当事業部門は、放送と通信などの各種メディアの融合や消費形態の多様化が進む中、メディア、ネットワーク、ライフスタイル・リテイルの各分野を融合させ、消費者の多様なライフスタイルに対応する新たな価値を創造・提供していきます。
メディア分野では、ケーブルテレビ事業と、多チャンネル放送向けコンテンツ事業を中心にビジネスを展開しています。ネットワーク分野では、ITソリューション・ネット関連事業と移動体通信事業、ライフスタイル・リテイル分野では、テレビ通販事業、食品スーパー、ドラッグストア、ブランド事業やアパレルOEM*事業が主力となっています。
* OEM (Original Equipment Manufacturing) :相手先ブランド製造
メディア業界では、放送と通信の融合に加え、ネットメディアの台頭や新しいメディア端末の出現など、大きな環境変化の時期を迎えています。
(株) ジュピターテレコム (J:COM) は、ケーブルテレビ市場で約36%のシェア (2011年9月末時点) を占めるトッププレイヤーです。当社は、中核事業であるJ:COMのさらなる成長を軸に、メディア事業のより一層の発展を目指しています。
J:COMは、多チャンネル放送をはじめとした多様なデジタルサービスの充実や地域密着型営業の強化、KDDI (株) との業務提携の推進などを通じ、顧客基盤の一層の拡大に取り組んでいます。これらの結果、総加入世帯数は順調に増加し、2012年3月末時点では約364万世帯となっています。
企業活動のあらゆる場面でITの活用が進むにつれて、ITサービスの多様化・複雑化が進んでいます。また、企業活動のグローバル化の加速により、ITサービス企業にもグローバル体制の確立が強く求められる状況になりつつあります。
住商情報システム (株) と (株) CSKの合併により2011年10月に発足したSCSK (株) は、当社のITソリューション事業における中核事業会社です。両社の統合シナジーの早期実現により、フルラインナップのグローバルITサービス企業として、業界のリーディングポジションへの飛躍を目指します。
SCSKでは、クロスセルの推進、クラウド関連ビジネスの拡充、グローバル関連ビジネスの拡大に取り組んでいます。これらの基本戦略の推進に向け、多様なサービスやノウハウを複合的に組み合わせて提供できる組織、顧客のグローバル展開を効果的に支援する体制の強化を進めています。
日本の消費市場は約135兆円規模で推移しており、安定的かつ世界有数の巨大な市場です。近年は消費者の嗜好の変化やライフスタイルの多様化により、購買行動におけるメディアやITの活用が急速に進んでいます。
ジュピターショップチャンネル (株) (SHOP) は日本最大のテレビ通販事業者であり、当社のリテイル分野における中核事業会社です。当社では、SHOPを軸に独自のマルチチャンネル・リテイル戦略を加速させています。
SHOPでは、当社のブランド事業との連携をはじめ、魅力的な商品開発・番組企画の一層の充実に取り組むことで、顧客基盤の拡大を着実に進めています。
メディア・ライフスタイル事業部門では、このように国内で育成し成功したビジネスモデルを海外へと展開する取り組みを進めています。
主なターゲットエリアは、内需主導の経済発展によって中間所得層の購買力が急速に高まっている中国やアジアの新興国です。
日用品Eコマース事業では、2011年度に中国およびインドネシアで事業会社を設立しました。
ドラッグストア事業では、台湾での共同事業展開に向け、現地有力企業と2012年夏ごろを目処に合弁会社を設立する予定です。
今後は、テレビ通販やメディア事業などの分野においても海外事業化の検討を進め、中期的な成長に向けた将来の収益基盤づくりに積極的に取り組んでいきます。