2024年03月01日

IHI、台湾電力と台湾・大林発電所においてアンモニア燃焼技術導入に向けた検討を開始~燃焼時にCO2を排出しないアンモニアの利活用により脱炭素化に貢献~

住友商事株式会社(以下、「住友商事」)は、株式会社IHI(以下、「IHI」)および台湾の公営電力会社である台湾電力公司(以下、「台湾電力」)と共同で、台湾・大林発電所におけるアンモニア燃焼技術導入に向けた検討に関する覚書(以下、「本覚書」)を締結しました。本覚書に基づき、2030年末までにアンモニア燃焼5%以上の実証試験を行い、台湾における脱炭素化への貢献を目指します。

脱炭素社会を目指す台湾政府

台湾政府は、2050年に温室効果ガス排出の実質ゼロを目指し、火力発電所において燃焼時にCO2を排出しない水素・アンモニアの利活用を検討しています。2022年に公表した「2050年ネットゼロ排出ロードマップ」では、ゼロカーボンエネルギーシステムを構築するためのエネルギー転換を重要戦略として掲げており、台湾電力は政府の目標達成に向け、石炭とアンモニアの混焼を進めることで従来燃料の消費量を削減し、台湾の脱炭素化への貢献を目指しています。

アンモニア混焼を通して台湾の脱炭素化への貢献を目指す

本覚書に基づき、台湾電力が台湾南部の高雄市に所有・運営する大林(ターリン)超々臨界圧石炭火力発電所(※)において、既設石炭ボイラの改修、燃料アンモニアのサプライチェーン構想、アンモニア混焼技術の実現可能性の評価を行います。その後、検討結果に基づいて、アンモニア混焼のための設備改修と実証試験を実施します。

実証実験では、台湾電力が所有する大林火力発電所の設備において、IHIの有する燃焼時にCO2を排出しないアンモニアを燃料とする燃焼技術の適用を検討します。住友商事はグローバルな水素・アンモニア事業推進の経験を活かし、大林発電所へのアンモニア供給および域内におけるアンモニアサプライチェーン構築にむけた調査・検討を実施します。今後は、2030年末までにアンモニア混焼5%以上の発電試験を完了する予定で、今後の技術開発次第ではアンモニアの混焼比率を高めることでさらなるCO2排出量の低減を図るとともに、他の既存石炭火力発電所への展開も検討していきます。

  • 2012年に住友商事およびIHI他各社がEPC契約を共同で受注し、建設したものとなります。

台湾向け80万kW級 大型超々臨界圧石炭火力発電所2基を受注

住友商事グループが取り組む次世代エネルギー事業

住友商事グループは、水素・アンモニアを脱炭素社会における将来の重要なエネルギーのひとつとして位置づけています。アンモニアについては、競争力のあるクリーンアンモニア供給網の開発、アンモニアバンカリング船の設計開発、海上輸送や貯蔵など関連するインフラ開発を含むサプライチェーンの構築など、さまざまな事業を検討・推進しています。水素についても、地域や水素の特性を活かした地産地消型の水素事業、水素の大量製造・輸送/貯蔵・利用を推進する大型水素バリューチェーン事業、新技術への投資など、水素関連の事業開発に多角的に取り組んでいます。今般のIHI、台湾電力との協業を含む水素・アンモニア関連事業の推進により、持続可能なエネルギーサイクルを実現し、脱炭素化社会の構築および気候変動緩和の実現を目指します。

セレモニー

本覚書締結に伴い、セレモニーを実施しました。

左から(敬称略)住友商事 北島(執行役員 エネルギーイノベーション・イニシアチブサブリーダー)、
台湾電力 鄭慶鴻(副総経理)、IHI 小澤(執行役員 資源・エネルギー・環境事業領域副事業領域長 兼 カーボンソリューションSBU長)
左から(敬称略)住友商事 北島(執行役員 エネルギーイノベーション・イニシアチブサブリーダー)、台湾電力 鄭慶鴻(副総経理)、IHI 小澤(執行役員 資源・エネルギー・環境事業領域副事業領域長 兼 カーボンソリューションSBU長)

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