2024年04月18日
住友商事株式会社

チリのバイオ農薬製造・販売会社Bio Insumos Nativaへの出資~バイオ農薬市場の川上から川下まで~

住友商事株式会社(社長:上野真吾、本社:東京都千代田区)は、南米にて農薬のトレードおよび卸売り事業を手掛けるSummit Agro South America(サミットアグロサウスアメリカ)を通じて、チリのバイオ農薬製造・販売会社Bio Insumos Nativa(ビオ・インスモス・ナティーバ、以下「BIN」)に出資することで合意しました。本出資は、法制上必要となる各種手続きなどを経たのちに、完了する予定です。

世界的な人口増加に伴い、農作物の収量増加が不可欠とされている中で、農薬や肥料の使用は年々増加傾向にあります。これに伴って環境への負荷増大は農業業界における大きな懸念事項となっており、その対応策としてバイオ農薬の需要が高まっています。市場規模は2023年時点80億米ドル(約1,2兆円)で、2005年の5億米ドル(約750億円)から18年で16倍に増えており、29年には150億米ドル(2兆円超)で農薬全体の市場規模 750億米ドル(約11兆円)の約20%を占めるまでに成長すると予測されています。特にラテンアメリカ地域においては、バイオ農薬の使用を後押しする登録制度、大豆などの大規模畑作農家での使用拡大によってバイオ農薬市場規模は成長が著しく、2029年まで年平均成長率15%での拡大が見込まれています。

今回の出資参画の狙い、今後の展開

BIN社は、2002年にチリにて設立されたバイオ農薬製造・販売会社です。同社が注力する微生物農薬分野では、同国市場において30%を占める最大のプレイヤーとなっています。同社は現在Summit Agro South America が取り扱うバイオ農薬製品の主力サプライヤーであり、チリ・ペルーを中心にラテンアメリカ諸国での既存取引、開発を通して市場における競争力を証明してきました。現在販売中の製品に加えて、開発中の新規バイオ農薬も複数剤あり、今後の販売拡大が期待されます。今回の出資を契機に、よりマーケットイン視点での研究開発/製造分野に参画することとなります。また、バイオ農薬は、環境負荷が少ない一方で、化学農薬より防除効果がマイルドなため、農家がより効果的にバイオ農薬を使用できるよう営農指導/技術指導にも取り組み、バリューチェーン全体でバイオ農薬の普及を推進していきます。

BINのバイオ農薬の散布風景

住友商事グループの農薬分野における取り組み

住友商事グループは、約40年以上にわたり、農薬関連ビジネスを手掛けており、現在では世界約40カ国で農薬・肥料など農業資材の販売・ディストリビューション事業を展開し、世界中の生産者とともに農業生産に貢献してきました。2017年にはスペインにおけるバイオ農薬メーカーであるFutureco Bioscience S.A.に出資参画し、バイオ農薬の研究開発、製造/製剤加工のノウハウや、販売網を獲得してきました。今回の出資では、バイオ農薬の研究開発、製造/製剤加工の分野において、さらに広い商品ポートフォリオを獲得するとともに、取り扱い商品や販売顧客網もさらに拡大し、バイオ農薬市場の川上から川下までのバリューチェーンを一気通貫で対応するグループへと成長を目指します。当社グループのもつグローバルネットワークを強みに、環境規制や生物多様性対応などメガトレンドへの対応を念頭に持続可能な農業生産に取り組んでいきます。

Bio Insumos Nativa概要

会社名 Bio Insumos Nativa
本社所在地 チリ マウレ州
本社所在地 チリ マウレ州
事業概要 バイオ農薬製造・販売会社
事業概要 バイオ農薬製造・販売会社
売上高 約560万米ドル
会社設立 2002年
従業員数 50人
ウェブサイト https://bionativa.cl/
ウェブサイト https://bionativa.cl/


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