2023年12月06日
住友商事株式会社
Höegh Autoliners

COP28にてシンガポールおよび米国における自動車運搬船向け燃料アンモニア供給に関する基本合意を発表

住友商事株式会社とHöegh Autoliners (ホーグオートライナーズ)は、シンガポール港および米国ジャクソンビル港における自動車運搬船向け燃料アンモニアを2027年から供給する基本合意書(以下「本合意」)を締結し、ドバイで開催中の第28回気候変動枠組条約締約国会議(COP28)にて、本合意を発表しました。本合意は、自動車運搬船が実際にアンモニアを燃料として消費し、ゼロカーボンの海上輸送を実現することで、船舶向け燃料アンモニアの世界的普及に向けた重要なマイルストーンになります。

 

左から、住友商事 中東・アフリカ総支配人 森肇、マースクゼロカーボンシッピング研究所CEOのボー・セラプ―シモンセン氏、ホーグオートライナーズCEOのアンドレアス・エンガー氏

Höegh Autolinersは、「Aurora Class」と呼ばれる世界最大級かつ環境負荷が低い次世代型の自動車運搬船(以下「本船」)を12隻、建造発注しており、本船はアンモニアを燃料として運航することができます。同社は2040年までにカーボンニュートラルの達成を目標に掲げ、大手自動車メーカーと戦略的に提携し、電気自動車(EV)のアジアから米国・欧州への海上輸送などの脱炭素化に取り組んでいます。

住友商事は、各自動車メーカーからの海上輸送時のCO2削減量に関する多様な要望に応じて、グリーンアンモニア(注1)、ブルーアンモニア(注2)、バイオアンモニア(注3)などのさまざまなクリーンアンモニアの安全・安定供給に取り組みます。その取り組みの一環として住友商事は、シンガポールのエネルギー市場監督庁(Energy Market Authority)および海事港湾庁(Maritime and Port Authority)に対して同国におけるアンモニア専焼発電と船舶向け燃料アンモニア供給のサプライチェーン構築への関心を表明しており、住友商事が参画するシンガポールにおける船舶向け燃料アンモニア供給の実現に向けたコンソーシアムは、アンモニア燃料供給船の設計基本承認を取得しました。さらに住友商事は、北米屈指の自動車船ターミナルを擁するジャクソンビル港およびブランズウィック港を含む北米東海岸においても、船舶向け燃料アンモニアのサプライチェーン構築に取り組んでいます。

住友商事とHöegh Autolinersは共に、海運業界の脱炭素化を目指しゼロカーボンの海上輸送に向けた応用研究を行うMaersk Mc-Kinney Moller Center for Zero Carbon Shipping(マースクゼロカーボンシッピング研究所)に参画し、燃焼時にCO2を排出しないアンモニアを次世代船舶燃料の最有力候補の一つとして期待しています。本合意により、船舶向け燃料アンモニアのサプライチェーンを率先して構築することで、アンモニアが国際海運の脱炭素化に向けた現実的な選択肢の一つになるよう取り組みます。住友商事とHöegh Autolinersは、本船への燃料アンモニアの供給開始に向けて、関係当局や専門家の協力を得て、アンモニアバンカリングのオペレーション・ガイドラインや法規制の整備に貢献します。


(注1)グリーンアンモニア:再生可能エネルギーを利用して窒素と水素から製造されたカーボンフリーのアンモニア
(注2)ブルーアンモニア:アンモニアの製造過程で発生するCO2を回収・活用したカーボンニュートラルなアンモニア
(注3)バイオアンモニア:天然ガスの代わりにバイオガスを原料として製造されたカーボンニュートラルなアンモニア


本件に関する問い合わせ先
住友商事株式会社 広報部 コミュニケーションチーム
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