グローバル事例
自動車の未来の可能性を追求するモビリティサービス事業
日本/台湾/フランス
新しい時代に対応した新しい事業を生み出す
住友商事はこれまで、部品・本体製造から販売、アフターサービスまで、自動車産業のほぼ全ての領域に関わってきました。自動車産業は現在、電気化、IT化の大きな流れの中で、かつてない激動の時代に入ろうとしています。
当社は、この事業領域でこれまで以上の価値を提供していくために、グループ会社である住友三井オートサービス(SMAS)などの事業基盤を活用し、ベンチャー企業と積極的に連携しながら、新しい時代に対応した事業の創出を図っています。SMASは、保有管理台数約100万台、取引先数約5万という国内トップクラスの自動車リース基盤を有し、EVワンストップサービスの他、車両管理のDX化につながる質の高い総合車両管理サービスを提供しています。当社は、リチウムイオン電池の再利用事業に取り組むフォーアールエナジー(4R)といったEV関連の事業基盤も有しています。その資産、経験、ノウハウをベースとし、(1)シェアリングビジネス(2)コネクテッドプロジェクト(3)完全自動運転(4)EV事業の4つの領域で新規事業を模索しています。
国内外のスタートアップとの連携が進むシェアリングビジネス
シェアリングビジネスの領域では、日本のスタートアップ企業であるアキッパとの提携も始まっています。同社は2014年から、1万9千カ所以上の駐車場の空車情報をスマートフォンのアプリで確認でき、空きがあればすぐに予約し、オンラインで決済もできるという画期的な駐車場シェアリングサービスをスタートしています。
この提携により、同社のサービスと住友商事グループ内のさまざまな事業とのシナジーが実現しています。例えば、SMASでは、法人顧客向けに保有する駐車場の空き時間をシェアする提案をしています。ケーブルテレビのジュピターテレコム(2021年7月よりJCOMへ社名変更)では、営業・工事車両を駐車する際にアキッパのサービスを活用しています。さらに不動産事業でも不動産オーナー向けに駐車場のシェアを勧めて資産の有効活用をサポートしています。当社グループの資産とベンチャー企業のアイデアの融合により、これまでになかった新しいビジネスが生まれています。
海外では、フランスのニース市に本拠をもつビューログとの提携も始まっています。同社は、欧州・カナダを中心とした複数都市でカーシェアリング事業者向けの車載機器とソフトウェアを一括で提供しており、通信やGPSを活用して自動車の稼働効率を高めるソリューションも展開しています。同社との連携により、シェアリングの新しいビジネスモデルを追求し、日本をはじめ各国で事業化を目指しています。
住友商事グループの理念を体現する事業領域
自動車同士が通信によってつながるコネクテッドカーの可能性を模索するコネクテッドプロジェクトと、人による運転操作を一切必要としない完全自動運転の実現を目指す領域でも、研究機関やベンチャー企業などとの連携が進んでいます。将来的には、SMASが保有する81万台をコネクテッドカーとする、あるいは自動運転車を導入し新しいリース事業のモデルをつくるなど、長期的なビジョンに基づく研究・開発が加速していきます。
アンテナを張り最新の情報をキャッチして、スピーディに多様なパートナーと協業して、新しいビジネスを生み出していく。そんな事業スタイルは、住友商事グループが掲げる「目指すべき企業像」である「常に変化を先取りして新たな価値を創造し、広く社会に貢献するグローバルな企業グループを目指します」に合致します。住友商事グループにおける最も先進的な領域の一つであるモビリティサービス事業の挑戦は続きます。
2018年11月掲載
キーワード
- 日本
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- 欧州
- 輸送機・運輸
- 自動車グループ