2025年07月10日
住友商事株式会社
英国政府と事業投資に関する包括的な覚書を締結
住友商事株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員 CEO:上野 真吾、以下「住友商事」)は、2025年7月9日、英国政府傘下のビジネス・通商省投資局との間で、英国における事業投資の促進に関する包括的な覚書(以下、「本覚書」)を締結しました。本覚書は、住友商事が英国において、既存事業へのこれまでの投資も含めた累計で、2035年までに75億ポンド(約1兆4600億円)規模の投資案件に事業パートナーとともに参画する方針と、それに対して英国政府が支援することを示したものです。昨日、駐日英国大使館にて、英国ビジネス・通商省主催の署名式が執り行われました。
調印式の写真

住友商事は、洋上風力発電事業、CCS(注1)・水素関連事業、鉄道事業など、幅広い事業投資を英国で行ってきました。また、フュージョンエネルギー(核融合)(注2)や、蓄電を含むエネルギーマネジメントなど、新技術に対する事業化検討も進めています。住友商事の現在の英国における主な事業および取り組みは、以下の通りです。
洋上風力発電事業 |
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CCS・水素関連事業 |
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鉄道事業 | 地下鉄Elizabeth lineの運営事業 |
フュージョンエネルギーにおける協業 | Tokamak Energy社とのフュージョンエネルギーにおける協業 |
コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)の設立 | Presidio Ventures の英国展開 |
住友商事は今後も、英国政府との協力体制を強化し、英国における事業投資の促進に取り組んでいきます。
- 住友商事 常務執行役員 エネルギートランスフォーメーショングループCEO 森 肇
- 当社は英国において、脱炭素・クリーンエネルギー分野をはじめ積極的な事業投資を行ってきました。英国の新たな産業戦略において、クリーンエネルギー分野は優先分野として位置付けられております。当社は今回の合意を通じて、今後も自らの強みを最大限に生かしながら、英国におけるクリーンエネルギー分野の発展に貢献していくことを目指します。
- 住友商事 常務執行役員 欧州総支配人 小池 浩之
- 英国政府は積極的に民間投資の誘致・支援を進め、ビジネス環境の整備を図っています。今回の投資局との包括的な覚書により、英国政府と当社の関係がさらに強化され、当社が事業を通じて英国経済・社会の発展に一層貢献できることを期待しています。
- 駐日英国臨時代理大使 エミール・レベンドールー
- 住友商事による今回の75億ポンドの投資は、英国と日本の間で進むクリーンエネルギーインフラ分野における強固な協力関係を象徴する最新の事例です。本年3月に開催された「第一回日英経済版2+2」において、武藤大臣とレイノルズ ビジネス・貿易大臣が署名した洋上風力発電に関する協力覚書にみられるように、両国がパートナーシップをさらに深化にさせる強い意思を示すものでもあります。
日本による英国の洋上風力および関連インフラプロジェクトへの投資は、英国の「新たな産業戦略」と完全に合致しており、クリーンで自国主導のエネルギーを確保すると同時に、英国と日本の両国において高付加価値の雇用を創出し、持続可能な経済成長を実現する原動力となるものです。
- ビジネス・通商省アジア太平洋地域貿易担当長官 マーティン・ケント
- 今回の住友商事との新たな合意は、英国と日本、そして広くアジア太平洋地域との間で築かれている深く持続的なパートナーシップをさらに一歩前進させるものです。英国はすでにグローバルに開かれた、安定性のある経済国家であり、「新たな産業戦略」を通じて、さらなる信頼と安定をもたらす準備が整っています。私たちのメッセージは明確です。『英国はビジネスに開かれているだけでなく、アジア太平洋地域と共に未来を築く準備ができている』ということです。
(注1)CCS:Carbon dioxide Capture and Storageの略称。産業活動から排出されるCO2を回収・輸送・貯留すること。
(注2)フュージョンエネルギー: 水素などの軽い原子核同士を融合させ、ヘリウムのような別の少し大きな原子核となる際に、大量のエネルギーを放出する反応をフュージョン反応という。熱エネルギーを用いた発電技術は、温室効果ガスを排出せず、燃料供給も安定していることから、原子力や火力に代わる基幹エネルギー源として期待されている。
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イギリスにおけるギャロパー洋上風力発電事業参画について
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フュージョンエネルギーの社会実装に向けた英Tokamak Energyとの協業について