2023年08月08日
住友商事株式会社

西豪州スカボロガス田開発プロジェクトの一部権益取得および豪ウッドサイドとの脱炭素化社会構築に向けた協業について

住友商事株式会社（本社：東京都千代田区、代表取締役社長執行役員 CEO：兵頭誠之、以下「住友商事」）は、豪州最大手のエネルギー会社であるWoodside Energy Group Ltd（以下「ウッドサイド」）と以下2つの分野に関して合意しました。

1. 西豪州スカボロガス田開発プロジェクトの権益取得
住友商事が50%出資するエルエヌジージャパン株式会社（本社：東京都千代田区、社長：小野島恭、以下「エルエヌジージャパン」）を通じて、ウッドサイドの子会社であるWoodside Energy (Australia) Pty Ltdから西豪州スカボロガス田開発プロジェクト（以下「本プロジェクト」）の10%権益（住友商事持分5%）を取得することに合意しました。本権益取得は、豪州連邦政府および西豪州政府の関連許認可取得を経て完了します。

本プロジェクトは、西豪州北西部沖合約375kmの連邦海域に位置するスカボロガス田から生産される天然ガスを、ウッドサイドが運営操業するプルートLNG基地まで海底パイプラインで輸送し、同基地内で液化加工しLNGを生産するものです。スカボロガス田の天然ガス性状はCO2含有率が非常に低いため、生産段階での温室効果ガス排出量が比較的少なく、環境負荷の小さいLNG生産プロジェクトとなります。本プロジェクトはウッドサイドが2021年11月に最終投資決定したもので、総投資額はプロジェクト全体で57億米ドル（約8,000億円）を予定しています。

今後、エルエヌジージャパンは本プロジェクトの10%権益保有者としてオペレーターのウッドサイドと連携し、2026年のLNG生産開始に向けて本プロジェクトを推進していきます。また、生産開始後は、権益相当分のLNG（最大80万トン/年）を販売していきます。

天然ガスおよびLNGは、トランジションエネルギーとして重要な役割が期待されており、特にアジアにおける需要の増加が見込まれます。また、昨今では地政学リスクに起因してエネルギーセキュリティーの重要性が再認識されています。住友商事グループは、「気候変動緩和」を重要社会課題の一つとして位置付け、「当社グループのCO2排出量を2035年までに50％以上削減（2019年比）」、および「2050年の事業活動のカーボンニュートラル化」を目標に掲げています。これらの目標の達成を前提としながら、本プロジェクトを通じ、豪州の発展に貢献していくとともに、低炭素･脱炭素化社会の実現および日本をはじめとするアジア地域へのエネルギーの安定供給に取り組みます。

2. 脱炭素化社会構築に向けた協業検討
住友商事は低炭素･脱炭素化社会の実現に向け、ウッドサイドと新エネルギー分野（アンモニア、水素、CCS、森林、カーボンマネジメント）での協業検討に関する覚書を締結しました。上記1.のトランジションエネルギーの安定供給と並行して、気候変動緩和に向けた事業の協業機会を模索し、脱炭素化社会の構築に寄与していきます。

住友商事グループは、「気候変動緩和」を重要社会課題の一つとして位置付け、社会の持続可能なエネルギーサイクルの基盤となるさまざまな事業開発に多角的に取り組んでいます。同様に、気候変動緩和に向けてエネルギー転換に挑戦するウッドサイドとともに、互いの情報や知見・経験を活用し、さらなる事業の開発・展開に取り組みます。

■Scarborough概要
＜鉱区位置＞

出資構成	Woodside Energy Scarborough Pty Ltd 73.5% Woodside Energy (Australia) Pty Ltd 16.5% LJ Scarborough Pty Ltd　10%
最終投資決定	2021年11月
生産開始	2026年
生産量（処理後/ピーク）	LNG：800万トン／年

エルエヌジージャパン概要

設立	2001年10月
株主構成	住友商事 50%、双日株式会社 50%
従業員数	約100名（関係会社従業員を含む）
事業概要	・LNGに関する輸出⼊業務（代⾏業務等）・LNGガス開発ガス⽥権益投資業務・液化事業投資業務・LNG船保有・運航業務およびその他天然ガス関連事業他