2023年07月25日

アラブ首長国連邦シャルジャ首長国SNOC社とのCO2回収・貯留事業の共同検討について

住友商事は、中東住友商事会社を通じて、アラブ首長国連邦(以下「UAE」)シャルジャ首長国の国営オイル・ガス開発企業であるSharjah National Oil Corporation(以下「SNOC」)と、CO2を回収し地下に貯留するCCS(※1)事業(以下「本事業」)の共同検討に関する覚書(以下「本覚書」)を締結しました。

本事業の概要

本事業は、ドバイを含むシャルジャ近隣首長国のCO2排出企業各社からCO2を回収しパイプラインにて輸送し、SNOCが保有する枯渇ガス田に貯留することで、CO2排出企業向けCCSサービスの提供、およびカーボンクレジット(除去クレジット(※2)含む)の創出・販売につなげ、将来的にはシャルジャ首長国を中心とする大規模CCSハブの構築を目指すものです。SNOCが保有する当該ガス田は、数億トンを超えるCO2貯留ポテンシャルを持ち、付近には各種発電所や産業プラントなどの大口CO2排出企業が点在していることから、有望な貯留層とされています。当社は、本覚書の締結により、日本企業が有する技術の活用も視野に、CO2回収・輸送・貯留に関する各種技術、経済性、事業モデル、法制度などに関してSNOCと共同で調査の上、事業化を検討します。

SNOCとの連携

住友商事はCCS事業の開発にあたって、有望な貯留層を保有するパートナーとの連携を模索してきました。一方、SNOCは近く枯渇する自社ガス田の有効利用を検討しており、両社協議の結果、今般の覚書締結に至ったものです。両社は、住友商事グループが培ってきたエネルギー分野・インフラ分野の事業開発・運営の知見、低炭素製品やカーボンクレジットの取引ネットワークと、SNOCの地下資源開発、ガス地下貯蔵および当該ガス田に関する知見を活用し、本事業を通じて、地場産業のCO2排出削減を推進するとともに、「2050年の温室効果ガス排出量ネットゼロ」の目標を掲げるUAEの脱炭素化への貢献を目指します。

本事業のCO2貯留先となるSNOC保有のガス田

本覚書の締結セレモニー

住友商事とSNOCは、7月17日にUAE経済省が主催した日・UAEビジネスフォーラムにおいて、岸田文雄首相、Sheikh Hamed bin Zayed Al Nahyanアブダビ投資庁長官の立ち会いのもと、本覚書の締結セレモニーを実施しました。

本覚書締結セレモニーの様子(前列左より、森 中東住友商事会社社長、Hatem Al Mosa SNOC CEO)

住友商事のCCUS(※3)分野での取り組み

住友商事グループは、「気候変動緩和」を重要社会課題の一つとして位置付け、2050年の事業活動のカーボンニュートラル化と、持続可能なエネルギーサイクル実現に挑戦しています。住友商事は、CCUSをその重要な手段のひとつと捉え、2023年1月に同分野での事業開発に取り組むCCUSチームをエネルギーイノベーション・イニシアチブ内に設立しました。CCUSチームは、当社グループが持つCCUS関連の知見を集約、社内外の連携を強化することでCCUSバリューチェーンを構築し、「CO2分離・回収」「輸送・貯留」「利活用」の事業開発に取り組んでいきます。

  1. CCS:Carbon dioxide Capture and Storageの略称。産業活動から排出されるCO2を回収・貯留すること
  2. 除去クレジット:Carbon Dioxide Removal(大気中のCO2除去)の価値を取引するためのカーボンクレジット
  3. CCUS:Carbon dioxide Capture, Utilization and Storageの略称。産業活動から排出されるCO2を回収・貯留・利活用すること

SNOC概要

設立 2010年
所在地 UAEシャルジャ首長国
代表者 Sheikh Sultan bin Ahmed Al Qasimi社長、Hatem Al Mosa CEO
代表者 Sheikh Sultan bin Ahmed Al Qasimi社長、Hatem Al Mosa CEO
事業内容 オイル・ガス上流開発、ガス地下貯蔵、ガス精製、LPG製造・貯蔵など
事業内容 オイル・ガス上流開発、ガス地下貯蔵、ガス精製、LPG製造・貯蔵など
URL https://www.snoc.ae/
Website www.snoc.ae

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