BBBO2014では、中期経営計画ƒ(x)において課題となった「収益力の徹底強化」を実現するために、「強み・機能の追求と結集」、「中長期視点に立ったビジネスの新陳代謝の促進」に取り組んでいきます。
社会のニーズが多様化・複雑化し、産業・地域のバウンダリーが低下する環境下において、収益力を強化するためには、事業部門、地域組織といった組織の枠を越えて、様々なノウハウや機能を結集して新たな価値を創造し、社会のニーズに応えていく必要があります。
BBBO2014では、各事業部門・地域組織が自らの強み・機能を徹底的に分析・追求し、組織の枠を越えて結集させ、戦略・ビジネスモデルを共有することで、当社の強みである総合力を最大限に発揮していきます(内なる総合力の発揮)。また、ビジネスを強化していくためには、内なる総合力の発揮だけではなく、外部のパートナーとの協働が不可欠です。既存パートナーとの広域・多面展開を図るとともに、フィロソフィーと戦略を共有できる新たなパートナーを開拓することで、戦略的にパートナーシップの強化を進めていきます(外との総合力の発揮)。
一段高いレベルの利益成長を実現するには、各ビジネスの多様な役割を見極めながら会社全体として収益性を高める必要があり、人材・資金という限りある経営資源をいかに有効に使うかが重要になります。
BBBO2014では、以下の4つからなる企業の成長に必要な「ビジネスの新陳代謝」を従来以上にスピード感を持って実践し、収益力の徹底強化を図ります。
BBBO2014では新規投融資7,500億円と同規模の7,700億円の資産売却・削減を計画しています。収益性・成長性の乏しいビジネスの縮小・撤退に加え、有力パートナーとの戦略的提携を通じて、バランスシートをコントロールしながら、資産を削減していきます。
「収益力の徹底強化」には、新規投融資や事業売却・撤退といった側面だけではなく、収益力を支える経営基盤の強化が必要となります。BBBO2014では、「事業投資マネジメント力の強化」、「海外地域組織の基盤強化」、「財務健全性の維持」及び「求められる人材の育成と活用」に取り組み、ビジネスの前線を支える経営基盤をより強固なものとしていきます。
財務健全性の維持
当社では、経営の安全性の観点から、最大損失可能性額であるリスクアセット(RA)をコアリスクバッファー*1(RB)(株主資本)の範囲内に収めることを経営の基本としています。
詳細は、「リスク・リターン経営」をご参照ください。
それに加え、その時々の金融環境を考慮しながら、流動性の確保、適正DER(Debt-Equity Ratio=負債比率)、総資産額の規模といった視点からバランスシートを管理する「バランスシートマネジメント」を行い、過度に有利子負債に依存しない形で事業運営を行ってきました。
2012年度末には、連結総資産額7兆8,328億円に対し9,311億円の現預金を保有しており、高い流動性を確保しています。
また、株主資本は2兆528億円まで増加し、株主資本比率は26.2%、DER(ネット)は1.4倍まで改善しています。
基礎収益キャッシュ・フロー*2(CF)モニタリングの強化とコアRBの増強
BBBO2014では、財務健全性を維持しながら、収益力の強化に向けて積極的な投資を計画しています。
これまで同様、有利子負債に過度に依存せずに総資産を適正レベルにマネジしながら新規投融資を行うには、その原資となる投資余力の確保が必要となります。BBBO2014では基礎収益CFを新たにモニタリングの指標とし、持分法投資先からの配当によるキャッシュの回収や、事業の入替、既存案件のバリュー実現によるキャッシュの回収に取り組み、投資余力を確保していきます。
また、RAをコアRBの範囲内に収める基本方針を堅持しながら、投資余力を確保するために、投資した事業を事業計画どおりに収益化してコアRBを増強し、財務基盤をより強固なものとしていきます。