2023年04月04日

バイオ農薬のグローバル独占製造・開発・販売ライセンス取得について

住友商事は、アルゼンチンの農薬メーカーであるAnnuitより、同社が製造するバイオ農薬(以下、「本製品」)のグローバルでの独占製造・開発・販売ライセンスを取得しました。

世界的な人口増加と経済成長を背景に、2050年の世界の食糧需要量は、10年の約1.7倍になると言われています。爆発的な食糧需要増加を満たすためには限られた農地における穀物生産量を最大化する必要があり、農作物を病害虫から守り、成長を促す農薬・肥料が重要な役割を果たします。その中でも、生物由来の有効成分を用いたバイオ農薬は、環境への負荷が低く、農業の持続可能性・環境安全性への関心の高まりから近年急速に需要が拡大し、30年には農薬市場全体の20~25%を占める規模まで成長すると予測されています。

本製品は、菌類由来の有効成分を持ち、植物に対して病害への防御力を高めるよう働きかけるもので、農作物の収量増加に寄与します。従来、バイオ農薬は野菜や果物向けが主流でしたが、本製品は小麦や大豆などの穀物への展開も見込まれています。2023年4月頃より製造・販売を開始し、住友商事グループ会社のサミットアグロの販売網などを通じ、中南米を皮切りに全世界への普及・拡大を目指します。

住友商事は、1970年代から40年以上にわたり農薬事業に取り組んできました。バイオ農薬関連では、17年にスペインのバイオ農薬メーカーFuturecoに出資参画、20年にはメキシコの農薬メーカーであるQuimica Agronomica de Mexicoから、バイオ殺菌剤の独占開発販売権を取得しています。また、世界37か国で農薬を中心とした農業資材のトレード・卸売りを行うサミットアグロの展開や、農家への農業資材直販事業など、幅広い事業基盤を確立しています。この事業基盤と新しい技術を繋ぎ、エンドユーザーに新たな価値を提供することが当社農薬事業の使命のひとつであると考えています。

中期経営計画「SHIFT 2023」においては、「農業」を次世代成長戦略テーマのひとつに掲げており、今後は多様なパートナーとの共同研究・開発なども視野に、バイオ農薬の取扱量・種類を拡大していく方針です。グローバルなネットワークを活用した拡販などを通じて、2030年までにサミットアグロ事業売上の20~25%を占める販売規模を目指しています。

住友商事グループは、今後も農薬事業を通じて、多様化する農薬需要や食の安心・安全へのニーズに応えるとともに、農業の生産性向上・効率化に寄与することで、食糧問題の解決に取り組んでいきます。

左から、住友商事アグリサイエンス事業部長田中、Annuit取締役社長のChem. Eng. Enrique R. Moretti.氏

会社概要

会社名 Annuit S.A.
所在地 Ortiz de Ocampo 2655, 11th floor, unit 1 of the Autonomous City of Buenos Aires, Argentina
所在地 Ortiz de Ocampo 2655, 11th floor, unit 1 of the Autonomous City of Buenos Aires, Argentina
代表者 取締役社長/Chem. Eng. Enrique R. Moretti.
代表者 取締役社長/Chem. Eng. Enrique R. Moretti.
事業内容 R&D


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