コラム1 ƒ(x)の進捗

2011年度の純利益は2,507億円と、過去最高の利益額を計上することができました。これは、ƒ(x)に基づく2011年度の定量目標2,200億円を大きく上回るものです。好調な業績の背景には、資源価格の上昇といった追い風要因もありましたが、ブラジルの鉄鉱石事業が収益に貢献し始めたことや、住友商事が従来から注力してきた非資源分野のコアビジネスが期待どおりに育っていることの表れでもあります。

2012年度の世界経済は、総じて緩やかな成長が続くと見ています。地域別に見ると、欧州経済ではソブリン問題の存在が世界経済の先行きに影を落とすものの、米国経済については金融緩和が継続されることで底堅く推移すると見ています。新興国経済については、好調な内需が支える形で堅調に推移すると見ています。

このような事業環境の中、2012年度は、資源価格の下落といった外部要因により資源分野が前年度比減益となる見通しですが、新興国における金属部門、インフラ部門や、メディア・ライフスタイル部門などの非資源分野が牽引する形で、純利益についてはƒ(x)で掲げる2012年度の定量目標2,600億円を達成し、過去最高益を更新する見通しです。またリスク・リターンについてもƒ(x)で掲げる15%以上を達成できる見込みです。

2011年度は純利益2,507億円と過去最高益を計上2012年度はこれを上回る2,600億円を見込む

 

中期経営計画ƒ(x)定量目標の進捗 中期経営計画ƒ(x)定量目標の進捗
資産入れ替えの進捗

ƒ(x)では、より高い成長性・収益性が期待できるビジネスモデルへの高度化・転換を図るため、全社的視点に基づく戦略的リソースマネジメントを推進しています。より優良な資産への入れ替えを行い、資産の質の改善を図るべく、ƒ(x)期間を通じて1兆1,500億円の資産を積み増す一方、同規模の資産削減を行うことにより総資産レベルを維持することを目指しています。

2011年度は、5,700億円の資産の積み増しを行いましたが、同額の資産売却・削減を実行しており、資産入替えは順調に進捗しています。

5,700億円の資産積み増しと同額の資産売却・削減を実行

 

中期経営計画ƒ(x)バランスシート計画 (2年間) の進捗 中期経営計画ƒ(x)バランスシート計画(2年間)の進捗
新規投融資

2011年度は、資源分野において優良な新規権益の獲得や既存案件の拡張を行ったほか、非資源分野では将来にわたって安定的に収益を伸ばしていくため、「各分野のコアビジネス」と「成長が期待できるビジネス」に対する投融資を積極的に行いました。その結果、新規投融資の実績は2,200億円となり、2年間の合計で5,800億円の新規投融資を目指す計画に対して順調に推移しました。2012年度は、欧州ソブリン問題の影響により新たな投資機会が増加する中で、各分野に3,600億円の新規投融資を実施する予定です。投融資に際しては、投資規律を緩めることなく、優良資産の発掘を行いながら着実に進めていきます。

 

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