2024年06月28日
住友商事株式会社

米州住友商事、グローバル展開を視野に分散型電力事業への投資を拡大

住友商事株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員 CEO:上野 真吾、以下「住友商事」)は、米州住友商事(以下、総称して「当社グループ」)を通じて、再生可能エネルギー由来の電力事業会社のPacifico Power(本社:米国・カリフォルニア州、CEO:Kevin Pratt)が開発する太陽光発電および蓄電事業へ出資参画します。当社は国内外で再生可能エネルギー供給を起点としたグリーン電力プラットフォーム事業(※1)の開発に取り組んでおり、当社グループとして米国で初めての分散型電力事業への出資となります。

今回参画するのは、米マサチューセッツ州およびカリフォルニア州での合計27MWの太陽光発電設備および25MWhの蓄電池から構成される6案件(約4,000世帯の年間消費電力量に相当)で、本案件を通じて、地域のエネルギーシステムの変革に貢献します。マサチューセッツ州の2案件は、ソーラー・マサチューセッツ・リニューアブル・ターゲット(SMART)プログラムを活用した低所得者向けのコミュニティ・ソーラー・プロジェクト(※2)に指定され、低所得者を中心に地域の需要家、特に太陽光発電設備を設置することが難しい企業や一般家庭に向けて、既存電力契約よりも安価に再生可能エネルギー由来の電力を提供するものです。米国のコミュニティ・ソーラー市場は持続的成長を遂げ、累積導入量は現在の6GWから年率8%の成長を見込み、2028年には推定14GWまで拡大すると予想されています。

また、カリフォルニア州の4案件はビハインド・ザ・メータープロジェクト(※3)であり、電気代を削減するとともに、再生可能エネルギー由来の電力の安定供給に貢献し、顧客企業のサステナビリティ戦略の推進を支援していきます。

これらの案件はいずれも長期のサービス契約に基づいており、太陽光発電と蓄電池を組み合わせた効率的かつ顧客のニーズに合ったエネルギーソリューションを提供します。

太陽光発電は日照時間等に左右されるためその不安定性が指摘されています。太陽光発電と蓄電池を組み合わせることにより、需要に応じた出力調整が可能になるため、効率性と送配電網の安定化に繋がると期待されています。太陽光発電と蓄電池を組み合わせた本案件は、地域社会の経済成長を担保しながら低炭素化を実現し、安定した再生可能エネルギー由来の電力供給に貢献します。当社グループとPacifico Powerは協業を通じて、米国および世界における再生可能エネルギーと分散型発電の開発を推進し、低炭素社会の実現に向けた取り組みを進めます。

当社グループでは本案件を通して得られた知見を生かし、米国でのさらなる展開に加え、日本を始め太陽光発電と蓄電池の組み合わせが今後加速度的に普及していく国への展開も目指し、顧客企業の脱炭素化に貢献していきます。また、クリーンエネルギー事業や新たな電力・エネルギーサービスの拡大を通じ、当社が掲げる「気候変動問題を克服する」「安心で豊かな暮らしを実現する」というマテリアリティの実現を目指します。

  1. 分散型再生可能エネルギー電力の導入を起点とし、系統電力の再生可能エネルギー化や、蓄電池・EVの導入、またこれらをDXで連携させて再生可能エネルギーの主力電源化を実現する、当社が目指す総合的な再生可能エネルギープラットフォーム事業。
  2. 土地・建物の制約等から設備を設置出来ない企業や一般家庭が、同一地域内の別の場所に設置された太陽光発電所から作られる電気をシェアリングするモデルのこと。
  3. 需要家が所有する土地や屋根、駐車場等に設置した太陽光由来の電力を供給するビジネスモデルのこと。

住友商事 理事・米州住友商事 米州エネルギーイノベーション・イニシアチブリーダー 長谷川真一

「米国での分散型電力事業に参画できることを大変うれしく思います。住友商事グループは気候変動の問題の解決に必要な十分な経験とリソースを有しており、誰もが再生可能エネルギーにアクセスできる社会を目指し開発を進めてまいります。」

住友商事について

住友商事(TYO: 8053)は66の国と地域に129の拠点を有し、グローバルに強固なネットワークを持つ総合商社です。住友商事グループ全体では約900社、連結ベースで約8万人の社員を擁しており、鉄鋼、自動車、輸送機・建機、都市総合開発、メディア・デジタル、ライフスタイル、資源、化学品・エレクトロニクス・農業、エネルギートランスフォーメーションという9つのグループで事業活動を行っています。400年以上にわたり受け継がれてきた住友の事業精神を核としている住友商事は、コーポレートメッセージとして「Enriching lives and the world」を掲げ、社会により高い価値を創出していきます。住友商事

Pacifico Powerについて

Pacifico PowerはPacifico Energyのグループ企業であり、米国におけるプロジェクトの開発、資金調達、建設、運営を専門とする再生可能エネルギー電力事業会社です。サステナビリティとイノベーションに重点を置くPacifico Powerは、クリーンエネルギーソリューションの最前線に立ち、最先端技術と戦略的パートナーシップを活用して、信頼性が高く、安価で、環境に優しい電力の供給を実現しています。経験豊富な専門家チームとさまざまな市場で成功したプロジェクト実績に支えられ、低炭素社会実現を推進すると共に、ステークホルダーへ向けた価値創造や世界的な気候変動対策への貢献にも全力で取り組んでいます。

Pacifico Energy Groupについて

Pacifico Energy Groupは、米国、日本、ベトナム、韓国でビジネスを展開する株式非公開のグローバル投資会社です。再生可能エネルギー、航空、不動産、プライベート・エクイティ(※4)に特化し、グローバル市場、特にエネルギー転換の影響が大きな市場において主要なプレーヤーになることを目指しています。Pacifico Energy Groupは、現在までに60億ドル以上の資金調達に成功し、1.5GW以上の再生可能エネルギー案件を建設または操業中であることに加え、7GWの案件開発を進めています。Pacifico Energy Groupの日本部門は、日本国内最大規模の太陽光発電の開発事業者であり、さらなる事業の拡大を続けています。また、その他の再生可能エネルギー事業として、洋上および陸上風力発電、商用のバッテリー配備などを行っています。

※4 株式未公開の会社もしくは事業への投資


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