当事業部門では、世界でIPP・IWPP*1ビジネスに取り組む海外電力事業分野、風力・地熱・バイオマス発電に取り組む再生可能エネルギー分野、様々な通信関連ビジネスに取り組む通信分野のほか、電力EPC*2、水事業、産業機械などの分野で事業を展開しています。海外電力事業分野では、インドネシアのタンジュン・ジャティB石炭火力発電所をはじめ世界10ヵ国で事業を展開しているほか (2012年3月末時点の持分発電容量:5,363MW) 、再生可能エネルギー分野では、国内・米国・中国などでの風力発電事業に加えて、地熱発電事業への取り組みを強化しています。通信分野では、海外での携帯電話事業、ブロードバンド事業などの通信サービス事業に取り組んでいます。
*1 I (W) PP:独立発電 (造水) 事業者
*2 EPC:工事込建設請負形態
東南アジア、中国、中東など新興国の発展に伴い、世界的な電力需要は今後ますます高まっていくと予想されます。
当社が深い知見を有するアジア・オセアニア、中東、北米を重点市場として、グローバルベースで最適なポートフォリオの構築を目指します。また、重点市場におけるGreenfield*3案件への取り組みや、施設管理・運営への参画を通じた機能深化を推進し、良質な収益基盤の構築を図ります。
UAEにおいては、韓国電力公社とともに1,600MWの天然ガス焚き複合火力発電所を建設・運営するシュワイハットS3発電プロジェクトに参画しています。またタイにおいては、大型工業団地内ユーザー及び同国発電公社に電気・蒸気を供給するSPP*4事業の規模拡大に取り組んでいます。
*3 Greenfield:プラントの建設から開始し、長期にわたって運営を実施する事業
世界的な地球温暖化への懸念の高まりをはじめ、化石燃料の値上がりや原子力発電政策の見直しなどの動きが加速する中、国内外で再生可能エネルギーへの注目が集まっています。
電力ビジネスで培ったノウハウと各国の市場・制度などに関する知見を活用して事業展開を図っています。風力発電事業では、米国・中国市場の深耕に加えて、南アフリカなどの新興国市場や洋上風力発電市場の開拓を進め、持分発電量1,000MWを目指します。地熱発電分野では、特にインドネシアに強みがあり、同国で稼働中の地熱発電所は、設備容量ベースで約50%を当社が納入しています。国内では、大手新電力事業者のサミットエナジー (株) が展開する風力発電事業やバイオマス発電事業において、機能の高度化と規模の拡大を図ります。
米国では、GEグループなどと共同で、845MWという世界最大級のシェファーズフラット風力発電事業に参画したほか、米国電力最大手のDuke Energyグループとともに約300MWの風力発電事業を進めています。またインドネシアでは、International Power - GDF SUEZ及びPT Supreme Energyとともに、世界最大級となる220MWの地熱発電所を2ヵ所で開発中です。当発電所完成後は、30年間にわたり国営電力会社に電力供給を行います。
スマートフォンやタブレット型端末の急速な普及により、世界中で様々なサービスが個人所有のデバイスを通じて提供されており、通信事業者には、総合的なサービスをパッケージで提供できる力が求められています。
通信事業では、モンゴルでの取り組みに強みがあり、当社が出資するMobiCom Corporationは、創業以来一貫して同国の携帯電話加入者数No.1を維持しています。2011年には創業15周年を迎え、長年にわたるモンゴル通信サービスの発展を通じた同国の発展への貢献を認められ、パートナーのKDDI (株) とともにモンゴル大統領から友好勲章を授与されました。
携帯電話ビジネスから始まったMobiCom社の事業は、現在ではインターネット、映像、コンテンツ、電子送金、電子商取引など、幅広く展開しており、当社では、この経験とノウハウを活かし、他のアジア・CIS・太平洋地域でも総合通信事業会社展開に取り組んでいきます。