グローバル事例

化粧品の力を信じ、より美しい世界をつくる

米国/ブラジル/韓国/ドイツ/フランス/イタリア

変化する化粧品市場における、住友商事グループの在り方

皆さんが口紅やファンデーション、スキンケア製品などの化粧品を選ぶにあたって、大切にするポイントはなんでしょうか。日本や韓国、中国などのアジア諸国では美白やスキンケア、アンチエイジングへの関心が高まる一方、欧米ではクリーンビューティー(※1)が注目されるなど、化粧品のニーズは多様化しています。

これらの多様化するニーズに応えるために重要になるのが、発色・塗り心地・効果・効能を左右する化粧品素材の配合や処方開発です。近年、化粧品メーカーは自社ブランドの価値向上に向けた広告宣伝活動やマーケティング活動に注力し、これまで化粧品メーカーに素材を供給してきたディストリビューターが、素材の配合・処方開発の一部を担うようになりました。
住友商事グループは1990年代初頭から、素材販売を通じて化粧品市場に携わっていましたが、昨今の業界の変化をチャンスと捉え、さらに高い付加価値の提供や、新たな価値創造を追及しています。 世界の化粧品市場規模は約53兆円。今後も年5~6パーセントの安定成長が見込まれる市場です。(※2)住友商事は世界の人々の美と健康に寄り添うパートナーとして、あらゆる可能性に積極的に取り組んでいます。

  1. クリーンビューティー:環境と人体に配慮した自然由来の化粧品
  2. 2019年Euromonitor社発表資料
処方開発の機能を持ち、多様化する化粧品ニーズへ対応するディストリビューター

化粧品の処方開発を行うディストリビューターとして、世界各国で素材販売・開発をグローバル展開

住友商事は2010年、米国の化粧品素材ディストリビューターであるプレスパースの完全子会社化をきっかけに、化粧品素材事業への本格参入の第一歩を踏み出しました。その後、13年にブラジルのディストリビューター、コスモテックに出資参画し、成長著しいブラジル市場へ参入。
15年には日系素材メーカーから、ドイツを中心とした欧州諸国での化粧品素材販売事業を取得。そして19年、世界最大級の市場規模を誇る欧州市場の中心地で、トレンド発信地であるフランスのディストリビューター、サッシーを買収し、欧州市場での化粧品素材事業を本格化させました。

化粧品市場における情報発信の中心、フランスに本社を置くサッシー

現在、私たちの化粧品素材ディストリビューション事業の拠点は、北米・南米・欧州・日本と世界各国に存在します。各社は自前の研究開発チームを有し、高い技術力で各地域のトレンド・顧客のニーズに沿った化粧品素材・処方の提案ができます。各地域の特徴を知り、高い技術力を持ったグローバルプラットフォームこそが当社グループの大きな強みです。
さらに、次世代素材へのニーズの高まりを受け、住友商事グループは素材メーカーと共同で素材開発にも取り組んでいます。12年に出資参画した韓国のベンチャー企業バイオジェニックスや、日本の素材メーカーとのパートナーシップの下、ユニークな素材開発の実現を目指し、世界中の人々のもとへ高機能・高品質な製品を届けるために努力し続けています。

今後は、中国をはじめとするアジア市場における規模拡大や、より高品質なサービス・さらなる付加価値の提供を目指して、世界各地の化粧品メーカー・化粧品素材メーカーのグローバルパートナー、またローカルパートナーとして、展開を加速していきます。

米国大手の化粧品ディストリビューター、プレスパース本社
ブラジルの化粧品市場は、世界トップクラスの規模。写真はサンパウロにあるコスモテック本社
次世代素材の開発など、付加価値の提供を通じて、化粧品市場の発展に貢献

化粧品ODM事業へ参入、高い提案力で日本市場にイノベーションを巻き起こす

住友商事は、化粧品ODM(※3)事業にも取り組んでいます。昨今の化粧品業界においては、化粧品メーカーは、処方開発のみならず化粧品製造そのものをアウトソースする傾向が高まっています。そうした変化の中で、商品の受託製造事業や、受託製造に加え自社でのマーケティング調査をもとにした商品の設計や、企画提案をも行うODM企業の存在感が非常に大きくなっています。
そこで当社は18年、化粧品ODM会社でも世界でトップクラスであるイタリアのインターコスとパートナーシップを組み、日本における化粧品ODM事業へ本格参入しました。日本発の高品質かつ高機能な化粧品の提供を通じて、世界中の人々の美容と健康へのニーズに応えていきます。

  1. ODM: Original Design Manufacturingの略
インターコスと共同で行った、日本での化粧品展示会の様子

化粧品事業に特化した新会社、住商コスメティクスの設立

19年10月、住友商事は日本での化粧品事業に特化した住商コスメティクスを設立しました。当社は世界における事業をより機動的に強化・拡大するべく、住商コスメティクスを化粧品ビジネスの中核企業と位置付け、グローバルな事業基盤を通じた新しい価値創造の促進に取り組みます。住商コスメティクスは、化粧品事業のプロフェッショナル集団として、住友商事グループのさらなる化粧品業界への貢献に取り組んでいきます。

住友商事グループは今後も、「化粧品の力を信じ、より美しい世界をつくる」というミッションの下、世界中の人々の美しくありたいというニーズに応え、快適で心躍る暮らしの基盤づくりに貢献していきます。
世界中の人々をより健康で美しくしたい──。それが住友商事グループの願いです。


2020年03月掲載

キーワード

  • 資源・化学品事業
  • 米州
  • 東アジア
  • 欧州
  • 化学品

関連する事例

Top