2024年03月19日
住友商事株式会社

東京証券取引所が実施した「マーケットメイカー制度」にてベスト・マーケットメイカーとして表彰~黎明期のカーボン・クレジット市場にて流動性の向上に貢献~

住友商事は、東京証券取引所が開設するカーボン・クレジット市場において試行的に実施した「マーケットメイカー制度」(以下「MM制度」)にて、市場形成に貢献したベスト・マーケットメイカーとして表彰されました。

日本の脱炭素化にあたり大きな期待が寄せられるカーボン・クレジット市場

日本政府が掲げる2050年のカーボンニュートラル実現にあたり、CO2を排出する企業などの行動変容を目的として、排出されたCO2に価格を付ける「カーボンプライシング」の活用が期待されています。日本政府は2023 年に公表した「GX 実現に向けた基本方針」において、カーボンプライシング活用の一環として「排出量取引制度」(※1)の導入を示し、2026 年度からの本格稼働を予定しています。

このような流れを受け、東京証券取引所は2022年度に経済産業省から受託・実施した「カーボン・クレジット市場の技術的実証等事業」から得た知見と市場運営の経験を活かし、2023年10月にカーボン・クレジット市場を開設しました。また、同年11月より、市場取引を通じたカーボン・クレジットの適正な価格形成および流動性の向上などを目的として、 MM制度を試行的に実施しました。

MM制度とは、金融市場において、証券取引所から資格を得たマーケットメイカーが継続的に売買の気配(価格および数量)を提示することで、市場参加の注文に対して約定を保証し、市場全体の取引量の安定化を目指す制度です。MM制度の実施にあたり住友商事は5社のマーケットメイカーの1社に選定されていましたが、MM制度期間におけるすべての目標基準を達成し、カーボン・クレジット市場の流動性の向上と価格形成に貢献したベスト・マーケットメイカーとして表彰を受けました。

住友商事のカーボン・クレジット分野における取り組み

住友商事は、経営における重要なテーマとして「持続可能な社会の実現」を掲げています。2022年4月には、全社を横断してカーボン・クレジットを中心とした脱炭素ソリューションビジネスの推進を担う専門組織として、カーボンソリューションチームを設立しました。本質的な温室効果ガスの削減に資するプロジェクトによるカーボン・クレジットの開発・販売を通じて、住友商事が掲げる「気候変動緩和」「循環経済の実現」という重要社会課題の解決と、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。

  1. 企業や国などが温室効果ガスを排出することのできる量を排出枠として定め、排出枠を超えて排出をしてしまった団体が、排出枠より実際の排出量が少ない団体から排出枠を買ってくることを可能にし、それによって削減したとみなすことができるようにする制度。

<担当者コメント>

エネルギーイノベーション・イニシアチブ カーボンソリューションチーム 西 美晴

2014年入社。食料品・木材製品の貿易業務、社内起業を経て、2022年からカーボン・クレジットのマーケティングおよびトレーディング業務に従事。

これまで相対取引が主流であったJ-クレジットを市場取引化するには、市場を盛り上げるマーケットメイカーの存在が不可欠です。当社は、マーケットメイカーとして日々気配値を提示し、約定を成立させることで、J-クレジットの市場流動性を高めてきました。脱炭素化は不確実性が高い取り組みですが、カーボン・クレジット市場の形成によって炭素価格が明らかになり、脱炭素ビジネスの加速につながります。今後もカーボンプライシングを実現する市場形成に貢献し、この流れをビジネスチャンスと捉え社会の脱炭素化を加速させていきます。



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