2023年01月06日

当社船舶事業の進化と大島造船所とのさらなる連携~持続可能な海事産業への貢献~

住友商事の船舶事業ととりまく環境

住友商事は1960年代の舶用機材ビジネスへの参入を皮切りに、日本の造船所が建造する新造船の売買、中古船や船舶融資のアレンジを行うトレード事業、船舶を保有し運航収益を上げる保有船事業など、幅広いバリューチェーンの中でビジネスを行ってきました。また、1970年代から、大島造船所との連携を通じて、造船事業にも参画しています。

脱炭素化社会の実現に向けた動きに合わせて、海運業界も国際海事機関(IMO)が、2008年比で国際海運に従事する船舶の平均燃費を2030年までに40パーセント改善すること、温室効果ガス総排出量を2050年には半減することを目標と掲げるなど、業界に大きな変化が生まれ始めています。

住友商事グループは、大島造船所を含めたグループの総合力を生かし、船舶事業のさらなる強化を通じて、海事産業の脱炭素化に貢献すべく、さまざまな案件に取り組んでいます。

アンモニア燃料船の基本設計承認

住友商事は、2021年12月に大島造船所とともにアンモニア燃料船の共同開発について発表していますが、2022年12月5日に、国際的な船級協会であるDNVより、アンモニア燃料船の基本設計承認を受けました。この承認は、アンモニアを燃料として使用する際の危険性に関するリスクアセスメント(HAZID; Hazard Identification Study)を実施し、住友商事と大島造船所の開発するアンモニア燃料船の設計が、技術的な要件や安全性基準を満たしたことが確認されたことを示し、新型船開発における重要なマイルストーン達成したことを意味します。当日の式典で、DNV日本支社長のStian Erik Sollied氏は、「海事産業の脱炭素化に向けて前向きに取り組んでいるパートナーと共に、この革新的なプロジェクトに参加できることを大変嬉しく思います。DNVは、実現可能な船舶用燃料の研究開発の先駆者であり、今後も住友商事および大島造船所と協力し、安全かつ持続可能な方法で新しい低炭素船の設計を実現するために支援していきます。」(*住友商事訳)と述べ、海事産業の脱炭素化に向けた、住友商事および大島造船所の関係者との更なる協力を確認しました。

今後、住友商事と大島造船所は、アンモニア燃料船の開発およびマーケティング活動を加速させるとともに、社内外の連携を通じてアンモニア燃料の供給などの航行環境の整備も合わせて進め、サプライチェーン全体での二酸化炭素削減を目指します。

授与式の写真:左から、住友商事船舶事業部長豊田、大島造船所社長の平賀氏、DNV日本支社長のStian Erik Sollied氏

住友商事の船舶事業がめざす今後の姿

住友商事の船舶事業は、「世界の豊さの根幹を支える海運造船産業において、気候変動緩和と地域経済の発展に貢献する」ことを目指しています。

その一翼を担う大島造船所は、地球の自然環境を大切にし、それとの調和を重視する企業として、アンモニア燃料船に関する基本設計承認取得を皮切りに、新燃料や新技術の研究・開発に今後も取り組み、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

住友商事は、脱炭素化という社会課題に対し、長年のパートナシップにある大島造船所や、DNVを始めとする造船・海運業界内のパートナーとの連携を通して、本件アンモニア燃料船の開発を進めると共に、アンモニアの製造、輸送/貯蔵、バンカリング事業などの検討・開発を進める社内関連部署と連携することで、アンモニアバリューチェーン全体の開発を促進し、海事産業の脱炭素化に貢献していきます。



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