Cross Talk

健康経営への取り組み

健康への意識と理解の向上が、より良い職場を生み出し、
一人ひとりの可能性を広げていく。

Introduction

新たな価値創造を実現するためには、社員一人ひとりが最大限のパフォーマンスを発揮することが欠かせません。そのためには、社員が健康に働けることが何より大切。その考えに基づき、住友商事は健康経営を推進しています。
ここでは、「イキイキワクワク健康経営宣言」に基づき施策を行うHRのメンバーと、住友商事診療所の所長が、健康経営に関する取り組みについて語り合います。

Profile

HRソリューションズ部
ウェルビーイングチーム

今井 真弓

今井 真弓Mayumi Imai

女性特有の健康課題やFemtechに関する企画・セミナー等の実施

西原 清圭

西原 清圭Sayaka Nishihara

定期健診や歯科健診、渡航前入国健診などの各種健康管理を担当

住友商事診療所

森澤 雄司

森澤 雄司Yuji Morisawa

住友商事診療所 所長

※2023年11月取材時点

Chapter 01手厚い健康増進サポートで、社員一人ひとりを支える。

——はじめに、社員の健康増進をサポートするための取り組みについて教えてください。

西原

HRとして、健康経営を推進するためのさまざまな施策を行っていますが、そのうちの一つが、本社内にある「住友商事診療所」の運営です。所長の森澤先生を中心に医療専門職の方々が常駐し、社員の健康管理をサポートしています。

森澤

住友商事診療所には内科と歯科があり、それぞれの専門医のほか、心療内科の専門医も在籍しています。医療の高度化に伴い、専門性の高い診療体制を備えています。私自身は、専任になる前も含めると住友商事診療所に30年ほど勤務しています。

今井

「就労と療養の両立支援」をテーマに、社員の慢性疾患ケアや健康管理にも取り組んでいますよね。たとえば、社員が外部の医療機関で健康診断を行った後のフォローであったり、医療機関での診断結果を会社に伝える橋渡し的なサポートも行います。

森澤

産業医としては、長時間労働者やストレスチェックにおける高ストレス者に対する面談も行い、就業上の措置に対する意見書を人事に提出しています。今やメンタルヘルスのケアは欠かせません。総合商社の産業医ならでは求められる重要な役割として、海外赴任者の健康管理があります。赴任前の健康診断では、法定項目よりもさらに踏み込んだ健康チェックを行うほか、持病のある社員であれば赴任先の国でもきちんと治療を継続できるようサポートしています。赴任先での医療体制に不安があると判断した場合には、所属部署と相談して海外赴任自体を検討し直してもらうこともあります。そのほか、渡航先の環境や風土病に対応する予防接種なども推奨項目を確認しています。

——かなり手厚いサポートになっているんですね。加えて歯科も設置されているんですよね?

西原

一般的な社内診療所は内科が中心だと思いますが、歯科も設置しているのは住友商事ならではと言えるのかもしれませんね。それだけ社員の健康管理に注力しているということです。

社内診療を行う森澤

森澤

実は、心身の健康と口腔衛生は切り離せないものなんですよね。疾患の背景に歯のトラブルが隠れていることもありますし、ストレスなどで歯を食いしばる癖が出る方もいらっしゃるのですが、そういったところからさまざまな健康問題を引き起こすことがあるんです。社員には予防医学の観点から正しい歯磨きの仕方も含め歯科口腔衛生指導を行っています。

今井

内科や歯科以外にも、秘密厳守で社員のメンタルヘルスをサポートする「SCGカウンセリングセンター」や、休憩時間などに気軽に立ち寄れるマッサージルーム「コリトン」などの施設もあります。独身寮のジムも健康維持に活用されています。こうした専門施設を設置することで、社員のプレゼンティーズム、アブセンティーズム※の改善を目指しています。

社内診療所 歯科

※プレゼンティーズム:
疾病出勤(出社しているものの、何らかの健康問題によって業務効率が落ちている状況)
アブセンティーズム:
仕事を休業/欠勤している状態(心身の不調により、遅刻や早退、就労が困難な欠勤や休職など、業務自体が行えない状態)

社内診療所の様子

Chapter 02「健康セミナー」を通じて社員のヘルスリテラシーを向上。

——他にもHRとして、さまざまな啓発活動に取り組んでいるみたいですね。

西原

社員のヘルスリテラシー向上を目指して、社内イントラでの情報掲載やメール配信による定期的な発信を行っています。健康に関するセミナー動画をアーカイブして、グループの社員とその家族にも配信するといった取り組みも。社員のみなさんが自律的に健康管理を行うことが理想ではありますが、特に若くて元気な人ほど健康を意識することが少ないのも事実です。私も営業部門に所属していた頃は健康診断を後回しにしがちだったところもありましたし。

今井

タフで頑張り屋さんが多いので、多少の体調不良があっても無理をして仕事を頑張ってしまう人もいるのかもしれませんね。しかし、健康を損なってからでは間に合いません。元気なうちから、自身の心身に対して意識を向けてほしい。自身の心身の健康の変化に自分で気付き、少しでもおかしいなと思ったら、社内にも相談先があることを知っていてほしい。そんな思いから、さまざまなテーマで健康に関するセミナーを開催しています。

西原

これまでにも適正飲酒習慣やメンタルヘルス、睡眠、女性の健康、男女の更年期などさまざまなセミナーを実施しました。最近開催した更年期に関するセミナーには、男女合わせて170人ほどの社員が参加。タブー視されがちな話題だけに世間一般に情報が少なく、不安を抱えている社員も多かったと思われますが、こうした取り組みを通じて知識を深めてもらい、安心して働き続けるための一助になったかと思います。

森澤

更年期は女性にも男性にも起こり、どんな症状が起きるかはまさに人それぞれ。女性の生理による体調不良にも同じことが言えますが、自分には感じられなくても「相手はこんなに辛い症状を抱えている」ということを知ることが、職場における相互理解の醸成につながるはずです。

今井

そうですね。健康経営を実現して健全な職場づくりに繋げるためには本人が自身の健康に注意を払うだけでなく、周りの人が抱える健康問題に対する理解や思いやりが不可欠です。そうした視点から、管理職向けのメンタルヘルスセミナーでは、メンバーが精神的な不調を抱えた場合の接し方などを啓発しています。

Chapter 03健康経営は、Diversity, Equity & Inclusionの推進にもつながる。

——Diversity, Equity & Inclusionの観点でも取り組みをされているそうですね。

森澤

そうですね。Diversity, Equity & Inclusionにおいても、生物学的な性別の差などによる体調や健康に関する相互理解の推進は重要な課題です。今井さんが、まさにそのあたりの情報発信をされていますよね?

今井

はい。その一環として2022年度に「FemTech(フェムテック)展示会」を開催しました。これは、生理・更年期・不妊・産後等の女性特有の健康課題を解決・緩和するグッズやサービスを紹介する社内イベントで、例えば生理用吸水ショーツや月経カップ、骨盤底筋トレーニンググッズ、搾乳ブラといったアイテムの展示や、低用量ピルのオンライン処方や更年期オンライン相談サービス等を紹介しました。ネット上で見るだけではなく、実際にものを手に取って見てもらうことで、導入のハードルが下がったといった声も。女性が日々抱えている心身の悩みに対して新たな選択肢を提供できたと感じています。女性特有の健康課題はまだタブー視される傾向がありますが、悩みを抱える当事者以外の人にも知ってもらうことで相互理解を深め、職場全体のヘルスリテラシーを向上させることが大切だと思っています。

西原

女性特有の体調の変化を止めることはできなくても、さまざまなグッズやサービスを活用することで心身の改善を図ることはできます。まずはそのことに気づいてもらうきっかけになれば良いですよね。私自身も以前は体調が悪くても我慢して働くことが当たり前だと思っていましたが、「プレゼンティーズムはなくせる」ことを発信していきたいです。

森澤

あとは、LGBTQ+に関する研修の受講を全社員に行うなど、さまざまな角度から活動をしてますよね。

今井

そうですね。これもまた「自分以外の他者を理解する」ための取り組みです。より強い組織をつくるために、広い視野でさまざまな活動を続けていけたらと思います。近年は女性社員やキャリア採用者等の比率が高まっており、社員のライフプランやキャリアプランがますます多様化されています。そうした背景もあり、社員一人ひとりが長く働き続け、キャリアの可能性を広げていくための健康管理は重要度を増しています。

西原

住友商事の健康経営に対する意識はいろいろなところに表れており、カフェテリアプランもその1つです。付与されたポイントを好きなメニューに使用できる福利厚生のシステムですが、ジムの利用料や睡眠の質を高めるグッズなどに使用すると、通常よりも多くのポイントを活用できるんです。社員の健康の維持・増進をサポートしようという会社の意志が感じられるのではないでしょうか。社員が健康でイキイキと仕事もプライベートも充実させることができるよう、引き続き社員の健康管理をサポートしていきます。

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