2025年01月23日
住友商事株式会社

藻類由来DHAの日本向け独占代理店契約をブルガリアのHuvepharmaと締結~魚から藻類由来への転換により、安全性の高い食の安定供給に貢献~

住友商事株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員 CEO:上野 真吾、以下「住友商事」)は、ブルガリアで藻類由来のDHAの製造を行うグローバルアニマルヘルスケア企業Huvepharma EOOD(本社:ソフィア、President and CEO:Kiril Domuschiev、以下「ヒューベファーマ社」)と日本向け独占代理店契約を締結しました。

日本におけるDHA市場と課題

DHA(注1)は認知機能の向上、生活習慣病予防などの効果が期待される栄養素で、日本では健康意識の高まりからサプリメントなどの健康食品を中心に活用され、市場規模は約350億円、今後も年率約4~5パーセントで拡大していくことが予想されています。一方で、現在普及しているDHAは魚由来のものが主流のため、魚特有の臭いや、魚の体内に蓄積される重金属などの化学物質の残留が課題となっており、魚の乱獲による価格高騰も予想されています。

藻類由来DHAとヒューベファーマ社の強み

藻類由来のDHAは、魚由来と同等の成分を持ちながら、藻類を培養して抽出されるため魚特有の臭いがなく、魚由来のDHAで懸念される化学物質もなく安全性が高いことが特徴です。これにより、ベジタリアンや植物性食品の嗜好者、乳幼児や妊娠・授乳期の女性向け製品への展開もしやすく、幅広い使用用途と環境負荷の少ないサステナブルな素材として期待されています。ヒューベファーマ社は、世界100カ国以上で畜産向け添加物や動物用医薬品、栄養食品などを製造・販売する企業で、自社の研究開発で培った高度な藻類培養技術を有しています。さらには、日本国内で販売する際に求められるGMP(製造・品質管理基準)やHACCP(衛生管理基準)に則り安全かつ高品質な製品を製造でき、サプリメントや乳幼児向け商品にも適した素材として提供できることも強みです。また、欧州最大級の発酵施設を有し、将来的な需要拡大への対応や藻類由来の新たな栄養素製造に向けた展開も視野に入れた体制を整えています。

ヒューベファーマ社がブルガリアで保有する発酵施設

住友商事グループの次世代型食料生産分野における取り組み

住友商事は、約70年間にわたり農業関連ビジネスを手掛けており、農薬・肥料など農業資材のトレード・現地卸売、農業生産者向けの直販事業を柱として、世界約40カ国で事業を展開しています。グローバルでの調達・販売・情報ネットワークと川上から川下まで広くバリューチェーンをカバーしていることが強みです。次世代の食料生産分野では、食の安定供給および環境負荷の低減を目的として、現在は、藻類由来のタンパク質などの高機能素材、ゲノム編集技術を駆使した高機能を有する農畜産物や細胞性食品などの開発に取り組んでいます。

本件は藻類由来DHAの普及拡大により、安全性の高い食の安定供給を目指すものです。住友商事は農業関連ビジネスで培ってきた知見と国内外のネットワークを生かして、サステナブルな食料生産システムの構築に貢献していきます。

(注1)DHA(Docosahexaenoic Acid:ドコサヘキサエン酸)
人間の体に必須で、体内で生成できず食事で摂取する必要がある栄養素。ミドリムシやスラストキトリウムなどの微細藻類を起源として、食物連鎖の中で魚の体内に凝縮されるため、主に魚油から抽出される。

Huvepharma 概要

会社名 Huvepharma EOOD
本社所在地 ブルガリア ソフィア
事業概要 畜産向け添加物・動物用医薬品・栄養食品などの製造・販売事業
会社設立 1999年
ウェブサイト https://www.huvepharma.com/

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