2024年06月12日
住友商事株式会社

炭素繊維強化プラスチック成型メーカー、仏Epsilon Composite S.A.S.へ出資参画~バリューチェーンの川下へ収益基盤を戦略的に拡充~

住友商事株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員 CEO:上野 真吾、以下「住友商事」)は、Epsilon Composite S.A.S.(本社:仏ボルドー、CEO:Stéphane Lull、以下「EC」)への出資に向けた株主売買契約書及び株主間協定書を締結し、必要な当局の承認等も取得し出資を完了しました。

ECについて

ECは、1987年に設立された炭素繊維強化プラスチック(以下CFRP)(※ 1)成型メーカーです。引抜成形と呼ばれる製法に独自技術を加えたユニークな方法で、高性能なCFRP製品を低コストで製造しています。日本、イタリア、オーストリア、メキシコなどに営業拠点を持ち、世界中の建設業、カメラ三脚やロボットアームなどの一般産業、スポーツ・レジャー産業、航空産業、エネルギー産業などの幅広い分野で事業を展開しています。

出資の背景と今後の展開

住友商事は、炭素繊維市場の創成期から30年以上ECをはじめとした欧州企業に炭素繊維を供給しており、炭素繊維業界の知見及びネットワークを保有しています。今般の出資参画は、住友商事の炭素繊維関連ビジネスのさらなる成長のため、特に大きな成長が期待されるバリューチェーンの川下へ収益基盤を戦略的に拡充します。

出資参画後は、住友商事が保有するグローバルネットワーク、各種事業で築いてきた知見を最大限活用し、ECの企業価値向上を図る予定です。一例として、ECがCFRPを用いて製造する架空送電線用芯材の販売先を拡大します。同商品は、既存設備を利用しながらより多くの高圧電流を安全且つ高い送電効率で輸送できることから、再生可能エネルギーの普及促進に貢献すると考えています。

上記を通じ、住友商事が展開する再生可能エネルギー事業とのシナジー創出、またECの技術力と住友商事のネットワーク機能を掛け合わせることでECの商品群を拡大します。CFRP製品をこれまで以上に普及させることで、脱炭素社会に向けたCO2排出量削減に貢献していきます。

会社概要

会社名称 Epsilon Composite SAS(エプシロンコンポジット)
会社名称 Epsilon Composite SAS(エプシロンコンポジット)
所在地 Gaillan en Medoc, France
代表者 Stéphane Lull
設立時期 1987年1月
事業内容 引抜成型技術によるCFRP製造事業
従業員 200名

(※ 1)「Carbon Fiber Reinforced Plastics」の略で、炭素繊維で樹脂を強化した複合材料のこと。CFRP製品は、軽量でありながら高強度、高弾性など高い素材特性を持ち、部材の軽量化などを通じてCO2排出などによる環境負荷低減にも貢献する素材で、その特性から一部の鉄やアルミの代替素材としてさまざまな用途で需要の拡大が期待されている。

EC製 架空送電線 HVCRC®(中心部の黒い芯材がCFRP素材で出来ており、周囲はアルミで覆われている)

HVCRC®紹介動画


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