汚染防止


基本的な考え方

グローバルに幅広い地域で事業を展開している住友商事グループは、環境方針で示しているとおり、環境関連法規の遵守、循環型社会構築への寄与に努めます。具体的には、排水・汚泥・排気などによる汚染防止について、法令基準の遵守のみならず、廃棄物の削減・再利用・リサイクル等の環境負荷低減等に取り組み、持続可能な社会を実現していくことが重要だと考えており、各事業活動を通じて課題解決に取り組んでいきます。

取り組み

農薬・肥料販売事業における環境負荷軽減のための取り組み

農家のニーズに応えた高品質な農薬・肥料を世界中に届け、農作物の生産性向上に寄与すること、これこそが当社の農薬・肥料販売事業の最大のミッションです。輸入・生産・卸売・直販といった機能を各国市場の特性を踏まえ選択し組み合わせ、農薬・肥料販売事業を現在30カ国以上で展開しています。国によっては、農家やディストリビュータなどで、農薬の空容器プラスチックボトルやアルミバッグなどが適切に処分されずに放棄され、環境汚染を起こす可能性や残存した農薬による事故や環境への悪影響が懸念されています。そこで、ブラジルのアグロアマゾニア社並びにメキシコのサミットアグロメキシコ社では、農薬空容器の回収・リサイクルに同業他社と共に業界として取り組み、環境保全に努めています。

一方、農薬そのものの環境負荷低減のため、バイオ農薬への取り組み(スペインのバイオ農薬メーカーFutureco社への出資参画)や、農薬だけに頼らない環境負荷の低いIntegrated Pest Management(IPM:総合的病害虫防除)にも取り組んでいます。IPMの一つとして信越化学工業の開発した昆虫の性フェロモンを用いた交信攪乱剤(フェロモン剤)の普及に努めています。フェロモン剤は目的の害虫以外の生物には無害であり、害虫個体数の減少はもとより、植物の内部に侵入する防除が困難な害虫にも効果がある他、害虫の殺虫剤への抵抗性抑制も期待できます。現在、フランスの果樹園の約60%でこの防除法が採用されており、欧州地域では2015年以降、ポーランド、ブルガリア、ロシア向けに販売を拡大、特にロシアでは現地販売会社(LLC SUMMIT AGRO)がフェロモン剤を同国に最初に導入した企業として高く評価されています。また、被覆肥料(肥料の溶出速度をコントロールし、肥料成分の有効利用率を高めることで減肥に繋がる)やバイオスティミュラント(植物が本来持っている免疫力・活力を高め、病害虫や寒暖などのストレスに対する耐性を上げることで減肥に繋がる)の拡販を通じて、従来の化学肥料の施肥量を減らし耕地への環境負荷を減らす取り組みを行っています。

スペインのバイオ農薬メーカーに出資
ブラジル農業資材直販事業(アグロアマゾニア社)

トムラ・ジャパン 消費者参加型のPETボトルリサイクルシステムを構築・展開

海洋ゴミ問題や温暖化問題などの地球環境問題を改善する方策として、プラスチック資源の利用量削減と有効活用の重要性は年々高まっています。その中でも、持続可能な資源循環の取り組みとして、使用済みPETボトルを新たなPETボトルに再生する水平リサイクルが拡大しています。

トムラ・ジャパンは、TOMRA Systems ASA(在ノルウェー)と当社の合弁会社で、PETボトルのリサイクルシステム機器(RVM: Reverse Vending Machine)などの機器販売に加え、コンビニやスーパーマーケットなどに設置したRVMからPETボトル資源を回収し、リサイクラーへ供給するリサイクルシステムを構築・展開しています。RVMは、消費者によってキャップやラベルが取り除かれたPETボトルのみを回収するため、不純物が少なく高品質な資源を集めることができます。同社では、消費者の積極的な参加を呼び掛け、より良質な資源を効率よく回収・リサイクルすることで、環境負荷の低減と資源循環社会の発展に貢献しています。

RVMをプラットフォームとした循環リサイクルシステム

船舶燃料の環境負荷低減

当社は1952年から海運会社向けに船舶燃料の供給事業を国内外で展開しています。また、海運業界の環境負荷の低減に貢献すべく、硫黄酸化物が排出されない、かつ窒素酸化物も従来比40-70%減、二酸化炭素も20%減となるLNG燃料の供給事業にも取り組んでいます。具体的には上野トランステック、横浜川崎国際港湾並びに日本政策投資銀行との合弁会社を通じて、2019年2月にLNGバンカリング船を発注しており、2022年より東京湾にて船舶向けにLNG燃料の供給開始を予定しています。

国際連合の専門機関である国際海事機関(IMO)は、世界中の海上輸送から発生する温室効果ガス(GHG)の排出量を2050年までに2008年比で半減する戦略を掲げています。このような中、アンモニアは燃焼時にCO2を排出しないため、海運業界におけるGHG排出量削減に大きく寄与する可能性のある次世代の代替船舶燃料として期待されています。特にグリーンアンモニアは、再生可能な電気、水、空気のみから製造され、ライフサイクルにおいてCO2を排出しないため、海運業界のカーボンフリー化に大きく貢献する可能性を秘めています。当社はA.P. Moller - Maersk A/S他パートナー5社と「シンガポールにおける船舶向けアンモニア燃料供給の事業化に向けた共同検討」について覚書を締結しています。本取組みを通じて、船舶向けアンモニア燃料の導入、及び世界的な普及に向けて、アンモニア燃料の供給・輸送・貯蔵・バンカリングを含む包括的サプライチェーンを構築し、海運業界の脱炭素化への貢献を目指します。

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