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中期経営計画と決算から読み解く、住友商事の強みとビジネスの現在地

2025.12.10

Business

中期経営計画と決算から読み解く、住友商事の強みとビジネスの現在地

#No1 事業群 #DX #サステナビリティ

グローバルな経済環境がめまぐるしく変化するなかで、住友商事はダイナミックにビジネスを進化させています。世界で多様な事業を展開する強みを生かし、DXもGXも加速させて安定成長を続けています。住友商事は、これからどのように飛躍していくのでしょうか。中期経営計画と決算発表をもとに、ビジネスの「今」と「これから」をインフォグラフィックでやさしく解説します。

Index

Section:1 過去最高益の見通し　高い配当利回り
Section:2 収益を支える多角的な事業、非資源ビジネス成長
Section:3 26年度は最高益の6,500億円へ

住友商事の強みはここに。

成長するビジネスを徹底解説

グローバルな経済環境がめまぐるしく変化するなかで、住友商事はダイナミックにビジネスを進化させています。世界で多様な事業を展開する強みを生かし、DXもGXも加速させて安定成長を続けています。これからどのように飛躍して

いくのでしょうか。住友商事の「今」と「これから」をインフォグラフィックでやさしく解説します。

Section:1 過去最高益の見通し

高い配当利回り住友商事が2025年度に稼ぐお金（当期利益）は5,700億円にのぼり、26年度には6,500億円となる計画です。

【25年度通期利益予想】

5,619億円 24年度実績バッファー△200 過去最高益5,700億円 25年度見通し 2025年度上半期実績 3,012億円（進捗率約53％）

計画値合計5,900億円に対し、米トランプ政権による関税政策の影響など事業環境の不確実性からマイナス200億円のバッファーを織り込んでいますが、それでも過去最高となる見通しです。□当期利益とは

企業が一定の期間に稼いだ利益を表す指標の一つです。将来に向けた成長投資や株主還元等の原資となるため、企業の経営状況を判断する上で重要な役割を果たします。収益売上総利益税引前利益当期利益（親会社の所有者に帰属）原価その他の収益・費用金融収益および金融費用等法人所得税費用等

住友商事の成長は、企業の経営効率を表す指標の一つ「ROE」（株主資本比率）にも表れています。【25年度ROE予想】

（株主資本比率）東証が上場企業に求めるROEの目安は8～10% □ROEとは株主資本比率（Return On Equity）

当期純利益株主資本株主資本に対する当期純利益の割合で、企業がどれだけ効率よく稼いでいるかを示す指標です。投資家が出したお金を元手に企業がどれだけ稼いだかを示す数値とも言え、投資のときに個人投資家も注目しています。年間の配当金は1株あたり

140円が予定され、前年より10円の増配となり、投資家への還元も膨らむ見通しです。総還元性向40%以上+累進配当 1株当たり配当140円

Section:2

収益を支える多角的な事業、非資源ビジネス成長好調な収益を支えているのは、

「多角的な事業」です。24年度決算や25年度見通しからひもといていきます。

24年度 1年間に稼いだお金（当期利益）は5,619億円にのぼりました。

前の中期経営計画（21~23年度）で採算性の低い事業を見直し、強みを発揮する事業に注力する構造改革を進めて攻めの経営に転じたことが、力強い歩みにつながりました。21～23年度中期経営計画

事業ポートフォリオへのシフト仕組みのシフト経営基盤のシフト構造改革

【24年度当期利益（前期比）】23年度 24年度 3,864億円 +510億円資産入替関連および特殊損益資源ビジネス非資源ビジネス消去または全社

事業別にみると、不動産や輸送機・建機など「非資源ビジネス」が3,980億円と全体の8割を占めています。

前年と比べて510億円増と大きく収益を伸ばしました。□非資源ビジネスとは多くの総合商社は、原油や鉱石など海外の資源に関連する事業に多く投資し、その資源を販売することで大きな利益をあげてきました。最近は食品や農業、機械、繊維など資源以外の事業（非資源ビジネス）

に注力する商社が目立っています。資源ビジネス非資源ビジネス堅調な航空機リース事業に加えて、増大するDX/IT投資需要を着実に取り込んだデジタル事業の成長が後押ししました。

住友商事は非資源ビジネスの割合が総合商社のなかでもトップクラスです。

新しい時代に非資源ビジネスの幅を広げています。

たとえば

住商グループの食品スーパー・サミットでは、人工知能（AI）を活用した商品の値引き業務や作業割当表づくりのサポートシステムを実用化しました。食品ロス対策、オペレーション効率化や働きやすさ、サービスレベル向上につなげています。

ドラッグストア・調剤薬局を展開する100％子会社のトモズでは、商品の即時配送サービスやアプリ処方箋受付など、DXの活用でお客様・患者様の利便性を向上。地域医療と生活の質向上に貢献するビジネスを展開しています。

25年度特にエネルギー、リース、自動車分野が増益を牽引します。

【25年度通期見通し】セグメント別当期利益エネルギートランスフォーメーション輸送機・建機都市総合開発自動車鉄鋼資源メディア・デジタル化学品・エレクトロニクス・農業ライフスタイル

次の8分野を“成長の柱”と位置づけ、重点的に経営資源を投下。鉄鋼建機アグリヘルスケアエネルギーソリューション

リースアセットマネジメント事業を強化不動産国内外不動産の資産入替と優良案件積み増しデジタルバリューチェーンをグローバルに強化

安定収益を生み出す「多角的に稼ぐ力」を基盤に、重点8分野への集中投下が、これからの住友商事を支える成長ドライバーとなっています。

住友商事の成長を支えているのは「人の力」です。多様な知識・経験を持つ社員一人ひとりが、それぞれの力を

掛け合わせて新たなビジネス創出や課題解決に挑んでいます。豊富な研修や海外派遣・出向などの成長機会を通じて磨かれた個々の力が、組織全体、そしてビジネスの成長を牽引しています。連結従業員数（2024年度3月末時点）83,327人新卒採用における女性比率（2023年度）

女性管理職比率（※2025年4月時点）10.4% 男性の育児休業等の取得率（2024年度）78/6%

人材育成プログラム延べ年間開催講座数（2024年度）3,970講座社内公募制による異動件数38件海外派遣者数934名キャリア採用比率40%

Section:3 26年度は最高益の6,500億円へ

住友商事はこれからも成長を続けます。

コーポレートメッセージである Enriching lives and the world のもと、企業の発展とともに社会課題の解決をめざしています。中期経営計画（24～26年度）では

総額1.8兆円にのぼる投資を予定し、さらなる収益力アップを見込んでいます。24～26年度中期経営計画「NO.1事業群」の実現を掲げています。

「NO.1事業群」各ビジネスラインが自らの強みを意識し、「市場シェア」「収益性」

「資本効率性」「顧客満足度」など、総合商社の中でどのようなNO.1をめざすか戦略に落とし込み、実行に移します。たくさんの「NO.1事業」を抱える企業グループになる将来像を描いています。

総投資予定額 1.8兆円～成長を支えるのは、競争優位のある「ど真ん中」

の事業を大きく発展させる経営戦略です。それが事業ポートフォリオ改革経営資源再配分による新陳代謝の加速

強みを核とした成長 DX・GXで加速する新たな成長成長の原動力の強化人・組織のエンパワーメント DXやGXを中心とする「強みを核とした成長」と、人や組織の力を最大限に発揮する「成長の原動力の強化」が後押しします。

中期経営計画は順調に進んでいます。

24年度 3年間の投資総額1.8兆円のなかで、24年度は7,300億円を投資しました。洋上風力発電の基礎構造物を製造する世界最大手EEW Offshore Wind Holding

への出資など、積極的な新規投資が成果につながっています。25年度以降 25年度の上半期は、在宅医療用品を販売する米国ヘルスケア企業ActivStyleへの出資など、

計2,400億円を投資しています。24年度に出資した米企業Vast Medical Holdingsも含めて、ヘルスケア事業の拡大が見込まれています。

システム開発大手SCSKの完全子会社化に向けて、約8,800億円を投じます。様々なビジネスの現場でデジタル技術をいかした業務の効率化やサービスの価値向上につながり、社会や産業の変革をリードしていきます。

米国航空機リース大手Air Lease Corporationを約3,000億円で買収する計画もあります。保有・管理機材数において世界最大規模に拡大し、世界の航空輸送ネットワークの発展に貢献していきます。

戦略的な投資は、とどまることはありません。キャッシュ・フロー収益力の拡大に加え、継続的な成長に向けたポートフォリオ変革として、資産入替を一層加速させていきます。

経営資源再配分による新陳代謝の加速を通じ、今中計では26年度の当期利益を6,500億円と計画しています。

26年度当期利益計画 6,500億円約5,000（一過性を除く業績）23年度業績 26年度計画利益成長+1,500 成長事業新規ビジネス+500 既存ビジネス+500 既存事業の再構築+500

強みをいかす事業への集中投資で1,000億円の増収、すでにある事業の再構築で500億円の収益アップを計画しています。

新たな価値をつくりだす事業の広がりも住友商事の強みです。

DXやGXを通じて世界的な課題解決にも貢献します。DX新規案件年間100件以上

Copilot活用により約1万時間/月を創出 DXリテラシー講座全役職員受講※2025年3月時点 DX 広がる取り組み

GX 再生可能エネルギー持分発電容量約2GW CO₂排出量削減実績800万t-CO2e※2019年度比※2020～24年度

DX注目事業 AIロボットがトラックの荷積みを自動化

人口減社会での人手不足を解消し、物流の効率化を目指す。詳しくはこちら

GX注目事業蓄電池事業でカーボンニュートラルへ

不安定な再エネ発電の課題を大型蓄電池で解消し、ＣＯ₂削減に貢献する。詳しくはこちら

世界63カ国・地域に127拠点（25年3月時点）を構える住友商事。400年にわたる「住友の事業精神」を引き継ぎ、「社会価値」「環境価値」「経済価値」の創出を続けます。

新たな価値の創造社会価値環境価値経済価値

創出した価値の拡大で、世界の持続的な成長に貢献していきます。