2023年11月08日
住友商事株式会社

SafaricomおよびM-PESA Africaと共同でアフリカにおけるアクセラレータープログラムを開始~アフリカのデジタル金融サービスを拡大し新たなデジタル経済圏を構築~

住友商事は、英国大手通信事業者であるVodafone Group Plc(以下「Vodafone(ボーダフォン」)傘下のケニア最大手の通信事業者Safaricom Plc(以下「Safaricom(サファリコム」)およびSafaricom傘下のケニアのモバイルマネー事業者M-PESA Africa Limited(以下「M-PESA(エムペサ)」)(以下「3社」)と共同で、フィンテック分野などを対象としたアクセラレータープログラム(注1)(以下「本取り組み」)を開始します。ケニアでは、年間1000以上のスタートアップが誕生しているといわれており、金融サービスのニーズの高さや高いモバイルマネーの普及率を背景にフィンテック分野のスタートアップが多くを占めます。3社は、本取り組みを通じて優良スタートアップを発掘、共同で新規事業を創出し、近年グローバルサウスの一角として注目が高まるアフリカ地域において新たなデジタル経済圏の構築を目指します。

(注1)アクセラレータープログラム 革新的な技術やビジネスモデルを保有するスタートアップ企業に新事業創出や製品開発に必要なノウハウの提供などを行い、成長を加速させる取り組み
(注1)アクセラレータープログラム 革新的な技術やビジネスモデルを保有するスタートアップ企業に新事業創出や製品開発に必要なノウハウの提供などを行い、成長を加速させる取り組み

アフリカの決済事情

アフリカでは銀行網が普及していないために決済の利便性が著しく低いことに加え、一程度の収入があっても安定収入でないために信用を得られず、金融サービスにアクセスできない人々が多く存在していることが課題です。近年、通信インフラの拡大およびテック・データの活用が進み、モバイルマネーを活用した支払い・送金に加え、フィンテックを活用したファイナンスサービス(割賦販売など)の利用が可能となってきています。実際に、ケニアではM-PESAのモバイルマネーサービスが銀行の役割を果たしており、M-PESAを活用したさまざまなサービスが展開され、人々の生活に欠かせないものとなっています。

本取り組みの狙い

Safaricomは、ケニアにおいて45百万人を超える顧客をかかえる最大手の通信事業者であり、エチオピアにおいても住友商事とともに総合通信事業会社Safaricom Ethiopia(サファリコム・エチオピア)を運営しています。また、M-PESAは、アフリカ8か国において60百万人が利用するアフリカ最大のモバイルマネーサービスを提供しており、特にケニアにおいて強固な事業基盤を保有しています。
これらの通信、モバイルマネー、金融サービスなどの強固な事業基盤に、当社が持つ幅広い事業経験と、本取り組みを通じて新たに出会う先進的なスタートアップの製品・サービスを掛け合わせることで、イノベーティブな事業を創造しながらスタートアップ市場の拡大を支援するとともに、より多くの人々に利便性の高いサービスを提供することで、アフリカにおけるデジタル金融サービスを拡大していきます。Eコマースや保険、教育やエンターテイメントなど、3社の知見・ネットワークが生かせる領域での新事業創出を目指し、将来的にはアフリカ諸国へ展開します。
3社は本取り組みを通じ、アフリカにおける新たなデジタル経済圏を構築することで、アフリカ経済の発展と人材育成、人々のより豊かな暮らしの実現に貢献します。

住友商事とVodafoneの通信・デジタル分野の協業

住友商事とVodafoneは、2020年11月に戦略的パートナーシップを締結し、アフリカにおいては通信・フィンテック分野を中心に共同で事業を進めて行くことで合意しました。2021年には協業第一弾として、エチオピアで初となる民間通信事業者のライセンスを取得し、通信事業会社Safaricom Ethiopiaを設立。2022年10月から本格的に事業を開始しました。協業の第二弾では、2023年8月に、デバイス同士がSIMカードを使って通信し、決済などの取引を行うデジタルプラットフォーム「PAIRPOINT(ペアポイント)」(注2)を展開するVodafone傘下のDABCO Limited(ダブコ)へ出資参画しました。また、2023年5月に、アフリカのサブサハラ地域においてモバイルマネーを活用したデジタル金融サービスを展開するM-KOPAへ追加出資し、 Vodafoneが事業を展開する国・地域においてM-KOPAのサービス展開を共同で推進しています。
本取り組みは、Vodafoneとの協業第三弾であり、今後もそれぞれの事業基盤・ノウハウを持ち寄り、欧州・アフリカを中心とした協業検討を進め、地域社会・経済の発展や社会課題の解決などに取り組みます。

(注2)PAIRPOINT(ペアポイント) 2023年10月にデジタルプラットフォームのブランド名を「Digital Asset Broker(デジタルアセットブローカー)」から「PAIRPOINT(ペアポイント)」に名称変更したもの。
(注2)PAIRPOINT(ペアポイント) 2023年10月にデジタルプラットフォームのブランド名を「Digital Asset Broker(デジタルアセットブローカー)」から「PAIRPOINT(ペアポイント)」に名称変更したもの。

各社会社概要

■Safaricom Plc

所在地 ケニア ナイロビ
設立 1997年
CEO Peter Ndegwa
株主 Vodafone Kenya Limited、ケニア政府、Free Float
事業内容 携帯電話を中心とした総合通信事業を展開

■M-PESA Africa Limited

所在地 ケニア ナイロビ
設立 2019年
CEO Sitoyo Lopokoiyit
株主 Safaricom Plc、Vodacom Group Limited
事業内容 フィンテック・モバイル決済・送金事業を展開

Top