2023年05月31日

広島大学東広島キャンパスで太陽光発電事業とEVシェアリング事業を展開~地域の脱炭素・循環型エネルギーシステムを創出~

広島大学および中国電力と契約を締結

住友商事は、連結子会社であるPower Frontier Holdings株式会社が100パーセント出資して設立したPF東広島合同会社を通じて、国立大学法人広島大学(以下「広島大学」)および中国電力株式会社(以下「中国電力」)と、オンサイト太陽光PPA事業(※1)・EVシェアリング事業(以下、2事業を合わせて「本事業」)に関する契約を締結しました。オンサイト太陽光PPA事業については当社グループの資本で太陽光発電設備の設置から保守・管理まで一括で請け負い、同時に、中国電力が提供するEVシェアリングサービスを活用します。

日本のカーボンニュートラル実現に向けて

日本政府は、2050年のカーボンニュートラル実現を掲げています。太陽光発電については、2030年度の電源構成における割合を従来の約2倍に引き上げるシナリオが掲げられており、太陽光発電は脱炭素化を支える次世代の主力エネルギーとしてますます注目が高まっています。また政府は、カーボンニュートラル実現に向け、地域の知の拠点である国立大学における先進的な取り組みを通じた、地域の脱炭素・循環型エネルギーシステムの創出に期待を寄せています。

本事業の概要

本事業は、広島大学東広島キャンパス内にある約70棟の施設の屋根および駐車場を借用し、当社グループの資本で太陽光発電設備の設置、保守・管理まで一括で請け負うオンサイト太陽光PPA事業です。同キャンパスでの全量消費を想定し、発電された電力は広島大学に販売します。発電容量は5MWであり、本年6月の工事開始、2024年度中の完工およびサービス提供開始を予定しています。本PPA事業により、同キャンパスの総電力使用量の約16パーセントを再生可能エネルギー化できる見込みです。

同時に、同キャンパスの学生や職員による利用を想定し、中国電力が提供するEVシェアリングサービス「eeV(イーブイ)」を導入します。同キャンパスの駐車場にEV充電器を設置し、スマートフォン等で利用予約ができるアプリを含めたシェアリングシステムを整備し、当社グループが提供するEVを用いて、PPA事業と同時に開始予定です。

本事業のスキーム図

本事業のサービス提供開始後のイメージ図

住友商事が広島大学で取り組む意義

広島大学は、2021年1月に「カーボンニュートラル×スマートキャンパス5.0宣言」を行い、通勤・通学を含めたキャンパスで使うエネルギーについて、2030年までのカーボンニュートラル化実現を宣言しています。同タイミングで当社は、広島大学および東広島市と、東広島市および周辺地域におけるスマートシティの実現、広島大学キャンパスのスマート化・グリーン化に向けた「包括的な連携推進に関する協定書」を締結しています。

本事業は当社が手掛けるオンサイト太陽光PPA事業において、1カ所での容量が最大規模の案件であり、またEVシェアリングサービスを掛け合わせた新しいビジネスモデルです。当社はこれまでの知見を最大限に活かし、2024年度中の着実な完工を達成し、広島大学の2030年カーボンニュートラル化の一助を担います。さらに、地域のハブでもある広島大学に向けて本事業を展開することで、同大学における脱炭素・循環型エネルギーシステムの創出に加えて、地域内や他大学への波及効果も狙います。

住友商事Power Frontier事業部の取り組み

当社が2021年4月に設立した社内組織であるEnergy Innovation Initiative(EII)は、「脱炭素・循環型エネルギーシステム構築を通じた新しいビジネスの創出」を目指しています。EII内で本事業を推進するPower Frontier事業部は、国内外で再生可能エネルギー供給を起点としたグリーン電力プラットフォーム事業(※2)の開発に取り組んできました。2022年1月に四国電力株式会社と日本において太陽光発電事業の開発・運営を行うSun Trinity合同会社を立ち上げ、直近1年間で国内で約10MWのPPA事業を受注し、一部事業については運転を開始しています。同事業部が手掛けるPPA事業は現時点で、検証中の案件を含めて800MW超であり、2030年までに国内外合わせて1GW超の持分発電容量達成を目指しています。

今後も分散型太陽光発電を軸としたクリーンエネルギー事業や新たな電力・エネルギーサービスの拡大を進め、当社が掲げる「気候変動緩和」「循環経済の実現」という重要社会課題の解決と、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。

  1. オンサイト太陽光PPA事業:
    電力事業者が需要家の屋根・敷地を活用して太陽光発電設備を導入・運用し、電力・環境価値を需要家に販売するもの。需要家にとっては、初期投資や管理コストがかからず、長期にわたり安定的に再生可能エネルギーの調達が可能となる。
  2. グリーン電力プラットフォーム事業:
    分散型再生可能エネルギー電力の導入を起点とし、系統電力の再生可能エネルギー化やEV・蓄電池の導入、また余剰電力を活用した電力取引プラットフォームを含めた、当社Power Frontier事業が目指す総合的な再生可能エネルギープラットフォーム事業。

グリーン電力プラットフォーム事業の全体概要


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