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Social 社会

社会貢献活動

「社会貢献活動」についてご紹介している住友商事のサステナビリティページです。

住友商事グループの社会貢献活動

住友商事グループの社会貢献活動の基本的な考え方

目的

私たちは、住友商事グループの経営理念・行動指針を実践し、グローバルな企業グループとして、事業活動と社会貢献活動を通じて、企業の立場から社会的課題の解決に向けて取り組み、持続可能な社会の実現に貢献します。

活動

私たちは、社会の持続的発展を担う次世代人材の育成支援、並びに、事業活動の場である内外地域社会への貢献を軸として、社会貢献活動を推進します。また、良き企業市民として、さまざまな活動に参加します。

姿勢

私たちは、すべてのステークホルダーとの関わり合いを深めながら、謙虚さと高い志を持って持続的に活動するとともに、活動内容の継続的な向上と透明性高い情報開示に努めます。

2022年度社会貢献活動費

社会貢献活動費総額(単位:百万円)

  • 本データのうち、地域組織及び連結子会社の数値は、アンケートにより集計したもの。
  • 持分法適用会社は含まない。
  • 海外からの報告数値は、2023年2月の為替レートで円換算。

次の100年に向け、グローバルで取り組む社会貢献活動「100SEED」

100SEED

創立100周年を機に、世界中のグループ社員がともに取り組む「100SEED」を始動

100SEED(ワンハンドレッドシード)は、世界中の住友商事グループ社員が、100年先の社会を考え、グローバルで議論し、ともに実行する社会貢献活動プログラムです。

「Quality Education」をグローバル共通テーマとし、社会に貢献すること通じて、社会とともに持続的に成長し続けることを目指し、会社として人的資産を用いて中長期的に取り組みます。

100SEEDの活動理念

私たちは、創立100周年を機に、住友商事グループがグローバルで取り組む社会貢献活動プログラム「100SEED (SC Emergent Evolutional Deed)」のテーマを、「Quality Education」に決めました。

私たちは、教育が、社会の持続的発展のために重要であることを理解し、あらゆる社会課題解決の基盤づくりにつながることを信じています。

100SEEDは、まさに“Enriching lives and the world”を体現する社会貢献活動プログラムです。私たちは、世界各地の住友商事グループパーソンの多様性を活かした行動で、未来を豊かにしていきます。

100SEEDは、私たち一人ひとりの知見と時間を社会に提供する活動です。この経験を通じて、私たち自身が学び、刺激を受け、視野を広げることでさらに成長しながら、持続可能な社会の実現に寄与していきます。

これまでの活動

100SEEDは、2020年より世界各地の教育課題に根差した活動をスタートしました。2022年度には19カ国で53プロジェクトが稼働。新型コロナウイルスの影響を受けつつも、各地で工夫を凝らし、着実にその取り組みを拡大しています。

項目 対象範囲 単位 2020年度 2021年度 2022年度
プロジェクト件数
(参加国数)
単体、地域組織
(国)
31
(14)
44
(16)
53
(19)
社員参加人数 単体、地域組織 696 765 1,506

また、100SEEDに対する経営の関与、活動の目標や進捗管理におけるKPI設定、社員参加を伴う全社的な腰を据えた取り組みである点等が高く評価され「第19回企業フィランソロピー大賞」において特別賞である「種まきセンチュリー賞」を受賞しました。

活動の詳細は、以下の特設サイトをご参照ください。

100SEED特設サイト

- 100SEEDの活動理念
- サステナビリティ経営と100SEED
- 始動までのストーリー
- ACTIVITIES AROUND THE WORLD(世界各地の活動事例)

100SEEDに関する特集はこちら

東アジア アジア大洋州 欧州・中東・CIS 米州 日本

貧困地域の教育支援
中国

BUTTON UP/ POWER UP/LIGHT UP プロジェクト
タイ

プレイポンプの設置
南アフリカ

子どものデイケアサービス支援
ブラジル

キャリア教育支援 Mirai School
日本

中国住友商事グループでは、安徽省蕭県の貧困地域の子どもたちの教育環境を整える活動を続けています。支援金は社員からの募金と同額を会社がマッチングして拠出。社員による現地訪問の後、生徒を当社オフィスに招待する等交流を図っています。 恵まれない地域の小学生の教育環境を整える「BUTTON UP」、大学生に対し、社会人になる前に備えるべき21世紀型スキルを提供する「POWER UP」、質の高い教育実現に向けた教員研修を提供する「LIGHT UP」の3つの活動を通し、タイの教育課題に向き合っています。 南アフリカでは多くの学校が深刻な水不足で生徒の健康や出席率に影響が及んでいることを憂慮し、地下水を汲み上げる機能を持つ遊具「プレイポンプ」を小学校に設置する活動を続けています。今後はさらに社員が現地訪問し、水・衛生教育を行う計画です。 ブラジルがコロナ禍で「ハンガーマップ」対象国に逆戻りしたことを機に、ブラジル住友商事では、子どもたちの免疫力を高め、成長・発達を促す生鮮食品を提供する活動をはじめました。社員募金は当初計画の10倍が集まり、施設の子どもたちに1年分の新鮮な野菜や果物を届けることができました。 社員が全国の高校に出向き、自らのキャリアや仕事観を話すことにより、高校生に将来やキャリアについて考えるきっかけを提示し、未来を担う次世代人材の育成支援に取り組んでいます。これまでの3年間に68校を訪問し、1万人を超える高校生に授業を届けてきました。
【2022年度 活動実績】
参加社員 192人/145時間 参加社員 186人/1,394時間 参加社員 2人/5時間 参加社員 43人/15時間 参加社員 86人/1,290時間
受益者 154人 受益者 2,510人(小・中・大学生) 受益者 2校 (小学校) 受益者 150人 (子ども) 受益者 4,998人 (高校生)
満足度 100% 満足度 100% 満足度 100% 満足度 100% 満足度 97%

次世代人材の育成支援

住友商事奨学金

1996年からアジア各国の将来を担う人材の育成を支援しています。

住友商事は、商事活動50周年にあたる1996年に住友商事奨学金を創設以降、モンゴル、バングラデシュ、パキスタンなどアジア各国の大学生を対象に奨学金を支給し、開発途上にあるアジア各国の将来を担う人材の育成を支援しています。当初、17カ国33校の年間263人からスタートし、その後45校、約1,000人まで拡大、各国の経済環境の変化に応じて、当社の海外地域組織と連携しながら支援内容の改変を重ねてきました。

モンゴル国立大学での奨学金授与式

本奨学金を授与した学生数は、2022年度までに、延べ約1万7,000人に及びました。
本奨学金の運営は、対象各国に所在する当社の海外法人、駐在員事務所との緊密な連携の下で行っており、グローバルな拠点網を有する当社ならではの取り組みです。今後もそれぞれの国や地域の特性に合わせて、制度の進化を図りながら活動を続けていきます。

カンボジア工科大学での奨学金授与式

住友商事中国交換留学生奨学金

日中の相互理解、交流促進を担い、友好の懸け橋として活躍する次世代リーダーの育成を支援しています。

住友商事は1996年に住友商事奨学金を設立し、中国の学生への支援を継続してきましたが、近年の同国の目覚ましい経済発展に鑑み、より一層日中間の民間交流や友好の基盤を強化することが重要と考え、グローバルリーダーの育成を目的とした中国人留学生に対する奨学金制度を創設しました。

東京本社での研修時に、社長との面談を実施

往復渡航費と日本での生活費支援に加え、留学開始前に中国住友商事の社員と交流の機会を設け、日本での生活についてアドバイスなどを行います。日本滞在中は留学生を東京本社に招き、当社ビジネスや日本文化への理解を目的とした研修を実施します。また、中国大使館への表敬訪問や東京大学グローバルリーダー育成プログラム※との共同講座も実施し、学生の視野を広げ、将来設計のヒントとなるような機会を数多く提供しています。参加した学生からは「中日友好交流の懸け橋の役割を担い、自分を高めてがんばります」などの言葉が寄せられています。

  • 東京大学グローバルリーダー育成プログラム(GLP):国際社会における指導的人材の育成を目的として東京大学が実施する、学部生を対象とした特別教育プログラム。当社は2014年の開始時から寄付企業として支援しています。
東京大学GLP(※)学生との共同講座を実施

TOMODACHI 住友商事奨学金

米国留学に挑戦する大学生を支援する本奨学金は、グローバルな視野を持ち、世界を舞台に活躍する人材の育成を目指しています。

住友商事は、米国大使館および米日カウンシルが主導する日米交流事業「TOMODACHIイニシアチブ」に参画し、2014年から「TOMODACHI住友商事奨学金プログラム」を実施しています。

米日カウンシルのアイリーン・ヒラノ・イノウエ会長(当時)との面談

同プログラムでは、日米大学間の協定に基づき1年間派遣される交換留学生に対し、渡航費と生活費を支援しています。また、金銭面の支援のみならず、留学期間中に米州住友商事が主催する研修に招待し、大学生活だけでは得られない経験を提供しています。ニューヨークでは、米州住友商事社員との交流や事業の現場を見学、また、米州住友商事と長年の交流があるコロンビア大学ビジネススクールを訪問して教授や学生たちと意見交換を行います。ワシントンでは米日カウンシルとの面談や、日米の政府関係職員や議会関係者・NGOなど、さまざまな分野で活躍する方々との面談・意見交換の場を設けています。当社は同プログラムを通して、日米両国の懸け橋となり次世代のリーダーとなる人物を輩出すべく、引き続き支援を続けていきます。

コロンビア大学のヒュー・パトリック教授のもとを訪問

TOMODACHIイニシアチブについて
東日本大震災後の復興支援から生まれ、教育、文化交流、リーダーシップといったプログラムを通して、日米の次世代のリーダーの育成を目指す米日カウンシルと在日米国大使館が主導する官民パートナーシップで、日本国政府の支援も受けています。日米関係の強化に深く関わり、互いの文化や国を理解し、より協調的で繁栄した安全な世界への貢献と、そうした世界での成功に必要な、世界中で通用する技能と国際的な視点を備えた日米の若いリーダーである「TOMODACHI世代」の育成を目指しています。

中国・清華大学での冠講座

国を代表する大学に当社が講師を派遣し、日本企業や経営について理解を深める講座を運営

住友商事は、2006年に北京の清華大学公共管理学院と共同研究の覚書を締結し、年2回、日本を代表する経営者を講師に招き、中国の未来を担う学生たちに向けた講演会を開催しています。テーマはグローバル社会におけるリーダーシップや企業経営に関するもの。清華大学の学生のみならず、教授陣や政府関係者、近隣の大学からの参加も含め250人前後が参加し、講演会の後には毎回熱心な質疑応答が交わされます。本共同研究は清華大学からの高い評価を受け、今後も継続して取り組んでいくことで合意しています。

1909年に建てられ、同校の歴史を見届けてきた清華大学のシンボル「二校門」

清華大学冠講座 過去の講演一覧

講師(敬称略) 役職(当時) 講演テーマ 日程
岡素之 当社 会長 「グローバル企業のリーダーシップ」 2007年11月6日
吉川廣和 DOWAホールディングス 会長 「企業改革とリーダーシップ~壁を壊す・組織改革」 2008年4月26日
坂根正弘 コマツ 会長 「コマツの経営構造改革」 2008年11月10日
池田弘一 アサヒビール 会長 「企業価値向上への取組み」 2009年4月23日
大橋忠晴 川崎重工業 会長 「資源・エネルギー・環境新時代に生きる鍵『技術革新』」 2009年11月5日
三村明夫 新日本製鐵 会長 「企業変革と変革の軸」 2010年4月15日
鈴木正一郎 王子製紙 会長 「王子製紙における変革~長寿企業における持続的発展」 2010年11月11日
加藤進 当社 社長 「変化の激しいグローバル経済のなかで、総合商社の経営におけるリーダーシップ」 2011年4月14日
奥正之 三井住友フィナンシャルグループ 会長 「激動する経済・金融環境下でのリーダーシップ」 2011年11月22日
岩沙弘道 三井不動産 会長 「価値創造とリーダーシップ~わが経営を語る」 2012年4月11日
岡素之 当社 相談役 「良い組織とは」 2013年4月8日
岡本慶一 日建設計 社長 「世界をリードする建築設計事務所として」 2013年10月24日
西田厚聰 東芝 会長 「グローバル化時代におけるリーダーシップと人材育成」 2014年4月17日
張富士夫 トヨタ自動車 名誉会長 「経営の3本柱の連携による強い基盤づくり」 2014年9月25日
大橋洋治 ANAホールディングス 相談役 「経営者としての志~ANAが求めるグローバル人財」 2015年4月16日
長谷川閑史 武田薬品工業 会長 「タケダのグローバル化と組織改革」 2015年11月25日
井上礼之 ダイキン工業 会長 「ダイキンの組織革新の要諦」 2016年4月20日
前田新造 資生堂 相談役 「資生堂のミッションと、その具現化に向けた組織づくり」 2016年10月17日
樋口武男 大和ハウス工業 会長 「先の先を読む経営 創業者石橋信夫に学ぶ」 2017年4月18日
遠藤信博 日本電気 会長 「企業の価値と役割」 2017年11月15日
中村邦晴 当社 会長 「サステナブルな企業経営とは」 2018年9月20日
高原豪久 ユニ・チャーム 社長 「ユニ・チャームが目指すサステナブルな経営とは」 2019年4月25日
山西健一郎 三菱電機 特別顧問 「サステナブルな経営を目指して~変化への対応力強化」 2019年11月7日
柄澤康喜 MS&ADホールディングス 会長 「MS&ADグループのサステナビリティ経営
 ーレジリエントでサステナブルな社会を支える企業グループに向けてー」
2022年4月14日
片野坂真哉 ANAホールディングス 会長 「ANAグループのサステナビリティ経営」 2023年3月9日
大橋徹二 コマツ 会長 「持続的成長に向けたコマツの経営と事業戦略」 2023年4月6日

住友商事オマーン留学生奨学金

日本の大学院に留学するオマーン人学生を支援し、オマーンの将来を担う人材の育成に取り組んでいます。

住友商事および中東住友商事は、住友商事マスカット事務所を通じて、日本の大学院に留学するオマーン人学生を支援する日本とオマーンの民間交流および同国の将来を担う人材育成に貢献することを目指し、「住友商事オマーン留学生奨学金」プログラムを2019年から実施しています。

同プログラムでは、中東住友商事が日本の大学院へ留学する学生に対し、2年間の学費、生活費および往復の渡航費用を支援し、また、住友商事が日本の大学院の選定から受験や入学手続きのサポートも実施しており、熱意のある学生が日本へ留学する機会を創出しています。

日本で2年間学んだオマーンの学生が、研究活動や地域での交流などを通じて日本を理解し、友情を育み、将来にわたって両国友好の懸け橋となることを期待しています。毎年4人までの学生を支援しています。

東京大学グローバルリーダー育成プログラムへの支援

国際社会で指導的立場で活躍できる人材の育成を、企業のリソースを活用することで支援しています。

住友商事は、東京大学が国際社会における指導的人材を育成することを目的に全学横断で推進するGLP-GEfIL(Global Education for Innovation and Leadership)を、2013年の設立時から支援しています。同プログラムが掲げる「専門分野を超えて協働する力」「世界の課題に革新的な解決を提案できる発想力」を持つ人材を育成する、という目的に共感し、2018年からは東京大学GLPリーディング・パートナーとして、さまざまな形でのプログラム運営支援を行っています。

同プログラムの授業はすべて英語で行われ、履修期間中に2回の海外のトップ大学でのサマープログラム等への参加が義務付けられ、企業からの寄付金は海外プログラムの奨学金をサポートしています。

さらに当社は東京大学GLPリーディング・パートナーとして、当社が持つリソースを活用することで、学生に現実社会との接点を持つ機会の提供に協力しています。

コロンビア大学日本経済経営研究所の活動支援

米州住友商事は、1986年の同研究所創設以来、リード・コーポレート・スポンサーとして継続的に支援しています。

コロンビア大学ビジネス・スクールの主要研究機関の一つである日本経済経営研究所(以下、CJEB)は、日米の良好な関係づくりと両国のビジネスや経済の発展に貢献するため、ヒュー・パトリック教授をディレクターとして1986年に設立されました。各分野における新進気鋭の研究者を教授陣に迎え、目まぐるしく変化する世界情勢を踏まえた多彩な調査、研究、提言活動を長年にわたり推進しています。研究だけでなく著名な講師を招いたカンファレンスや講演会も積極的に開催し、グローバル経済に関する共同研究の場を提供する活動を行っています。東京においても毎年カンファレンスを開催しています。

CJEB創立者のヒュー・パトリック教授(左)と住友商事社長(当時)の中村邦晴(右)

リード・コーポレート・スポンサーとして、同研究所を設立時から支援している米州住友商事は、グローバルにビジネスを展開している当社グループならではの視点や情報収集力を生かし、同研究所が実施する講演会などの活動にも積極的に協力、参加しています。

米州住友商事CAOのTimothy E. Sanderが講師として登壇

ジュニア・フィルハーモニック・オーケストラ

音楽を学ぶ青少年の健全な成長を願い、1992年から活動支援を行っています。

住友商事は、1992年から、ジュニア・フィルハーモニック・オーケストラ(以下、JPO)の音楽活動を支援しています。同オーケストラは、小学生から大学生までの男女約80人で構成されるユースオーケストラで「オーケストラを通して次代を担う若者の成長に役立ちたい」という作曲家の故塚原晢夫氏の提唱により、72年に東京で創設されました。クラシック音楽の普及に長年にわたり尽力された故山本直純氏が指導にあたったことでも知られ、日本はもとよりアメリカ、ヨーロッパ、中国で海外公演を行い、高い評価を受けた実力あるオーケストラです。現在でも数多くの音楽家が活動に共鳴し、JPOの指導にあたっています。

当社は支援の一つとして年に数回、主催コンサート「住友商事ヤング・シンフォニー」を開催し、演奏の場を提供しています。プロと同じ大きな舞台で演奏を行うことは、日々の練習の成果を披露する貴重な機会となっています。

ヤングシンフォニーでの弦楽四重奏の様子
リハーサル風景

中国・雲南省貧困地区の高校生支援

地域による経済格差が拡大する中国では、山岳地帯で暮らす貧困家庭の高校生の就学支援に取り組んでいます。

近年著しい経済成長を続ける中国には、今なお貧困のために学業を断念しなければならない若者がいます。中国政府は、国家プロジェクトとして各省庁に国内貧困地区救済事業の割り当てを行っており、中国外交部では1992年から、ベトナム国境近くに位置する雲南省の金平県および麻栗坡県で支援活動を続けています。いずれの県も面積の99パーセントが山岳地帯で、経済発展の立ち遅れた地域です。

平地が少なく農作地は棚田のため、農作業は人手が頼り

住友商事は、中国外交部と連携し、2008 年から貧困家庭の若者たちの進学を支援する活動を続けています。山岳地域の農村から高校へ進学するには、親元を離れて寄宿舎で生活することになるため、貧困家庭では食事代などの支払いが進学のネックとなっています。当社は、この問題を解決するため、学習意欲の高い貧困生徒に対し、寄宿舎での食事代および学用品代を支給しています。最初の5年間で1,800人の高校進学を実現し、うち300人が大学へ進学することができたとの報告を受けており、現在も毎年300~400人の高校生を支援しています。

麻栗坡民族高中(高校)で教師、生徒の皆さんと

支援を受けた高校生からは、「母親が病気になり学業継続は無理だと思っていた。支援してもらい、勉強を続けることができた」などの声が寄せられています。中国外交部も当社の取り組みを高く評価しており、今後も協力して支援活動に取り組んでいきます。

生徒たちから届いた学業の様子をつづった手紙

CAMPワークショップ(SCSKグループ)

SCSKグループは「夢ある未来を、ともに創る」という経営理念のもと、さまざまなステークホルダーの皆様とともに、持続可能な社会の実現に向けて、社会貢献活動を通じた社会課題の解決に取り組んでいます。
CAMP(Children's Art Museum & Park)は、未来を担う子どもたちに向けたSCSKグループの次世代育成活動です。ワークショップを通じていろいろな表現方法を知り、グループでの共創活動により、これからの子どもたちに必要な社会性、他者や多様性を受け入れ楽しむ心を育みます。子どもたちは、ワークショップでの創作体験や共同作業、作品の発表を通じて、楽しみながら自分に合った表現方法を見つけ、コミュニケーションの輪を広げていきます。
また、各拠点の社員有志がワークショップにファシリテーターとして参加することで、社員にとっても多くの気づきや充実感を得る機会となり、自己成長やモチベーションへとつながっています。
2001年に始動したこの活動は、2022年度までに1,199回のワークショップを実施し、これまでのべ23,211人の子どもたちが参加しました。

事業活動の場である地域社会への貢献

産休サンキュープロジェクト

日本赤十字社が南部アフリカ、東部アフリカで行う、子供の命を守る活動「産休サンキュープロジェクト」を支援しています。

住友商事は、「産休や育休を取得する社員の家庭に生まれる子どもの数と同数のアフリカの母子を守ろう」というコンセプトの下、日本赤十字社が南部アフリカ、東部アフリカで行う、子供の命を守る活動「産休サンキュープロジェクト」に対し、寄付や現地訪問による支援を2013年から行っています。

ナイロビ事務所長がケニアのガルバチューラ県で行われた巡回診療に同行

日本赤十字社は、各地の赤十字社を通じ、診療所の建設や運営を支援したり、HIVや結核検査、その他公衆衛生に関する啓発活動を行っています。単に物資を提供するのではなく、意識改革を促し、地域住民同士の共助システムを確立し、乳幼児の死亡率低下に貢献していく活動です。今後、この活動が広く普及することを期待し、支援を続けていきます。

日本文化紹介活動

海外の事業拠点における日本文化紹介活動を通して、地域社会に貢献しています。

住友商事は、海外の事業拠点において、現地コミュニティとの良好な関係構築を目的に、伝統的な日本文化を紹介する活動を実施しています。

2015年からこれまで、ミャンマー、ガーナ、イラン、メキシコ、キューバ、UAEで活動を行いました。当社社員が現地に赴き、着物の着付けや書道、華道などのデモンストレーションや、参加型ワークショップを行い、たくさんの参加者と交流を深めています。

キューバでの着付けの実演

初めて日本伝統文化に触れる参加者は皆目を輝かせ、参加型ワークショップは順番を待つ行列ができるほどにぎわいます。この活動に長く関わる社員は、「どの国の人々も日本文化への関心が高く、来場した皆さんが楽しんでいる姿が印象的で、この活動の意義を感じます」と語ります。

UAEでの折り紙ワークショップ

米州住友商事基金を通じた活動

2004年の設立以来、日米交流、研究・教育、文化・芸術、社会福祉の分野で支援活動を続けています。

米州住友商事は、地域社会の一員として、社会貢献活動をより明確に位置づけて推進するため、2004年12月に「米州住友商事基金」を創設しました。経済情勢や業績に左右されにくい基金という仕組みを通じて、年間50万ドル規模の資金を拠出し、災害救援活動をはじめ、日米交流、研究・教育、文化・芸術、社会福祉など、さまざまな分野の活動を継続的に支援しています。

災害救援においては、アメリカ赤十字社やアメリカ疾病予防管理センター(CDC)に活動資金を寄付しているほか、米州住友商事の社員から募った義援金と同額の寄付金を基金からも拠出し、被災地の復興を支援しています。また、日米交流支援では、07年から始まったイベント「Japan Day」の開催・運営を、研究・教育支援ではコロンビア大学日本経済経営研究所などの研究活動を、文化支援ではニューヨークの総合芸術施設「リンカーンセンター」や「メトロポリタン美術館」「アメリカ自然史博物館」などの運営や活動を、それぞれ資金面でバックアップしています。

ジーンズ着用にて乳癌イベントDenim DayをサポートするSCOA従業員
Rosie’s Theater Kids への援助

大規模自然災害に対して義援金・救援物資を拠出

国内外における大規模自然災害の発生を受けて、被災地の一日も早い復興を切に祈り、災害義援金や救援物資の拠出による支援を実施しています。

当社グループは、大規模自然災害の発災後、発災地域の事業拠点と連携し、現地の被害および支援の状況を迅速に収集しています。収集した情報をもとに、被害の状況に応じた支援内容・金額および拠出先を速やかに検討し、災害被害への支援を行っています。

最近の災害義援金拠出例

2023年2月 トルコ南東部地震被害 1,200万円
2020年7月 令和2年7月豪雨災害 1,000万円
2020年2月 中国新型コロナウイルス肺炎 1,000万円
2020年1月 オーストラリア山火事被害 20万豪ドル
2019年10月 令和元年台風第19号被害 1,000万円
2018年9月 平成30年北海道胆振東部地震 1,000万円
2018年7月 平成30年7月豪雨災害 1,000万円
2017年10月 キューバにおけるハリケーン被害 15,000ユーロ

ボランティア休暇制度

社員が積極的にボランティア活動に参加できるよう、ボランティア休暇制度を設けています。

住友商事は社員が積極的にボランティア活動に参加できるよう、1998年からボランティア休暇制度を設けています。年5日間取得でき、2022年度までに延べ200人が取得しました。主な活動分野としては自然環境保護活動や、地域のスポーツ大会や催し物への支援活動、国際交流・協力活動、災害救助活動などが挙げられます。

参加社員のコメント

総合病院の緩和ケア病棟で、傾聴ボランティアをしています。緩和ケア病棟では、身体的な苦痛だけでなく、精神的な苦痛を和らげるために、多職種の医療チームで支援を行っています。患者さんとご家族の気持ちに寄り添いながら、大切な時間をできる限り快適に過ごせるよう、お手伝いをしています。
(アセットマネジメント推進部 伊藤恵さん)

フィリピンのミンダナオ島で海外駐在をしていた1992年、地域の人々との交流を求めて合気道の普及活動を始めました。ボランティア休暇制度のおかげで、帰国後も毎年1週間ほど現地に指導に行くことができ、とても感謝しています。5年前には、この活動に対し「合気道のピース・アンド・ハーモニーの精神を若者たちに伝えて欲しい」と当時のダバオ市長(現大統領)からメッセージを頂いており、今後も活動を続けるためにこの制度を活用したいと思っています。
(メディア・デジタル業務部 西山直史さん)

米州

社員参画で、飢餓ゼロの社会を目指す

米州住友商事では、北中南米地域の食糧安全保障に資するボランティア活動に取り組んでいます。ニューヨークでは、シティ・ミールズ・オン・ホイールズと連携し、社員が地域の高齢者への食事配達を支援。シカゴでは、フィーディング・マイ・スタービング・チルドレンと協力し、穀物・乾燥野菜・非常食などの梱包活動に参加し、発展途上国の子どもたちを支援しています。ブラジル住友商事では、サンパウロに拠点を置くシスターイルデフランカ幼児教育センターと提携。家庭菜園をつくり、作物栽培レッスンを提供する等、教師や幼児が自らの食糧をつくる力を育む活動を支援しました。

アジア大洋州

マングローブの植樹プロジェクトで気候変動対策に取り組む

マングローブは、面積当たりの炭素貯留量が最も多い生態系として知られています。インドネシア住友商事では、環境に配慮し、持続可能なビジネスの構築を加速させることを目指し、2022年7月、ヌサトゥンガラバラット州のスンバワ島でマングローブ植樹プロジェクトを開始しました。同年10月には、住友商事グループ社員16人が現地を訪問し、地元ボランティア500人とともに植樹と種まきを行いました。

ベトナム・タンロン工業団地における地域社会貢献

ベトナム北部に3カ所あるタンロン工業団地には、合計で230社を超える企業が入居し、約9万人が働いています。当社は、ベトナム政府と連携し、電気や工業用水等インフラの安定供給、そして雇用や労務問題等への対応を通じて入居企業の操業支援に努めています。
また、工業団地では例年サッカー大会やマラソン大会を開催し、コミュニティ形成や、入居企業の満足度向上の一助になってます。昨年度は新型コロナウイルスの影響で中断していた日本式の夏祭りが再開しました。他にも、「地域社会に根差した工業団地」づくりを目指し、貧困地域の学生に対する奨学金プログラムの実施や交通安全の啓蒙活動を行っています。
環境面では、2020年度に開始した入居企業の屋根を使用する屋根置き太陽光発電を拡大。今後も入居企業のグリーン電力需要に応えるため導入容量を拡大する予定です。
これらの事業活動と社会貢献活動を通じて、工業団地にかかわる全ての人々の幸福と地域社会の発展に貢献していきます。

東日本大震災復興支援活動

気仙沼水産加工業の復興を支援

産業復興に向け、気仙沼鹿折加工協同組合を支援しています。

住友商事および住友商事東北は、地震と津波により甚大な被害を受けた宮城県気仙沼市の基幹産業である水産加工業の復興支援に、三井物産と商社連合を組み、宮城県や気仙沼市、商工会議所などと協調して取り組んでいます。地元事業者が結束して、災害後に設立した「気仙沼鹿折(ししおり)加工協同組合」の共同事業活動に対し、商社連合として創造的復興に貢献すべく、ビジネスモデルの構築をサポートしています。

2015年5月27日には、組合の新事務所が完成し、落成式が行われました。社長(当時)の中村邦晴が出席し、多くの関係者の皆さまとこの施設の完成を祝いました。「目線を一つに復興への挑戦」をスローガンとする組合の活動を支援することで、当社は水産加工業の復興および地域全体の持続的な発展に貢献していきます。

落成式参加者の記念撮影
事務所(左)と建設工事が進む冷蔵庫(右)

住友商事 東日本再生フォローアップ・プログラム

2017年度から3年間、被災地で課題解決に取り組む団体の活動を支援しました。

住友商事は、東日本大震災の被災地の地域再生および被災者の生活再建を願い、2017年度から2019年度までの3年間「住友商事 東日本再生フォローアップ・プログラム」を実施しました。

本プログラムの前身である「住友商事 東日本再生ユースチャレンジ・プログラム」(YCP)を終えた2016年の時点では、被災者の生活再建は道半ばで、残された課題は複雑化していました。

そこで本プログラムでは、被災地の地域再生や被災者の生活再建に一定の成果を挙げてきたYCPの助成団体とインターン受入れ団体を主な対象として、専門化、潜在化、個別化した課題の解決を目指す取り組みを支援しました。より現場の状況やニーズに合わせたプログラムを企図するため、公募型ではなく助成対象団体との丁寧な対話を重視した計画型(対話型)助成を実施しました。

東日本再生フォローアップ・プログラム 報告書

3年間にわたるプログラムを振り返り、関係者からの多面的な評価による各団体のプロジェクトの成果、運営面を含むプログラム評価を実施しました。

参考資料

2017年度 助成プロジェクト紹介(PDF / 288KB)

2018年度第1回 助成プロジェクト紹介(PDF / 308KB)

2018年度第2回 助成プロジェクト紹介(PDF / 523KB)

2019年度 助成プロジェクト紹介(PDF / 381KB)

住友商事 東日本再生ユースチャレンジ・プログラム

東日本の再生過程に参加するユースを支援しました。

住友商事は東日本大震災の被災地の地域再生と被災者の生活再建を願い、その再生過程に参加するユース(※)を応援することを目的とし、2012年度から16年度まで「住友商事 東日本再生ユースチャレンジ・プログラム」を実施しました。

子ども支援活動

このプログラムは「活動・研究助成」と「インターンシップ奨励プログラム」の二つで構成され、ユースが東日本の再生過程に主体的かつ継続的に関わることで、多くのことを学び、経験し、地域や社会のさらなる発展の担い手として成長することを狙ったものです。

  • 「ユース」とは、おおむね10代後半から20代の若者で、主に大学生・大学院生などを想定しています。
仮設住宅での支援活動

活動・研究助成

「活動・研究助成」では、ユースがチーム・サークル・グループで取り組む活動・調査研究、あるいはNPO法人・大学・大学院などの団体・組織においてユースが主体的に取り組む活動や調査研究を応援し、助成件数は5年間で212件となりました。

助成対象期間 1年間
助成対象となる活動 東日本大震災の被災地の地域再生および被災者の生活再建を目指した活動や研究を対象とします。
Aコース:ユースが任意のチーム・サークル・グループで取り組む活動や研究
Bコース:ユースがNPO法人・大学(院)などの組織において主体的に取り組む活動や研究
助成額(1件当たり) Aコース:10万~50万円
Bコース:50万~300万円

インターンシップ奨励プログラム

「インターンシップ奨励プログラム」では、被災地で活動するNPO法人などでの、長期にわたるユースのインターン活動を応援し、5年間で3県のNPO法人21団体で74人が活動しました。

インターンシップ期間 9カ月間
対象者 大学生・大学院生・専門学校生など、主に10代後半から20代まで
対象となる活動 被災地で活動しているNPO法人などでのインターンシップ活動
インターンへの支援 活動奨励金:活動1時間当たり800円(上限300時間)

交通費:インターンの通学先または自宅から、受入れ団体までの往復実費交通費
研修補助費:活動に関わる文献購入費、勉強会への参加費、移動費など

保険:傷害保険と損害賠償保険に加入

関連資料

5年プログラム総括冊子(PDF / 9,685KB)

2016年度選考結果冊子(PDF / 1,725KB)

2015年度選考結果冊子(PDF / 3,200KB)

2014年度選考結果冊子(PDF / 3,156KB)

2013年度選考結果冊子(PDF / 3,278KB)

2012年度選考結果冊子(PDF / 2,321KB)

震災復興ボランティアプログラム

東日本大震災の復興支援の一環として、社員のボランティアプログラムを実施しました。

住友商事では、復興支援の一環として、2011年8月初旬より4カ月間にわたり、延べ約160人の社員が震災復興ボランティアプログラムに参加しました。このプログラムは、災害ボランティア活動に意欲的な社員を会社がサポートするもので、被災地の行政関係者や災害ボランティアセンターを運営する社会福祉協議会の関係者と議論を重ねて策定しました。

宮城県山元町のイチゴ農園での活動

ボランティアの活動拠点は、宮城県の南端に位置する山元町です。山元町では、震災により600人を超える町民が亡くなり、町内全家屋の約8割が損壊、その半数以上が全壊という大きな被害を受けました。JR常磐線の線路も流されてアクセスが困難となり、継続的なボランティアのニーズが高かったことから、当社は山元町を活動拠点に定めました。

社員は、ボランティアセンターのスタッフとして、ボランティアの受け付けや作業現場への送り出し、ブログ作成による情報発信といったセンター運営の補助業務に従事しました。また、災害ボランティアの一員として被災した一般家屋でのがれき除去や泥出し、地元名産のイチゴ農園での苗植えや葉かきなどの作業に取り組んできました。

がれき除去や泥出しの様子

活動に参加した社員による感想:

  • 現場ではマニュアルにないさまざまなニーズが発生するので、臨機応変に対応することが大切だと感じた。ボランティアセンターのブログで大工のボランティアを募集したところ、2時間後に応募があり感動した。
  • 自己満足で終わるのではと危惧していたが、ボランティアにしかできない作業があり、またそのニーズが高いことがわかり、想像以上に貢献できると感じた。
  • ボランティアの年齢層は15歳の高校生から80代の方まで幅広く、自身も被災されながら参加している方もいて、こうした方々と作業を共にし、交流できたのは貴重な経験だった。
  • 息子さんを亡くされた話をお聞きして胸が苦しくなったが、少しでも思いを吐き出していただけたのであればよかったと思う。