなど様々なリスクが存在する中、リスクをミニマイズしていく方法など、会計の専門家としての知識と経験を活かして様々な提言をしていきたいと考えています。