慢性疾患患者の健康状態向上を目指し、
Vast Medical Holdingsへ出資し米国ヘルスケア事業に参入

住友商事株式会社（本社：東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員 CEO：上野真吾、以下「住友商事」）は、米州住友商事会社（以下、総称して「住友商事グループ」）を通じて、Quest Health Solutions（クエスト・ヘルス・ソリューションズ、以下「Quest社」）を有するVast Medical Holdingsに出資し、米国でのヘルスケア事業に参入しました。

米国では糖尿病を含む慢性疾患が社会問題となっています。米国疾病予防管理センター（CDC）によると、米国人口の11.6パーセントにあたる3,840万人が糖尿病を患っているとされており、今後も糖尿病患者数は増加すると予想されています。また、推定で米国の人口の約40パーセントが糖尿病または糖尿病予備軍であるといわれています。

Quest社は、患者、医療機関、医療機器・用品メーカー、医療保険会社をつなぐ存在として、糖尿病ケア市場で医療保険会社や医療機関と連携して在宅用の医療機器・用品、サービスを患者へ提供する事業を展開しています。持続血糖測定器（CGM）などの医療機器・用品を患者へ届けるサービスや、グループ会社であるQuest Health Remote CareとQuest Health RPM Servicesを通じて、遠隔患者モニタリング（RPM）サービスを提供しています。Quest社は、CGMから得られる血糖値などのデータをもとに患者へ食事や運動などの指導を行うことで、患者の健康状態の維持・向上をサポートしています。

Quest社のビジネスモデル

住友商事グループは、今回の出資を契機に米国のヘルスケア市場に参入し、事業の基盤である医療保険会社や医療機関とのネットワークを拡大させながら、慢性疾患患者に対し医療データやAIを活用した医療サービスを提供することで、患者の生活の質の向上と高騰する医療費の抑制を目指します。また、本ビジネスモデルを日本や東南アジアの既存事業にも展開し、グローバルなヘルスケアの課題解決にもつなげていきます。

米州住友商事会社 Healthcare Group兼Business Development Group General Manager Jeremy Yapのコメント

米国ヘルスケア市場への参入にあたり、理想的なパートナーを見つけました。Quest社の事業領域は、米州住友商事の事業戦略に沿っており、患者の健康状態の維持・向上と医療サービスへのアクセス拡大を目指す米州住友商事の取り組みをサポートしてくれます。米州住友商事は、Quest社の事業成長を支援し、サービスを必要とする患者に対応するための専門知識とリソースを有していると確信しています。

Quest社 CEO兼共同創業者 Adam Nadler氏のコメント

米州住友商事が、Quest社のビジョンに共感し信頼を示してくれたことは、Quest社の事業成長を勢いづけるものとなりました。また、こういったビジネスパートナーを見つけることは、サービスを継続的に改善していくにあたっても非常に重要でした。米国では毎日1万人もの人々がメディケア（注）に加入し、その多くが高額な医療費がかかる入院を避けるために在宅医療を希望しています。今回の業務提携によって、Quest社のサービスに対する数万人の消費者からの信頼が高まることを期待しています。医療機器・用品やサービスを適切に提供することによって、患者の健康状態の維持・向上と、医療費削減につなげていきます。

 （注）メディケア

 65歳以上の高齢者や65歳未満の障がい者、年齢を問わず重度の腎臓障害を持つ人、筋萎縮性側索硬化症（ALS）を患う人を対象とした米国連邦政府による健康保険。

住友商事グループのヘルスケア事業における取り組み

今回の出資は、住友商事グループにとって米国ヘルスケアサービス事業への初めての投資となりますが、住友商事は、数十年にわたりグローバルにヘルスケア事業を展開してきました。1993年に日本でドラッグストア「トモズ」を創業して以来、東南アジアでのマネージドケア事業やクリニック事業への参入など、国内外でヘルスケア事業を推進しています。

【住友商事について】

住友商事（TYO: 8053）は66の国と地域に129の拠点を有し、グローバルに強固なネットワークを持つ総合商社です。住友商事グループ全体では約900社、連結ベースで約8万人の社員を擁しており、 鉄鋼、自動車、輸送機・建機、都市総合開発、メディア・デジタル、ライフスタイル、資源、化学品・エレクトロニクス・農業、エネルギートランスフォーメーションという9つのグループで事業活動を行っています。400年以上にわたり受け継がれてきた住友の事業精神を核としている住友商事は、コーポレートメッセージとして「Enriching lives and the world」を掲げ、社会により高い価値を創出していきます。
URL：https://www.sumitomocorp.com/ja/jp

【米州住友商事について】

米州住友商事は、1952年に設立された住友商事最大の子会社です。ニューヨークに本社を置き、米国主要都市に9拠点、カナダに4拠点、メキシコに2拠点のオフィスを有しています。多国籍プロジェクト、国際投資、およびグローバルな製品流通において重要な役割を担っており、エネルギー、自動車、社会インフラ、農業食品、ライフサイエンス、建設、輸送システム、不動産、鉱物資源、エネルギーイノベーションといった事業を展開しています。

【Quest社について】

2016年に設立されたQuest社は、Vast Medical Holdings傘下の会社で、フロリダ州コーラルスプリングスを本拠地としています。CGMの大手流通業者として、糖尿病患者と医療機関のニーズに応じた医療サービスを提供しています。詳細は  www.questhealthsolutions.com  をご覧ください。

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