東南アジア最大級の医師データベースを有するDocDocへ出資～東南アジアでの医療費抑制・適正化モデルの構築に向けて～

住友商事は、東南アジア最大級の医師データベースを活用して、患者に最適な医師・医療機関を紹介するサービスを展開するDocDoc Pte Ltd.（本社：シンガポール、以下「DocDoc（ドックドック）」）に出資参画（以下「本出資」）しました。本出資を通じて、東南アジアでの医療費抑制・適正化モデルの構築を推進し、ヘルスケア事業を拡大します。

近年、高齢化や生活習慣病の増加などによる医療需要の増加に加え、医薬品、医療技術などの発展も相まって、医療費の増大が各国共通の社会課題となっています。さらに、日本のような診療報酬制度がない東南アジアでは、医師・医療機関が独自で診療代・医薬品代などの価格を一定の範囲内で決定する仕組みとなっているため、患者自身が、高品質かつ適正な価格で医療を提供する医師・医療機関を選択することが求められ、適切な価格での医師・医療機関の選択が、全体としての医療費抑制にもつながります。

DocDocは、シンガポール、インドネシア、マレーシア、香港における6,000人超の医師の専門性や医療ケアのクオリティ、治療費などのデータベースを有し、独自のアルゴリズムを活用し、患者のニーズに対して適切な医師・医療機関を紹介するサービスを提供しています。患者は専用アプリを通じて、個々人の疾患に対する専門性、価格、医療クオリティ（評価）などを確認し、適切な医師・医療機関の選択に活用できます。

住友商事は本出資を通じ、DocDocのサービスの拡大を目指すとともに、2019年に出資参画したマネージドケア事業と連携し、顧客である自家保険会社・民間保険会社が抱える患者にDocDocのサービスを提供します。これらの取り組みを通じ、東南アジアにおける医療費抑制・適正化モデルの構築を推進し、社会課題解決に貢献します。

住友商事は、中期経営計画「SHIFT 2023」において「ヘルスケア」を次世代成長戦略テーマの一つに掲げ、国内外で調剤併設型ドラッグストアの展開や地域包括ケア体制の構築、創薬支援などに取り組んでいます。今後も、世界各国のヘルスケア市場において企業・民間医療保険会社や個人と医療機関をつなぐ存在として、良質で効率的な医療サービスを提供します。また、医療機関と一丸となったDX推進や医薬品流通、医療データ整備などの周辺事業への参画も視野に入れた、サステナブルなヘルスケアシステムの構築を通じて、生活水準の向上に貢献します。

住友商事が東南アジアで取り組むヘルスケア事業について

住友商事は、「個人のQuality of Life向上に資するサステナブルなヘルスケアシステムの構築」を掲げ、東南アジアでマネージドケア事業を展開しています。マネージドケア事業とは、主に公的医療制度が充実していない国で発展しつつある管理医療システムで企業・民間医療保険会社、マネージドケア事業者、医療機関の三者が連携して医療サービスを提供する仕組みです。

2019年にマレーシアのPM CareおよびHealth Connect Holdings、2021年にベトナムのInsmartに出資参画し、さらにマネージドケア事業のホールディング会社として2022年にマレーシアにSC Healthcare Holdingsを設立しました。住友商事の参画以前からあった医療費決済管理および医療インフラとしての役割に加え、オンライン診療・調剤の開始、健康増進プログラムなどの付加価値サービスを推進することで、マネージドケア事業の高度化および社会課題解決に取り組んできました。その結果、住友商事が出資・運営するマネージドケア事業者に対する需要は、医療市場の成長と企業や民間保険会社の医療費抑制ニーズを背景に拡大を続けており、SC Healthcare Holdingsでは、マレーシアにおいて業界最大の市場シェアを有しています。さらに今後、医療データの分析・活用を通じた事業拡大を続け、2030年までにマレーシアにおける取扱医療費を約300億円抑制することを目指すとともに、シンガポールやフィリピンなど東南アジアの他地域への事業展開も積極的に検討しています。

その広がりの一歩として、医師データベースを活用して医療費抑制サービスを提供するDocDocに出資参画しており、今後も東南アジアでの医療費抑制・適正化モデル構築に向けたヘルスケア事業の拡大に取り組みます。

DocDoc Pte Ltd.概要