2020年11月05日

世界初の技術を持つFlowVIEWとの協業を開始

住友商事は、台湾のスタートアップ企業であるFlowVIEW Tek(フロービュー)に出資し、協業を開始しました。フロービューは、肉眼では見ることができない10ナノメートル以下の粒子を液体中で分析する世界初の技術(以下、液中固体分析の技術)を開発しており、住友商事が手掛ける幅広い産業に応用ができます。

フロービューは、2017年に台湾政府傘下の工業技術研究院(※)から独立したスタートアップ企業です。従来、液体に含まれるウイルスやナノレベルの粒子を観察・分析する際は、対象となる物質を抽出し、ドライ加工した上で電子顕微鏡を使用する必要がありました。フロービューの技術によって、液体中のナノ物質をウェット状態のまま観察することが可能となることで、対象物質の状態を変化させずに解析でき、開発のスピードアップや手間の削減にもつながります。

住友商事は、事業会社のスミトロニクス台湾を通じ、電子材料トレードを手掛けています。フロービューが保有する液中固体分析の技術は半導体分野で活用が見込まれることから、エレクトロニクス分野におけるパートナーとの新たなビジネス展開やネットワーク構築が期待できます。また、資源エネルギーや医療・バイオ・ヘルスケア・化粧品分野、飲食料品分野での応用も想定されます。例えば食品の分析は日常的な品質管理や、異物混入時の原因解明など、スピードが求められます。フロービューの技術を活用すれば、前処理なく電子顕微鏡で食品の観察・分析が可能となります。

フロービューの検査キットは既存の電子顕微鏡で使用できる

住友商事は、日本や台湾をはじめ、グローバルでフロービュー製品の販売サポートを手がけます。住友商事グループの総合力を生かし、さまざまな産業で課題解決に貢献していきます。

※工業技術研究院:
1973 年に設立された台湾の世界的な研究開発機構。6,000 名を超える研究者を抱える。

フロービュー社員と住友商事関係者の集合写真。一番右がフロービューのカイル・リーCEO


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