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2023.10.1

Business

激しく変化する自動車産業を確かな技術力と開発力で支える──ブレーキ部品関連事業

この記事は2020年5月に公開された内容です

拡大する住友商事の自動車鋳造事業

自動車産業は、関連する素材や技術を含めた産業の上流領域である自動車の研究・開発、製造から、下流域の販売、メンテナンス、各種サービスに至るグローバルな大規模サプライチェーンによって成立しています。住友商事は完成車や自動車部品の輸出事業を主に手掛けてきましたが、2000年代以降、より上流の 製造事業へのチャレンジを本格化し、その活動領域を拡げました。

2004 年、住友商事は自動車ブレーキ部品の生産を手掛けるキリウを100%子会社化し、同社の 海外進出、販売ネットワークの拡大などにともに取り組んできました。住友商事グループの一員となってから、キリウは、メキシコ、インド、タイ にも新たな拠点を設け、海外生産体制をより強固にしています。

2019年、住友商事の自動車鋳造事業をさらに強化する買収が成立しました。新たにグループに加わったのは、「誠意・創意・調和」の理念を掲げる長野県のブレーキ部品メーカー、浅間技研工業です。

浅間山南部に工場を構える浅間技研。1973年の創業以来確かな技術力を磨き続ける

より強化されたブレーキ部品事業

浅間技研工業という国内トップクラスのブレーキ部品メーカーがグループに加わったことによって、住友商事の自動車鋳造事業はさらに強化され、 供給網やブレーキ部品シェア は大きく拡大しました。しかし、浅間技研工業がグループの一員となる効果はそれだけではありません。

住友商事がキリウ、浅間技研を一体運営する ことで、開発・設計、購買、生産、品質、販売等多面的な領域での相乗効果が大いに期待されます。

この溶解炉から浅間技研の高品質な製品は生み出される
製品不良の有無を人の目によって検査する工程。自動車部品の製造は機械だけではなく、こうした人の知識と経験にも支えられている
浅間技研の主要製品であるブレーキディスク・ドラム。精密に加工され、厳しい品質検査を経て出荷される

高い技術力と研究・開発力を掛け合わせる

近年の自動車産業は、100年に一度と言われる大変化の只中にある産業分野です。従来の化石燃料を使用するエンジンで走る自動車が、EV(電気自動車)に取って代わられ、ICTでネットワークにつながり自動運転の機能を持つという見方や、自動車が「所有物」から「共有物」に代わっていくなど、その使われ方が大きく変わるという見方もあります。

そのような、産業全体で次世代自動車や新たなモビリティサービスの開発競争が繰り広げられていく激変の中にあって、ブレーキは今後も重要な自動車部品であり続けると考えられています。運転・利用方法やパワートレイン(※)が変わろうとも、自動車の柱である「走る」「曲がる」「止まる」という基本的な機能自体に変わりはないからです。高速で走る自動車の速度を制御し、安全確実に停車に導くのは、ガソリン車でもEVでも同じくブレーキの役割です。自動車の安全・安心を保ち、人々の命を守る高品質のブレーキ部品の重要性は、今後ますます高まっていくと考えられています。

EVにはモーターを稼働させる大型のバッテリーが搭載されるので、従来の自動車と比べて車体重量が上がる傾向があります。車体が重くなれば、ブレーキにより強い制動力が必要とされます。一方で、できるだけ車体を軽くするために、自動車部品には軽量化が求められます。軽量化しながら、部品の性能をよりいっそう高めていく──。そこに浅間技研工業とキリウの技術力と開発力が生かされることになります。

鉄を溶かし、固め、加工を施し部品に仕上げる 鋳造技術において、両社は非常に高いクオリティを誇ります。その両社の研究・開発力、及び生産技術力を掛け合わせることによって、自動車産業の激しい変化に対応していく。それが、住友商事グループのブレーキ部品事業の一つのビジョンです。

※パワートレイン:エンジンやクラッチなどの動力伝達装置の総称

軽量化と高性能化を目指し、日々鋳造部品の材質や組織分析を行う
高品質な製品を生み出すために、金型のメンテナンスは欠かせない

「つなぎ役」としての総合商社

産業構造の変化が激しくなればなるほど、さまざまなプレーヤー間の「つなぎ役」が必要になります。それは、総合商社である住友商事が最も得意とする役割の一つです。自動車メーカーと部品メーカーをつなぎ、海外の生産拠点と販売網をつなぎ、自動車をつくる人たちと自動車を必要とする人たちをつないでいくこと。そして、その「つなぎ方」を環境の変化に合わせて柔軟に調整していくこと。それが自動車産業における住友商事の重要な使命です。それはまた、自動車の「いま」を「未来」につないでいく作業とも言えるでしょう。

グループの新しい仲間となった浅間技研工業、そしてすでに15年以上の信頼関係を築いてきたキリウ。両社と力を合わせながら、私たちは確かな技術に支えられた自動車部品の提供をこれからも続けていきます。

浅間技研工業・キリウ・住友商事の3社協業キックオフイベントの集合写真。 3社の力でさらなるブレーキ部品シェア拡大を目指す

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