当社グループの
カーボンニュートラル化

当社グループはこれまで、マテリアリティ「気候変動問題を克服する」の長期目標として「2050年の自社事業のカーボンニュートラル化」を掲げて、GHGの削減を推進してきました。中期経営計画2026においてサステナビリティ経営の軸として、「サプライチェーン視点へのシフト」や「アカウンタビリティの向上」を意識しています。2025年にサプライチェーン上の排出量であるScope3全Category算定が完了し第三者認証を取得したことを受け、2026年2月、GHGプロトコルに沿ったカーボンニュートラル化対象範囲へと更新しました。本ページでは、これまでの当社グループのカーボンニュートラル化目標の進捗そして、新たに対象範囲を “Scope1・2およびScope3(Category13および15)”と設定した背景・詳細を解説します。また、カーボンニュートラル化目標の更新に伴い、関連する「気候変動問題に対する方針」およびマテリアリティ「気候変動問題を克服する」における長期・中期目標も改定していますので、ページ末尾をご参照ください。

更新前のカーボンニュートラル化対象範囲と排出削減目標
(2020年設定)

当社グループは、2020年にカーボンニュートラル化目標を策定しました。対象範囲は、多岐にわたる当社グループの活動のうちCO2削減優先度の高い「事業」を捉えるという観点を重視し、「火力発電事業および化石エネルギー権益事業、ならびに単体・子会社のScope1・2」としました。併せて、新規に一般炭鉱山開発事業や石炭火力発電事業に取り組まないことなど投融資姿勢を明確化したことで、早期撤退を含めた案件毎の個別議論を進めました。
上記定義における当社グループの基準年度(2019年度)排出量である60百万t-CO2eに対し、2024年度実績は51百万t-CO2eと着実に削減を進めています。中間排出削減目標である2035年度50%以上削減および2050年カーボンニュートラル化に向けて計画通りに進捗してきました。

更新前のカーボンニュートラル化目標とその進捗

カーボンニュートラル化対象範囲の移行

近年GHG排出量の算定ルールとしてGHGプロトコルがデファクトスタンダード化しています。その中、当社グループのサプライチェーン上の排出量であるScope3全Categoryの2024年度実績算定が完了し、第三者認証を取得したことを受け、2024年度を移行年度として、2026年2月にGHGプロトコルに沿って当社グループのカーボンニュートラル化対象範囲を更新しました。この更新は、中期経営計画2026においてサステナビリティ経営の軸とする、「サプライチェーン視点へのシフト」や「アカウンタビリティの向上」に資する取り組みです。

2024年度以降は、Scope1・2に加え、Scope3のうちCategory13(リース資産(下流))およびCategory15(投資)をカーボンニュートラル化対象範囲とします。従来は火力発電事業と化石エネルギー権益事業にフォーカスしてきましたが、新たな範囲設定により、サプライチェーン上の排出量であるScope3の一部が含まれることとなり、カーボンニュートラル化の対象範囲は拡大します。

GHGプロトコルに沿ったカーボンニュートラル化対象範囲への移行

更新後のカーボンニュートラル化対象範囲(2026年2月設定)

今般、削減優先度を重視した「事業単位」から、GHGプロトコルのScopeに沿ったカーボンニュートラル化対象範囲へ移行します。
Scope3については、GHGプロトコルとの整合性を確保しながら、従来の削減優先度の高い事業をカバーすることを前提として、当社グループの多岐に渡る事業領域を踏まえ、サプライチェーン上の排出者へ関与できる度合および削減優先度を総合的に勘案し、Category13(リース資産(下流))およびCategory15(投資)を対象としました。
Scope3の多排出領域としては、Category1(購入した製品・サービス)およびCategory11(販売した製品の使用)がありますが、これらは製品・サービスのトレーディングによる排出量です。当社グループが製造するケースは少ないことからカーボンニュートラル化対象範囲に含めていませんが、まずはサプライヤーエンゲージメントを強化し、排出量および削減対策の把握を行うことから対策を開始しています。
なお、2020年以降カーボンニュートラル化対象としていた範囲と新たな範囲はほぼ重なりますが、化石エネルギー権益事業および一部の火力発電事業は、対象範囲外となります。これはGHGプロトコルの経営支配力基準に厳格に準じたことによる影響であり、当社グループの火力発電事業および化石エネルギー権益事業の排出量削減努力を緩めるものではなく、両事業については、従来の定義に基づく個別事業単位の排出削減目標を維持し、今後も年次実績の開示を継続します。火力発電事業および化石エネルギー権益事業の排出削減目標・進捗についてはこちら

当社グループのカーボンニュートラル化対象範囲

GHG排出量 2024年度実績

2024年度における当社グループのGHG排出量の概要は以下のとおりです。集計範囲は連結ベースとし、当社単体、連結子会社および共同支配事業を対象としています。集計範囲の決定にあたっては、2023年度よりGHGプロトコルに基づく経営支配力基準を適用しています。詳細は当社サステナビリティディスクロージャーサイト(Scope1・2についてはこちら、Scope3についてはこちら)をご参照ください。

<Scope1・2>

Scope1:主として、当社の連結子会社が保有・運営する発電所における直接排出
Scope2:主として、当社の連結子会社が保有する製造・保管設備および店舗における電力使用に伴う間接排出

<Scope3>

Scope3は、当社グループの幅広い事業におけるサプライチェーン全体の排出量を網羅的に含むものです。Category別の主な排出要因は以下のとおりです。
Category 1、11:主として、製品のトレーディングに伴う排出
Category 13:主として、当社の連結子会社がリース資産として貸与する発電所における排出
Category 15:主として、当社の持分法適用会社が保有・運営する発電所における排出

当社グループでは、SSBJ基準適用を見据え、2023年からScope3排出量の把握・算定を慎重に進めてきました。重要性の観点から、事業収益規模が小さく、かつ多排出事業に該当しない一部事業会社は対象範囲から除外しています。ただし、その影響はScope3全Categoryの排出量の5%以下と軽微です。なお、Scope3の全Categoryについて第三者保証を取得しており、保証書は当社サステナビリティディスクロージャーサイトに掲載しています。

当社グループでは、各営業グループのCFOオフィスに所属するサステナビリティ推進担当者を中心に、営業グループが主体となってScope3排出量を算定しました。各現場レベルで主要な排出要因や削減可能性を具体的に把握し、次のアクションに関する議論を進めています。

Scope1・2

(単位:千t-CO2e)

    2024年度
Scope1 エネルギー起源CO2 6,630
Scope1 エネルギー起源CO2以外のGHG排出量 36
Scope2 490
  合計 7,157

Scope3

(単位:千t-CO2e)

カテゴリー 2024年度

1 購入した製品・サービス 32,713
2 資本財 629
3 Scope1、2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 4,542
4 輸送、配送(上流) 2,308
5 事業から出る廃棄物 21
6 出張 28
7 雇用者の通勤 23
8 リース資産(上流)

9 輸送、配送(下流) 301
10 販売した製品の加工 1,031
11 販売した製品の使用 38,015
12 販売した製品の廃棄 245
13 リース資産(下流) 20,052
14 フランチャイズ
15 投資 17,778
    合計 117,688

更新後のカーボンニュートラル化対象範囲と排出削減目標
(2026年2月設定)

Scope3の2024年度実績算定が完了したことを踏まえ、Scope1・2・3いずれも追跡可能な実績データを基準とするため、新たなカーボンニュートラル化目標における基準年度を2024年度とします。中間排出削減目標は2035年度に基準年度比30%減(内訳:Scope1・2は85%減、Scope3(Category13および15)は20%減)、長期目標は2050年の当社グループのカーボンニュートラル化です。なお、カーボンニュートラル化とは、当社グループのGHG排出を削減したうえで、炭素除去など国際的に認められた方法により、残余排出量を実質ゼロとすることを指します。

また、2020年に設定したカーボンニュートラル化対象範囲ではCO2のみを削減対象としていましたが、一酸化二窒素などを含むGHGに対象を拡大します。なお、2024年度のCO2以外のGHG排出量は36千t-CO2eと、全体に与える影響は軽微です。

排出削減目標達成に向け、設備の省エネルギー化や入れ替え、再生可能エネルギーの調達など、各現場の事業環境に合わせた着実な削減努力を続けていきます。

更新後のカーボンニュートラル化目標(2026年2月設定)

Scope1・2

<基準年度 2024年度7.2百万t-CO2e>
<中間目標 2035年度0.8百万t-CO2e(基準年度比85%減)>
<長期目標 2050年カーボンニュートラル化>

  • ・2035年度の排出量目標値である0.8百万t-CO2eは、2019年度のScope1・2の合計1.5百万t-CO2eに対し50%以上の排出削減となり、2019年度を基準年としていた従前の中間目標を維持した水準となります。
  • ・2024年度のScope1・2は2019年度比約6百万t-CO2e増加していますが、2019年度には建設中であったVan Phong火力発電所(当社100%保有)が、2024年度に稼働開始したことによるものです。同発電所は持分の50%譲渡が決定しており、譲渡後はScope3 Category15にて持分相当の排出量を認識する予定です。詳細はこちら

Scope3(Category13および15)

<基準年度 2024年度38百万t-CO2e>
<中間目標 2035年度30百万t-CO2e(基準年度比20%減)>
<長期目標 2050年カーボンニュートラル化>

  • ・2024年度時点では、Scope3の大半は火力発電事業による排出ですが、地域社会における経済や産業の発展に不可欠なエネルギーを安定的に供給するとともに、経営資源をより環境負荷の低い発電ポートフォリオに継続的にシフトする方針です。
  • ・2035年度の排出量見込みは、Van Phong火力発電所の持分の50%譲渡後の排出量を含みます。

火力発電事業および化石エネルギー権益事業の考え方・排出量実績

「火力発電事業および化石エネルギー権益事業」は、当社グループが排出削減を進める重点領域であり、両事業の排出量は、当社の投融資姿勢を各ステークホルダーに伝える重要な情報と捉えています。GHGプロトコルに基づく新たなカーボンニュートラル化対象範囲においては、両事業の全ての排出量を捕捉できないこと(※)を踏まえ、今後も年度ごとの両事業の排出量開示を継続します。なお、継続性の観点から基準年度は2019年度のまま据え置きとしています。2024年度までの実績推移は以下のとおりです。
火力発電事業については、2035年度に基準年度(2019年度)比40%以上削減すること、うち石炭火力発電事業については、2035年度に基準年度(2019年度)比60%以上削減することを目標としています。化石エネルギー権益事業のうち一般炭鉱山開発事業については、今後新規の権益取得は行わず、持分生産量を2020年代後半にゼロとします。

  • ※ 火力発電事業および化石エネルギー権益事業の合計排出量(2024年度排出量合計50百万t-CO2e)の約7割は、新たに設定する「Scope1・2およびScope3(Category13および15)」の対象範囲に含まれるが、約3割は当社グループが少数株主として投資する事業におけるサプライチェーン上の排出量であるなどの理由により、当社Scope1・2・3の対象範囲外となるもの。

火力発電事業および化石エネルギー権益事業に伴うCO2排出量(※1)

(単位:千t-CO2e)

指標 2019年度
(基準年度)
2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度 削減率
(基準年度比)
2035年度
目標
火力発電
事業※2
43,126 40,582 41,368 42,613 39,632 38,612 -10.5% 40%以上
うち、石炭火力
発電事業※2
34,452 32,337 33,202 34,853 32,820 32,429 -5.9% 60%以上
化石エネルギー
権益事業※3
15,808 13,811 13,162 9,203 11,192 11,564 -26.8%
うち、一般炭鉱山
開発事業
12,538 11,207 11,457 8,035 10,164 10,248 -18.3% 2020年代
後半にゼロ
  • ※1 発電事業の稼働済案件および化石エネルギー権益に係る実績は第三者機関のアドバイスを受けて算定。
  • ※2 建設中案件の推計値および持分法適用関連会社の排出も含む。
  • ※3 住友商事単体および子会社、持分法適用関連会社の化石エネルギー権益事業で生産されたエネルギー資源の、他者の使用に伴う間接的CO2排出を算定。

「気候変動問題に対する方針」および
マテリアリティ「気候変動問題を克服する」における
長期・中期目標の改定

当社グループは「気候変動問題に対する方針」およびマテリアリティの一つである「気候変動問題を克服する」の
長期・中期目標に沿って、取り組みを推進しています。
今般、カーボンニュートラル化対象範囲の更新に伴い、関連箇所を改定しました。

気候変動問題に対する方針

基本方針

・2050年に住友商事グループのカーボンニュートラル化(※)を目指す。

・持続可能なエネルギーサイクル実現のため、社会全体のGHG排出削減や炭素除去に資する技術・ビジネスモデルを開拓する。

・ビジネスパートナーや公共機関と協力した取り組みや提言などを通じて、社会のカーボンニュートラル化に貢献する。

事業における方針

・社会全体のGHG排出削減に資する再生可能エネルギー化やエネルギー活用の効率化、および燃料転換を促進する。
また、再生可能エネルギーを主体とした新たなエネルギーマネジメントやモビリティサービスの提供、水素社会などの実現に取り組む。

・発電事業については、地域社会における経済や産業の発展に不可欠なエネルギーを安定的に供給するとともに、経営資源を、より環境負荷の低い発電ポートフォリオに継続的にシフトする。

・火力発電、化石エネルギー権益の開発については、2050年のカーボンニュートラル化を前提として取り組む。

  • 石炭火力発電については、新規の発電事業・建設工事請負には取り組まない。
    また、石炭火力発電事業については、2035年度までにCO2排出量を60%以上削減(2019年度比)し、2040年代後半には全ての事業を終え石炭火力発電事業から撤退する。
  • 一般炭鉱山開発事業については、今後新規の権益取得は行わず、持分生産量を2020年代後半にゼロにする。天然ガス開発事業は、社会のエネルギー・トランジションに資する案件に限り取り組む。
  • ※ カーボンニュートラル化対象範囲はScope1・2およびScope3(Category13および15)。カーボンニュートラル化とは、当社グループのGHG排出を削減したうえで、炭素除去など国際的に認められた方法により、残余排出量を実質ゼロとすること。

「気候変動問題に対する方針」を含む、当社グループの気候変動関連の取り組みについてはこちら

マテリアリティ「気候変動問題を克服する」における長期・中期目標

長期目標

・2050年の当社グループのカーボンニュートラル化(※2)
・社会のカーボンニュートラル化への貢献

中期目標

・当社グループのカーボンニュートラル化対象のGHG排出量を、2035年度までに30%以上削減(2024年度比)

・個別事業における取り組みの推進

  • 火力発電事業のCO2排出量を2035年度までに40%以上削減し、そのうち、石炭火力発電事業は60%以上削減する(2019年度比)
  • 化石エネルギー権益事業のうち、一般炭鉱山開発事業は、今後新規の権益取得は行わず、持分生産量を2020年代後半にゼロにする。天然ガス開発事業は、社会のエネルギー・トランジションに資する案件に限り取り組む
  • 再生可能エネルギー発電事業を拡大する(目標:持分発電容量1.5GW[2019年]→5GW以上[2030年])

・サプライチェーン全体を俯瞰した持続可能なエネルギーシステムとカーボンサイクルの構築

  • エネルギー効率・炭素効率の改善、省エネルギー化を促進する事業の拡大
  • 再生可能エネルギーや新たな電力・エネルギーサービスの拡大、電化・燃料転換の促進、水素等のカーボンフリーエネルギーの開発・展開
  • CO2吸収・固定・利活用の推進
  • ※2 カーボンニュートラル化対象範囲はScope1・2およびScope3(Category13および15)

マテリアリティの詳細についてはこちら

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