2012年03月02日
住友商事株式会社
インドネシアで大型地熱発電事業に開発初期段階から参画
住友商事株式会社(社長:加藤進、本社:東京都中央区、以下「住友商事」)は、インドネシアの民間発電事業デベロッパーであるPT. Supreme Energy(CEO:Mr. Supramu Santoso、本社:ジャカルタ)および欧州大手民間発電事業デベロッパーであるInternational Power - GDF SUEZ(CEO:Mr. Philip Cox、本社:ロンドン)と共に、このたびインドネシア・スマトラ島に位置するムアララボ地熱発電プロジェクトとラジャバサ地熱発電プロジェクト(以下、両プロジェクトを総称して「本プロジェクト」)の30年間にわたる長期売電契約をインドネシアの国営電力会社PT. PLN(以下、「PLN」)と締結しました。本プロジェクトは、本邦企業として、これまでで最も初期の段階から海外地熱鉱区開発に関与する案件となります。
インドネシア・スマトラ島のムアララボ鉱区とラジャバサ鉱区の両鉱区それぞれに、世界最大級となる220MW(単基容量110MW x 2基、2鉱区合計440MW)の地熱発電所を建設、PLNへの電力販売を行う計画です。住友商事は2011年2月に本プロジェクトに参画し、PLNとの長期売電契約の交渉を行ってきました。今後、ムアララボ鉱区は2012年半ばの蒸気生産井の掘削開始、2013年内の地熱発電所の建設開始、2016年内の完工を目指します。他方、ラジャバサ鉱区は、2013年半ばの掘削開始、2014年内の着工、2016年内の完工を目指します。また本件は、国際協力銀行などの支援を仰ぎつつプロジェクトファイナンスを活用し、さらに地熱発電所の主要機器である蒸気タービン・発電機については、技術面並びに実績面で優位性を有している本邦メーカーから調達する計画で、本邦企業の力を結集したプロジェクトとなる予定です。
住友商事はこれまで全世界で2,000MW強の地熱発電設備の納入実績を有し、そのうちインドネシアにおいては建設中の1件を含めて合計8件、総発電容量約640MWの設備納入実績があります。住友商事が納入した地熱発電設備は、インドネシアにおける稼働中の地熱発電所の設備容量1,226MW(1)の約50パーセントを占めています。地熱発電所の建設工事請負業者として同国内で高い評価を得てきた住友商事は、タンジュン・ジャティB石炭火力発電所(1-4号機の総発電容量:約2,640MW)のPLN向けリース事業に象徴される同国発電分野における強固なビジネス基盤および事業運営ノウハウを最大限に活用し、本プロジェクトの開発を推進していく所存です。
地熱発電は再生可能エネルギーの中でも比較的大規模かつ高い稼働率で発電が可能な特色を持ち、化石燃料を使用しないため二酸化炭素を殆ど排出せず環境への負荷が極めて低いなど、今後の活用について日本を含め世界的に脚光を浴びている再生可能エネルギーです。
しかしながら地熱発電においては、蒸気生産井を地下深くまで掘削する必要があり、初期開発に必要な費用やリスク・マネジメントなどの点から、初期段階から大規模な地熱発電開発に参画することはこれまで容易ではありませんでした。住友商事は、地熱資源探査技術の近年の目覚ましい発展やインドネシア政府によるスピード感のある法令整備などの追い風を受け、また住友商事自身が有する地熱発電建設の豊富なノウハウを活かすことで、地熱発電の初期開発段階からの参画に踏み切ったものです。
インドネシアは、全世界の約20~40パーセントとも推定される約29,000MW(2)の地熱資源量を有しており、世界でも一二を争う極めて有望な市場です。しかしながら、同国における地熱源利用率は現在約4%にとどまっています。これに対し、インドネシア政府は2009年に第2次電源開発促進プログラムを発表し、2014年を目途に約4,000MWの地熱発電所を新たに開発する計画を宣言しています。
住友商事はインドネシア政府が掲げる地熱発電推進・設備増強計画の実現に今後も貢献していくとともに、将来の地球規模のエネルギー活用に重要な役割を果たすべく、再生可能エネルギー分野において、同国を含め有望な地熱源を有する市場で優良な地熱発電資産を積み上げていきます。
(1),(2)インドネシア政府発表
【プロジェクトの場所】
【本プロジェクト鉱区の状況】
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- 住友商事株式会社 広報部 報道チーム
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