2021年09月06日

トムラ・ジャパンが回収ペットボトルを再利用した繊維素材を「bottlium(ボトリウム)」としてブランド展開

住友商事グループのトムラ・ジャパンは、自社の飲料容器自動回収機(リバース・ベンディング・マシーン:RVM)で回収したペットボトルから作る特殊長繊維(※1)用のペレット(※2)をbottlium(ボトリウム)と命名し、さまざまなアパレル製品への採用を目指します。

トムラ・ジャパンは、RVMをスーパー・コンビニなど全国約1,400カ所に設置し、2019年には国内総消費量の約2パーセントにあたる約14,000トン(5.5億本)を回収しました。RVMに投入されるペットボトルは、キャップやラベル、飲料の残りなどが取り除かれたものです。選別回収された上、RVM内で圧縮処理されるので、効率良く資源を回収することができます。回収したペットボトルはリサイクル事業者へ運び込まれ、繊維・シート・ボトルなどの原料となるペレットに加工されます。

一般的に、回収されたペットボトルは薬剤を用いて洗浄されますが、ボトリウムの場合、殺菌・減菌効果があるオゾン水とナノバブル(超微細気泡)で洗浄効果を高めた「水洗浄」を採用し、環境負荷を低減します。また、ボトリウムのペレットは、RVMによって選別された不純物の極めて少ないペットボトルのみを再利用するため、純度が高く、色づきが良いことから、さまざまなアパレル製品の原料として使用することが可能です。

ボトリウムの取り組みは、当社がサステナビリティ経営の高度化の一環として設定した6つの重要社会課題の一つ「循環経済」につながります。今後、使用済ペットボトルの回収事業を強化し、ボトリウム取扱量の拡大を図り、地球環境の保護・保全への貢献を高めていきます。

ボトリウムのロゴマーク。ボトリウム(bottlium)という名前は、ペットボトルがこれからの時代の資源になるという想いを込めて生まれた

トムラ・ジャパンの佐藤達副社長は、ボトリウム誕生に際して「これまでトムラ・ジャパンは、全国約400万人の皆さまにRVMを継続して利用いただいており、良質なペットボトルを資源化することで循環型社会の実現に貢献してきました。しかし、利用者には単なるペットボトル回収会社という印象を持たれがちでした。ボトリウムの拡販により、当社がサステナブルな社会を支えていることを広く世の中に伝えていきたいです。例えば、子供たちがボトリウムで作られたユニホームを着てスポーツを楽しんでいる、そのような状況を早く実現したいと思っています」と語りました。

  1. 特殊長繊維:繊維製品の製造に使われる糸は、素材となる繊維の長さで「短繊維」と「長繊維」に分類される。長繊維の糸は、速乾性や吸水性といった機能を付加しやすく、スポーツのユニホームなどで活用できる。こうした長繊維の中でも、より高い機能を付加できる繊維が特殊長繊維で、リサイクルで生成する場合、基本的に不純物の極めて少ないペットボトルを原料とする必要がある
  2. ペレット:ペットボトルを細かく砕き、粒子状にしたもの。破砕したペットボトルから異物を取り除き、洗浄・乾燥させたものをフレークと呼び、そのフレークを加熱溶融して粒子状にしたものをペレットと呼ぶ
左側が水洗浄前、右側が水洗浄後のフレーク。水洗浄をすることで白度が増す
ペレット。フレークをさらに細かく砕き、加熱溶融したもの
トムラ・ジャパンが取り扱うRVM
RVMにペットボトルを投入する様子。1容器あたり2~3秒の高速処理、連続投入が可能

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