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2025.12.16
Culture
就業体験型インターンシップに密着!リテイルデータマーケティングの現場で“働く”を体感
2024年度より、住友商事(以下、住商)で開催されている就業体験型インターンシップ「Sumisho Hands-on Internship」。就業体験を通じて住商の企業文化や職場環境を知ってもらうと同時に、商社の業務の醍醐味(だいごみ)を体感してもらうことを目的としています。就業体験型インターンシップは、総合商社の中では住商のみが実施している取り組みです。(2025年12月時点)2年目となる25年度は19組織にて約60名の学生が就業体験を行いました。本記事では、3名の学生が参加した、リテイルSBU リテイルデータマーケティングユニットのリテイルデータサイエンスチームでのインターンシップに密着。計8日間のインターンシップのうち、社員と共に就業体験を行った5日間にEnriching+編集部が同行し、その様子をレポートします。
濃密な5日間の就業体験スケジュールを公開
インターンシップ全8日間のうち、現場組織で就業体験を行うのは2~6日目。(1日目はガイダンスや住友商事グループの経営理念等について学ぶプログラム。7、8日目は、インターン生全員が集まり、各組織で取り組んだ成果を発表。)
今回のリテイルデータサイエンスチームで行われた5日間の全スケジュールは以下の通り。データサイエンス実習や会議参加、現場訪問、社員との交流など、内容は多岐にわたりました。本記事では、5日間の内容をダイジェストで紹介します。(時系列順ではありません)
リテイルSBUは、首都圏で展開するスーパーマーケット事業「サミット」、ベトナムでの食品小売スーパーマーケット事業「フジマート」、ブランド・ユニフォーム事業の「FEILER」や「住商モンブラン」など、暮らしに関わる事業を展開しています。その中でリテイルデータマーケティングユニットは、小売領域のデータ分析・活用を行う事業会社LXIO(リクシオ)と共に、購買データなどの情報を活用し、店舗運営やマーケティングの高度化を支援する専門組織です。AIや統計解析などの技術を駆使して、売上予測や施策の効果検証などに取り組み、新しい価値の創出に挑戦しています。
※リテイルSBUの事業やリテイルデータマーケティングユニットの取り組み内容を知りたい方は本記事下部のリンクよりご覧ください。
現場知見とデータ分析を掛け合わせ、施策提案するデータサイエンス実習
就業体験のメインとなる、データサイエンス実習では、2つの課題に取り組みました。課題1ではサミットストア神田スクエア店の総菜売り場を対象に、カテゴリごとの1日の売り上げをどれだけ正確に予測できるかに挑戦。社員が用意したプログラミングモデルに、過去の購買履歴や天気などのデータの中から「売り上げに関係しそうな情報」を選んで学習させ、実際の売上データと比較しながら、予測の精度を検証し、高めていきます。課題2では、課題1や店舗見学で得た気づきをもとに、追加分析を行い店舗の売上アップにつながる提案を行いました。
社員からは初日、「実際にプログラムを動かすことで、仮説を立て検証した結果がどう変わるかを体感してほしい。また、店舗見学や社員との対話を通じて現場の知見を得ながら、データ分析と掛け合わせて考えを深めることを楽しんでほしい」と伝えられました。何のための予測なのか、誰の立場で考えるのかといったことをインターン生3名で話し合い、役割分担をしながら議論を進めました。
現場視察や社員からのアドバイスを踏まえ、提案をブラッシュアップ
仮説や提案内容をブラッシュアップすべく、サミットストア 神田スクエア店や競合スーパーマーケットの現場視察も行い、陳列方法や時間帯による総菜の並べ方の違い、サミットストアと他スーパーマーケットとの違いについても社員に質問をしながら学びます。
課題を進める中では、当社グループのDX技術専門会社Insight Edgeの森昭斗CINO(Chief Innovation Officer)や、チーム外の社員にアドバイスをもらう機会も。森CINOからは「データの見方は立場によって異なる。住商社員としては、分析結果をビジネスにどう生かすかを意識してほしい。」といったコメントもありました。
5日間で得た学びをもとに施策提案
最終発表には、山元淳平SBU長をはじめ、現場をよく知る社員が多く参加し、さまざまな質問が飛び交いました。緊張しながらも堂々と店舗売上アップにつながる提案を述べるインターン生に山元SBU長からは、「短期間の中、現場をよく観察して得られた着眼点や思考の繰り返しが、すばらしかった。データと現場知見、さらには、他のいろいろな要素も掛け合わせて、新たな価値を創ることができるのが商社の面白さ。その醍醐味が少しでも伝わったならうれしい」とのコメントがありました。
社内外との打ち合わせにも同席
社内外との実際の打ち合わせにも複数回同席。関係者との密な連携や交渉が行われるリアルなビジネス現場にインターン生の顔も心なしか緊張の様子でした。また、ライフスタイルグループ全体を対象に行われた、外部講師による「AI×事業構想力」養成講座にも参加。オンライン参加含め、100人以上が参加し質疑応答やワークが盛り上がる中、インターン生も真剣に受講していました。
多くの社員と交流し、住商や働き方の理解が深まる
インターンシップ中は、リテイルSBU内の各ユニットの事業説明や、ランチの機会を生かして多くの社員との交流がありました。住商や事業への理解が深まるにつれ、インターン生の質問も多岐にわたるようになり、応じる社員からの回答も事業の深い部分にまで及びました。近い距離感で質問ができるのは就業型インターンシップならでは!若手座談会では、海外駐在や英語力、普段の働き方など、ビジネス以外の話題でも大いに盛り上がりました。
現場実習を通じて体感した“住商”で働くということ
現場実習の最終日、インターン生に感想を尋ねました。
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「インターン期間は本当にあっという間でした。毎日が思考の連続で、1日が“秒”で過ぎていく感覚。特に印象的だったのは、データ分析課題を通じてリテイルビジネスにおけるデータの活用への理解が深まったこと。いかに「現場」での知見と掛け合わせることが大事であるかを思い知りました。多くの社員の方々と直接お話しする機会もあり、事業の多様性や働き方を肌で感じることができたのもうれしかったです。」
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「総合商社のビジネスは、扱う商材やビジネスモデルによってそれぞれが大きく異なること、一方で、会社全体として目指す方向性や使命には一貫性があることも多くの方の話から実感することができました。総合商社におけるリテイル事業についても、社員の方々との対話で、疑問が解消され、自分なりの理解を持つことができました。」
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「社員の皆さんとの距離が想像以上に近く、驚きました。SBU長をはじめ、学生目線に寄り添いながらも対等に議論してくださる姿勢が印象的でした。実際の会議に参加し、その場の緊張感を体感できたことは非常に貴重な経験。限られた時間の中で成果を出すという社会人の働き方にも触れ、時間の密度を強く感じました。」
受け入れた、リテイルデータサイエンスチームの社員からは、「今回、我々としても初めてインターン生を受け入れることになり、手探りのスタートでした。インターン生がどんなことを期待しているのか、どうすればチームの仕事を分かりやすく伝えられるか、チーム全員で試行錯誤しながらプログラムを組み立てました。また、住友商事で働くってどういうことなのか、リアルにイメージしてもらえるよう、さまざまな機会を用意しました。実習課題は、より実践的な方が良いだろうと、AIを用いた内容に挑戦してもらいましたが、正直に言ってハードルが高かったかもしれません。それでも、3名とも本当に熱心に取り組んでくれて、予想以上の成果を出してくれました。このインターンシップが、3名にとって新しい発見や気づきのきっかけとなり、これからの就職活動や学生生活がより充実したものになればいいなと思っています。」とのコメントがありました。
本インターンシップは、インターン生のみならず社員にとっても(同行したEnriching+編集部員にも!)、新しい刺激や学びを得る機会となりました。住商の現場で得た学びや出会いが、参加した皆さん一人ひとりのキャリアの選択肢を広げ、次の一歩につながることを願っています。