グローバル事例

マーケティングとテクノロジーの力を融合し
豊かな未来を実現する
─SCデジタル─

日本

住友商事グループにおいてマーケティングDX分野のビジネスを担っているのが、SCデジタルです。同社は、テクノロジーやデジタル、データ、クリエーティブを活用した企業のマーケティング活動支援を通じて、人々の「生活水準の向上」に寄与し、「地域社会・経済の発展」の実現を目指しています。


SCデジタルとは

住友商事グループは1990年代から、ケーブルテレビのJ:COMや、テレビ通販のショップチャンネルといった独自のメディア事業を手掛け、強みとしてきました。それらの事業に次いで、「デジタル」という新たな領域におけるビジネスの推進を目的に2017年に設立されたのが、SCデジタルです。

現在の事業は「データマーケティング事業」と「ブランドコミュニケーション事業」の2つの柱で構成されています。DX(Digital Transformation/デジタルトランスフォーメーション)とCX(Customer Experience/顧客体験)を融合したワンストップでのソリューションを提供できること、それがSCデジタルの強みです。

デジタルの力で企業と顧客を結びつけていく

クライアント企業に寄り添い、優れた顧客体験を生み出す

1つ目の柱、「データマーケティング事業」では、データを活用した企業のマーケティング支援を行っています。デジタルの急速な発展に伴い、多くの企業が「顧客とのデジタル接点をいかにつくっていくか」、「収集した顧客データをいかに活用していくか」などの悩みを抱えています。それらの課題を解決するために、コンサルティング、システム構築、運用支援までのサービスをワンストップで提供し、デジタル接点の最適化と、顧客データの有効活用を実現することが、データマーケティング事業の取り組みです。

データを最大限に活用できれば、企業は顧客との短期的ではなく長期的な関係を構築し、顧客一人一人のLTV(Life Time Value/生涯顧客価値)を大きく向上させることが可能になります。そのような支援を通じて、クライアント企業の収益の最大化をこの事業では目指しています。

また近年、小売りや代理店を介さず顧客に直接商品やサービスを販売する、D2C(Direct to Consumer/※1)というビジネスモデルにチャレンジする企業が増えています。D2Cビジネスにおいて最も重視されるのは、顧客との強い絆(エンゲージメント)をつくることです。そのためには、ブランドの開発ストーリーや生産者の思いなどを分かりやすく伝えることや、ファンコミュニティをつくって顧客間のコミュニケーションを活性化させる取り組みが必要になります。自社メディアやSNSなどを活用してそれらの施策を実行し、D2Cビジネスの立ち上げや成長を支援しています。

  1. オンラインなどを通じ、自社で企画・生産した商品を、小売店や代理店を介さずに顧客へ直接販売、提供するビジネスモデルのこと。近年、自社ECやデジタルサービスの発達に伴い、顧客と容易にコミュニケーションが取れるD2C市場が発展している

デジタルの力で企業のブランド価値を向上させる

2つ目の柱は、コンテンツ制作、SNS運用、ライブ配信などを軸に、クライアント企業のコミュニケーション施策をプロデュースする「ブランドコミュニケーション事業」です。「ALPHABOAT(アルファボート)」ブランドの下、商品やサービス、クライアント企業のブランド価値向上を支援することが、この事業における主な取り組みです。

この事業のソリューションの一つが、XR(クロスリアリティ/※2)技術を活用した「ALPHABOAT XR STUDIO」です。3DCG(※3)によるバーチャル空間では、多彩なカメラワークや演出が可能で、没入感の高いオンラインイベントや体験型コンテンツ、展示会・カンファレンス・PRツールなど活用の幅が広まっています。その他、イベント企画、映像制作、企業が保有するコンテンツの活性化、SNSの効果的な運用などのコミュニケーション施策を総合的に支援できるのが、ブランドコミュニケーション事業の大きな特徴です。

また、これらの強みを生かし、住友商事および住友商事グループ企業のコーポレートブランディングなどを担う、インハウスエージェンシー機能も提供しています。

  1. 現実世界と仮想世界を融合した体験を生み出す技術
  2. コンピュータの演算によって2次元上に立体感のある画像(仮想的な立方物)を描く手法
3DCGによるバーチャル空間と実際の人や物をリアルタイムで合成
「ALPHABOAT XR STUDIO」は可搬性があり、“持ち運び”が可能
汎用性の高いステージを複数用意しており、オリジナルカスタマイズも可能

守るべき価値、目指すべき未来、達成すべき目標

現在SCデジタルには、SI・ITベンダー、コンサルティングファーム、広告代理店、映像制作会社など、さまざまな業界での経験を得た多様なプロフェッショナル人材が集まっており、皆が共通の目標に向けて力を発揮するために、文化や価値観の共有に注力しています。また、現在の日本は残念ながら、「デジタル化」と「幸福度」の両指標において、先進国中かなりの低位置にとどまっています。日本がそれらの指標で上位を目指すには、テクノロジーやデジタルを生活に浸透させ、データを利活用し、企業と生活者を結ぶマーケティングを駆使し、クリエーティブを通して生活者に感動を与えることが必要だと考えています。企業活動のDXが確実に進むことによって、生活者の新しい体験価値が生まれ、豊かな生活が実現し、一人一人の幸福度が向上していく。それが、SCデジタルが目指す未来です。

さらには「2030年までにマーケティングDX領域におけるリーディングカンパニーになる」というミッションを掲げています。マーケティングDXは、企業が顧客を理解し、顧客との確かな関係をつくるための必須の取り組みです。これからの時代にその取り組みと無縁でいられる企業はほとんどないと言っても過言ではありません。それはまた、この領域が大きな成長可能性のある市場であることを意味します。多くの企業のマーケティングDXを支援し、この分野におけるトッププレーヤーになること。そして、その目標を2030年までの短期間で達成することが、SCデジタルの大きなミッションです。

SCデジタルが備える「4つの力」

SCデジタルの大きな強みは、「コンサルティング」「テクノロジー」「マーケティング」に加え、「クリエーティブ」の4つの力を等しく備えている点にあります。コンサルティング力とは、クライアント企業の本質的な課題を把握して、その課題解決の方向性を提案する力。テクノロジー力とは、クライアントの課題解決を実現するためのモデルやシステムを実装する力。マーケティング力とは、企業と顧客を結びつけて確かな収益を生み出していく力。クリエーティブ力とは、ブランディングを含め、企業やブランドの本来持っている本質的価値や経営者の思い、ストーリーなどを言語化・可視化・画像化・映像化して、ターゲットとする人々に効率的かつ効果的に伝える制作力を意味します。

これらの力を最大限に発揮して、クライアント企業のマーケティングDXを力強く支援していくこと。ひいては日本全体の「デジタル力」を大きく向上させ、経済の発展と人々の生活の豊かさを実現していくこと。その目標に向かって、SCデジタルはこれからも成長を続けていきます。

関連情報

2023年10月掲載

キーワード

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