2020年11月25日

アイジー工業が全国発明表彰特別賞を受賞

住友商事グループのアイジー工業が開発した金属横ぶき屋根材「ガルテクト」が令和2年度全国発明表彰にて、特別賞にあたる「日本弁理士会会長賞」を受賞しました。

全国発明表彰は、日本の科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的に設立された、大正8年から続く伝統ある表彰で、多大な功績を挙げた、あるいは、今後大きな功績を挙げることが期待されている発明などに与えられます。今回受賞した「日本弁理士会会長賞」は、9つある特別賞の中の1つで、ガルテクトは、機能性と意匠性の両立を実現したことが評価されました。今回の受賞でアイジー工業における全国発明表彰の受賞は3度目となります。

一般的に、金属横ぶき屋根材には高い防水・断熱性が求められます。一方で、防水・断熱性能のみに特化した形状を追求すると、屋根材が歪み意匠性が悪くなるか、形状が複雑になり商品化が困難になるといった課題がありました。しかし、アイジー工業は独自の成形技術によって、高い意匠性と機能性を両立。また、高い耐震性や瓦屋根の10分の1という軽量、さらに、既存屋根を撤去することなく設置可能な施工性の高さも特長です。台風が来ても漏水・剥離せず、軽量であり、既存屋根の上から施工できるガルテクト。台風などの災害発生時には、生活再建の第一歩として活用され、被災地の復興に貢献しています。

今回、発明表彰受賞を受け、アイジー工業の若尾社長は「地方企業でも創意により世界を狙えるということを今後とも示していきたい」と語りました。

アイジー工業は、1970年山形県にて設立。創業者故石川堯(たかし)氏の「東北の寒い冬に暖かい住まいを提供したい」という思いから生まれた金属製外装材メーカーです。石川氏は、苦心の末、発泡樹脂を断熱材として用いた住宅用断熱外壁材の発明・実用化に日本で初めて成功。この発明は、現在に至るまでアイジー製品に脈々と受け継がれています。

アイジー工業に受け継がれているのは技術だけではありません。石川氏の「独自性」と「革新性」を重んじ、常に新たな開発に挑戦、創造する精神が、同社のDNAとして伝承されています。住友商事が出資参画した2002年以降も、社員一人一人の独自性・革新性に耳を傾けた商品開発は、アイジー工業の根幹として色濃く残っており、この創業者の「思い」「技術」「DNA」を受け継いだ社員の手により、これまで幾多の発明(2020年4月現在、特許・意匠・商標件数589件)が生み出されてきました。過去2度の全国発明表彰受賞、4度のグッドデザイン賞受賞が、アイジー工業のモノづくりの歴史を表しています。今回受賞したガルテクトにも、住まいの質を向上させる発明が詰まっています。

アイジー工業では今後も企業理念「わたしたちは、豊かな発想力と確かな技術力でニッポンの建物を強く、優しく、美しく、包みます。」を実現する外装材を開発・製造していきます。

土田東根市長への受賞報告の様子。左から2人目が若尾社長
一般的なストレート屋根に比べ、ガルテクトを使用した場合の屋根裏の温度は約15度低く、冷暖房費のコスト削減につながる
アイジー工業だからこそ実現できた機能性の高さと意匠性の両立
機能性、意匠性、そして施工性の高さから高い注目を集めている


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