2017年01月04日
住友商事株式会社
2017年社長年頭挨拶
本日、住友商事本社にて行われました、
当社社長中村邦晴による年頭挨拶を下記の通りご報告いたします。
東京から全世界の住友商事グループの皆さんへ、新年の挨拶を申し上げます。
◎当社を取り巻く諸環境
2016 年を振り返ると、政治面では、年明けから、国連・米国・EUのイラン向け制裁解除で始まり、ミャンマー・ベトナム・フィリピンで新政権が発足、ブラジルで は政権の交代もありました。大方の事前予想に反する結果となったBrexitや米国大統領選挙は、記憶にも鮮明に残っています。

一方、 経済においては先進国、新興国ともに安定感が増してきています。資源・エネルギー価格も回復の兆しが見られ、昨年末にはOPECが減産を合意しました。産 油国が低迷する原油価格に耐えられなくなり、再び協調路線を歩むことになりましたが、これにより原油価格の大幅な下落リスクが軽減されたという見方に繋 がっています。
これらの世界情勢の動きを踏まえて、住友商事グローバルリサーチでは、今年の経済見通しを「“政主経従”リセットされる世界秩序」と表しています。
これまで安定感を増してきた経済環境が、今年も継続するとの比較的明るい見方もあります。一方で、トランプ新政権やBrexitの動きについては、今年にかけて実態面での影響と効果が徐々に顕在化してくると思われます。
また、フランス、イランでは大統領選挙、オランダ、ドイツにおいては総選挙なども控えており、これらの政治イベントが経済にどのような影響を及ぼすのか、先行きを注視していく必要があります。
ビジネスにおいては、IoT、AI、自動運転など技術の更なる発展に加えて、クルマをはじめとする「所有から使用へ」のシフトといった人々の行動様式の変化により、新たな事業機会が生まれています。
さまざまな変化が想定されるからこそ、新たな収益基盤を構築していくチャンスだと考えています。当社グループのすべての組織が互いに連携しながら、変化を先取りし、新たな事業を創出する取り組みを加速していきたいと思います。

◎2017年への決意
さて、今年は、3ヵ年の中期経営計画BBBO2017の最終年度を迎えます。これまで計画、検討してきたことを、集大成として仕上げ、次につなげていくステージです。
今年一年、当社グループ全員が一丸となって、更に前進していけるよう、2つのキーワードを掲げることとしました。
◎「即実行」、「半分2倍」
一つ目は「即実行」です。
当社グループの戦略や計画には、将来の収益拡大が期待できるアイデアが多くあり、すでに成果が出つつあるものもあります。今年は、これまで立てた戦略、計画に自信をもって即、実行に移していく年です。
即実行、それによる新たな発見、そしてまた即実行というプロセスを繰り返し、成功を勝ちとっていくことこそ、商社パーソンの醍醐味だと思います。当社グループは、評論家ではなく、厳しい状況でも前を向いて即実行していく人材を求めます。
二つ目は「半分2倍」です。
これを合言葉に、働き方改革にも取り組みます。
変化を追求し、新たな価値創造に取り組むことで、成果を倍にしていくこと、そのために、減らせるものは思い切って半分にすることを目指します。
時代の新たなニーズに合った価値を、取引先はじめステークホルダーに提供し、安定的、継続的に収益基盤の拡大も図らねばなりません。そのためには、時代のニーズに合わないモノは捨てる必要があります。
◎自分事
「即実行」、「半分2倍」、これらを当社グループの一人ひとりが「自分事」として取り組んでいかねばなりません。
当社グループが生み出す価値は、一人ひとりが、困難を正面から受け止め、試行錯誤しながら、汗をかいて乗り越えた結果の積み重ねです。一人ひとりが自ら情報を取りに行き、自分の事として見て、考え、そして行動することが大切です。
◎次の50年、100年に向けて、今、前進すること
住友および住友商事グループが今まで発展することができたのは、常に「信用・確実」を旨とし、「浮利を追わず」、「公利公益」を思いながら、「進取の精神」をもって事業に邁進してきたからに他なりません。
基本となる考え方を変えることなく、我々一人ひとりが、次の世代につながる成果を残せるよう、前進していきたいと思います。
当社は、2019年に創立100周年を迎えます。それはゴールではなく、向こう50年、100年の将来に向けたスタート地点です。
これまでやってきたことを信じて、何事も「自分事」として考え、「即実行」、「半分2倍」を合言葉に、この一年頑張っていきましょう。
最後になりましたが、本年が、皆さんと皆さんのご家族にとって、充実した幸せな一年となることを祈念して、年頭の挨拶とさせていただきます。
※これは、2017年1月4日に、住友商事グループ役職員向けに行われた年頭挨拶です。
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- 住友商事株式会社 広報部 コミュニケーションチーム
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