当事業部門は、食料、生活資材、建設不動産という、生活に関連した3分野で事業を展開しています。
食料分野では、消費者の関心の高い「安全・安心」を最優先した食料の生産・品質管理・販売までの一貫したビジネスを行っています。
生活資材分野では、タイヤ・生コン・木材建材などの分野で、業界トップクラスの実力を誇る事業会社群を有します。
建設不動産分野では、オフィスビルや商業施設の賃貸・運営事業、住宅開発・分譲事業、不動産ファンドビジネスを主な柱とし、大型複合開発事業にも注力しています。
アジアや中東では、昨今の人口増加に加え、経済発展により食の多様化や高級化が進み、穀物、油脂、食肉及び飼料原料の需要が増加しています。
当社の食料事業は、豪州の穀物事業やフィリピンのバナナ事業などの川上分野での展開に強みがあります。今後は、川上分野での事業をさらに強化するとともに、川下までのバリューチェーンを構築することで、アジア・中東市場の需要を取り込み、収益基盤を拡充していきます。また、消費地であると同時に農業の大生産地でもあるアジア・オセアニアでの肥料事業を通して、食料生産の拡大に貢献していきます。
豪州では、穀物事業の川上分野の強化を進めており、穀物集荷・販売会社と港湾ターミナル・サイロ運営会社を統合しました。今後は、アジアのみならず中東などへの輸出も拡大し、穀物バリューチェーンを強化していきます。中国における肥料事業では、広東省に新工場を設立し、肥料販売の拡大を通して中国での食料生産拡大に貢献します。
木材資源事業では、新興国を中心とした世界的な人口増加により、今後も木材の需要が拡大することが見込まれます。
タイヤ事業は、新興国でのモータリゼーションに伴い、今後も需要が増大すると見込まれています。米国では、タイヤ販売本数の大幅な増加は見込めないものの、メンテナンスサービスなどのアフターサービスの需要が、車齢の伸びや自動車の技術構造の複雑化などにより、今後とも堅調に成長することが見込めます。
木材資源事業では、優良なパートナーとのロシアでの経験を活かし、木材資源をさらに確保してグローバル市場を開拓していきます。
タイヤ事業についても、新興国を中心とする世界のタイヤ需要を取り込み、トレードから小売までをカバーする独立系タイヤマーケターを目指していきます。
米国タイヤ事業のTBC Corporationは、米国で1,500拠点以上を展開する世界最大のサービスチェーンであるMidas Inc.を買収しました。この買収を通じて、サービス分野に強い大型のネットワークを取り込み、サービス事業の強化を図るとともに、拠点数の拡大により、収益基盤の拡大を図ります。
オフィスビル賃貸事業とマンション分譲事業では、都心部及び一等地の需要が底堅く推移しています。加えて、建物や保守に対する「安全・安心」への意識が従来以上に高まっています。
当社は、総合デベロッパーとして、古くから不動産事業に携わってきました。また、需要の高い都心部を戦略分野と位置づけ、他社に先駆け、人と環境に配慮したビル・街づくりを進めるなど、質の高い優良物件の開発を行っています。
2012年3月には当社が建設を進めた学校法人東京電機大学の東京千住キャンパスが完成しました。また、同大学の移転前の校舎であった神田キャンパスの一部を含めた神田エリアの再開発にも着手しています。また、当社が開発を手掛け、2011年11月に開業した「テラスモール湘南」は、地域の特性に合わせた店舗が、多くの人々をひきつけています。