グローバル事例

デジタルメディア事業を統括する企業内ベンチャー
-SCデジタルメディア-

日本

メディア事業のノウハウをデジタル領域に

住友商事グループは以前から、ケーブルテレビのJ:COMなどを中心にしたメディア事業を展開してきました。放送やテレビショッピングなどのコンテンツ制作のほか、メディアにかかわるさまざまな事業のノウハウを蓄積しています。そのノウハウをデジタルの領域で広く活用することを目指して設立したのが、デジタルメディア事業の統括会社であるSCデジタルメディアです。

SCデジタルメディアの事業領域は、「広告マーケティング事業」「メディア運営事業」「コマース事業(※1)」「IP事業(※2)」の4つに大きく分けられます。それぞれの領域の事業者に出資したり、合弁会社を設立したりして、経営にも積極的に関わっていく。それがSCデジタルメディアの基本的なビジネスモデルです。

そのモデルの第一弾として、2018年4月、米国のFULLSCREEN(フルスクリーン)と東宝との合弁会社ALPHABOAT(アルファボート)が誕生しました。フルスクリーンは、世界最大級のクリエイターネットワークを組織し、YouTube、インスタグラム、TikTokなどのソーシャルメディアで広告・コンテンツ事業を行うデジタルマーケティング企業です。その米国の事業に日本のメディア・コンテンツ業界の雄である東宝のノウハウを掛け合わせ日本で展開することを目的に設立したのがアルファボートです。

  1. コマース事業:ECやライブコマースといったオンライン販売とオフライン販売事業等
  2. IP事業:IP(知的財産)を活用したキャラクター事業等

ソーシャルメディアの世界で人々とコンテンツをつなぐ

アルファボートのビジネスは主に、
1)コンテンツ制作(動画・イベント等)、(2)クリエイター・インフルエンサーマネジメント、(3)SNS運用・コンサルティングの3つの軸から成ります。ソーシャルメディアで配信する動画広告・コンテンツの社内制作だけでなく、ユーチューバーやインスタグラマーなどのインフルエンサーの発掘・育成、動画制作支援。また、ソーシャルメディアの主要な視聴者である若年層をリサーチし、最適な広告やプロモーション戦略を企業に提案するなど、ソーシャルメディア関連領域において、ワンストップで広告主などのクライアントにソリューションを提供します。

「Alpha=α」には、「物事の始め」「オリジナル」、「Boat」には「情報やサービスを届ける乗り物」といった意味があります。米国では2010年以降に誕生した世代を「ジェネレーションα」と呼んでいて、その新世代に向けてコンテンツを届けていきたいという思いもアルファボートという社名には込められています。

「アルファ」とは物事の始めや未知数なものを示す。それぞれの強みを持ったクリエイターが1つの「ボート」(会社)に乗り込み、大海に向けて漕ぎ出していくという意味を社名に込めた

ソーシャル・エンターテイメントのあり方を追求

アルファボートのコンセプトを表現する際、しばしば「ソーシャルエンターテインメントカンパニー」という言葉が使われます。ソーシャルメディア全体を視野に入れ、クリエイターのスキルと企業やブランドのメッセージを掛け合わせ、それを多くのユーザーに支持されるエンターテイメントコンテンツにすることを指します。

ジェネレーションαを含むデジタルネイティブ世代(※2)には、それ以前の世代と比べて企業やブランドからのメッセージが届きにくいと言われています。そのような世代の声をリサーチし、彼・彼女らが本当に求めているものを理解することによって、コンテンツとユーザーを確実につなぐことをアルファボートは目指しています。

  1. デジタルネイティブ世代:生まれた時からデジタルテクノロジーに日常的に接してきた世代

「熱量」をストーリー化して伝える

アルファボートのミッションは「熱量をストーリー化して伝える」ことです。企業、ブランド、あるいはクリエイターには、それぞれに固有の「熱量」があります。その熱量のレベルを下げずにエンドユーザーにメッセージやコンテンツを届けるには、「ストーリー」の緻密な設計が必要になります。さまざまなソーシャルメディアの特性を把握すること。リサーチによって、ターゲットとなるユーザーの真のニーズや嗜好性を探ること。そして、それらをもとに企業やブランド、クリエイターとユーザーを結ぶ確かな道筋をつくること。それがアルファボートの役割です。

デジタルの世界は、多様化が極まった世界であり、中には公序良俗に反するコンテンツや悪意あるメッセージも少なくありません。玉石混交の世界で、いかに「Social Good(社会善)」を実現していくか。アルファボートはこのビジョンに向かって挑戦を続けています。良質なエンターテイメントをつくり人々に届けることが、結果として社会をより良い方向に動かすことになると考えています。

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「企業内ベンチャー」のメリットを生かして成長を目指す

SCデジタルメディアは、住友商事を100パーセント株主とした、いわば企業内ベンチャーです。ベンチャー企業の特徴は、事業をゼロからスタートさせるために、非常に大きな成長が期待できる点にあります。さらに住友商事が人、モノ、お金、ビジネスのノウハウやネットワークといった経営資源によって活動を後押しすることによって、より高い成長率を目指すことが可能になります。

ベンチャー企業ならではのフットワークの軽さやチャレンジングなマインドと、歴史ある総合商社がもつ安定感。その両方のメリットを融合させながら、SCデジタルメディアはこれからも、幅広いデジタルメディア事業に取り組んでいきます。

これまで8度のワールドツアーを成功させた、世界的なギタリストMIYAVI。彼の活動に密着するVlog(ビデオブログ)をALPHABOATがプロデュース
2005年 AAAのメンバーとしてデビュー、同時期から「SKY-HI」としてマイクを握る日高光啓。日常から撮影現場での制作過程まで紹介するVlogチャンネル
Every Little Thing(ELT)のギタリストである伊藤一朗がALPHABOATのプロデュースによりYouTubeデビュー。そのゆるいキャラクターを生かした動画が話題に

2020年05月掲載

キーワード

  • メディア・デジタル事業
  • 日本
  • メディア・情報通信

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