2022年09月30日
電気バスお披露目式の実施
住友商事と住友商事九州(以下「住友商事グループ」)は、2022年6月22日に、西日本鉄道、西鉄バス北九州(以下「西鉄グループ」)と共に、福岡県北九州市の西鉄バス北九州小倉自動車営業所で、中古のディーゼルバスを改造した電気バス(以下「レトロフィット(※)電気バス」)のお披露目式を実施しました。レトロフィット電気バスは2022年6月27日より北九州市内の小倉―黒崎・折尾間を結ぶ便を中心に運行を開始しています。
- 旧式の機械を改造して性能改善、新機能追加等の改良を行うこと。
お披露目式のあいさつでは、住友商事九州の高橋社長が、「住友商事グループのリソースを生かし、電気バスの導入拡大をはじめ、持続可能な社会の実現を目指す」と意気込みを語り、西日本鉄道の清水専務は、「このバスは公共交通の持続性や脱炭素の推進面からも大変重要な位置づけの車両である」と重要性を説明しました。また、来賓として出席した北九州市の上村建築都市局長は、「北九州市での本取り組みの成功が全国に広がってほしい」と関係者を激励しました。あいさつの後には試乗を行い、乗車した人たちからは静かで揺れも少なく、快適だという声が多く寄せられました。最後に充電の様子をお披露目し、災害時には非常用の電源としても使用できることも説明し、来場者が電気バスのメリットを感じ、今後の電気バス導入拡大に、より一層期待が高まる一日となりました。
電気バスは公共交通機関の二酸化炭素削減に貢献することが期待されていますが、価格がディーゼルバスと比較すると2倍近くになるといったコスト面の課題があります。住友商事グループと西鉄グループは、コスト面の課題を解決するべく、住友商事が2019年に出資参画した台湾最大手の電気バスメーカーRAC Electric Vehicles(以下「RAC」)と共同で今回のレトロフィット電気バスを開発しました。RACは台湾の自動車部品メーカー・車王電子が主要株主であり、住友商事は車王電子と車載電池の供給などで関係を構築しています。RACのバッテリーパックをはじめ、電気バスの主要部品の多くが車王電子製であり、実績のある部品を活用することで、2005年の創業以来、200台を超える電気バスの納入実績を有し、台湾国内をはじめ、国外でも高く評価されています。
今回導入したレトロフィット電気バスは、台湾で改造したものですが、今後は台湾より部品を輸入し、西鉄グループの西鉄車体技術とともに国内でのレトロフィットを実施していく予定です。RACのノウハウを生かしつつ、住友商事グループと西鉄グループは、国内でレトロフィットを実施することで、九州地域をはじめ、日本全国へコストを抑えた電気バスの導入拡大を目指し、持続可能な公共交通の構築に貢献します。
