当事業部門は、環境や新エネルギー分野における事業活動を集約し、全社をあげて開発・推進する役割を担っていることに加え、付加価値の高い金融・物流ビジネスを行っています。新産業分野では、太陽光発電関連、環境リサイクル・排出権・低炭素化事業、リチウムイオン電池関連、新興市場・成長分野へのベンチャー投資など新事業の開発と推進を戦略的に行っています。金融分野では、主要出資先である三井住友ファイナンス&リース (株) (SMFL) と共同で、航空機リースを中心とするリースビジネスを展開。また、商品デリバティブを扱うコモディティビジネスを日系大手の1社として推進しています。物流分野では、住商グローバル・ロジスティクス (株) を中心に複合物流機能をグローバルに提供しています。また、ベトナムなど東南アジアを中心に高付加価値の工業団地を展開しています。
低炭素・循環型社会に向けて社会構造が大きく変化していく中、新たなソリューションを創出・提供する機会がさらに増えていく見込みです。
太陽光発電分野では、欧州で蓄積した知見を活用し、新興国での発電事業の展開を図ります。次世代電池ビジネスでは、リチウムイオン電池におけるバリューチェーンの構築や電気自動車関連事業の開拓を進めつつ、蓄電池を核にスマートコミュニティ事業の推進を図ります。
環境リサイクルビジネスでは、天津で立ち上げた廃家電・廃電子機器リサイクル事業を中国内で横展開させ、将来的にアジア全域への拡大を目指します。
排出権・低炭素化事業では、省エネにも大きな効果が期待されるCO2選択透過膜の実用化・事業化に向けて取り組んでいきます。
太陽光発電事業ではスペイン、イタリアに続き、フランスで31MWの発電事業を開始しました。
日産自動車 (株) と共同で設立したフォーアールエナジー (株) では、電気自動車用のリチウムイオン電池を使った家庭用蓄電池システムなどを発表し、市場参入を行っていきます。また、電気自動車普及に向けた充電インフラ整備事業でも新会社を設立し、取り組みを始めています。
リース及びコモディティの両ビジネス分野において、国内需要が頭打ちの中、アジアなど新興国市場が拡大しています。特に航空機に関しては、新興国の成長に伴う旅客数の増加、格安航空会社の台頭などを受けて、需要が今後も拡大していくと見込まれています。
SMFLとの合弁会社であるSMFL Aircraft Capital Corporation B.V.を中核として、全世界をターゲットに航空機リースのポートフォリオを着実に拡大しています。さらに航空機リース事業にとどまらず、新分野においてもSMFLとの協業を拡大してきました。
コモディティ分野では、商品価格の変動により影響を受ける事業者 (アジア諸国を含む) に対し、デリバティブを用いたリスク低減策を提供していきます。
三井住友フィナンシャルグループ (SMFG) と共同で、The Royal Bank of Scotland plc傘下の航空機リース事業を買収しました。買収後の保有・管理機体数は世界第4位で、業界最大手の一角となります。これにより、SMFLの強固な財務基盤と当社が長年培ってきた航空機オペレーティングリースのノウハウを活用し、今後増大する新興国の需要を取り込み、さらなる事業の拡大を図ります。
東日本大震災やタイの洪水を機としたサプライチェーンの多様化や、円高を背景とした日本企業の生産拠点の海外移転 (特に東南アジアを中心とする新興国) の動きが活発化すると予想されます。
当社がベトナムやフィリピン及びインドネシアで展開中の工業団地では、土地の販売に加えて、初期投資の少ないレンタル工場の提供や入居企業との会議を定期的に開催するなど、ハード・ソフト両面での付加価値向上に努めています。
今後は、既存工業団地の拡張及び新規工業団地の開発と、これと歩調を合わせた物流ビジネスの展開を進めていきます。
ベトナム第二タンロン工業団地は造成工事が完了しており、同団地内で新物流センターの建設を開始します。