2023年10月02日

金属3Dプリンティング装置製造の米国MELD社と日本向け独占販売代理店契約を締結

住友商事は、金属系材料を用いた3Dプリンティング(積層造形)装置製造企業である米国MELD Manufacturing(メルド マニュファクチャリング、以下「MELD社」)と日本向け独占販売代理店契約を締結しました。両社は今後、共同で日本におけるマーケティングおよびMELD社装置の販売を進めていきます。

3Dプリンティングは、複雑な形状の造形が可能であることなどを背景に多様な産業向けに実用化が進んでおり、特に機械部品の製造においては、部品の軽量化や開発期間の短縮を実現するものとして期待されています。部品の設計データを元に3Dプリンティング装置から直接製造するため、消費地に近い拠点でのオンデマンド生産が可能であることから、製品供給体制の強化への貢献が見込まれます。また、環境への配慮が求められる航空宇宙業界などで、製造過程での材料の廃棄量の少なさから注目されている技術です。

MELD社は、Additive Friction Stir Deposition(摩擦攪拌接合方式、以下「AFSD」)による金属3Dプリンティング技術の特許を保有し、AFSDによる金属3Dプリンティング装置を開発・製造・販売しており、特に航空宇宙業界向けに強みを持つ会社です。金属系材料を溶融して積層造形する従来の金属3Dプリンティング製法は、造形過程で材料の組成が変化してしまうため、品質を維持したまま大型部品を製造することに課題があります。MELD社のAFSDは、材料を融解することなく積層造形するため、鍛造品と同強度の大型部品を製造でき、また造形速度を向上したことで航空宇宙業界を中心とした製造業におけるCO2排出削減、納期短縮化に資するものです。

MELD社の金属3Dプリンティング装置

Meld社の会社概要

住友商事グループは、航空宇宙業界における新技術の発掘や関連スタートアップとの協業を進めています。2018年に金属3Dプリンティング技術を持つ米国SINTAVIA社に出資し、日本向けの代理店として試作品の開発やグループ内事業会社とのシナジー創出に取り組んできました。さらに2019年には金属3Dプリンティング用粉末製造企業である米国Elementum 3D社へ出資し、2020年にはSINTAVIA社への追加出資も行っています。
住友商事グループは、MELD社と取り組む本件を通じて、航空宇宙業界を中心とした製造業におけるCO2排出削減や、サプライチェーン上の課題である鍛造品や鋳造品の長納期化の解決に貢献していきます。

会社名 MELD Manufacturing(メルド マニュファクチャリング)
所在地 米国ヴァージニア州
設立年 2018年
事業内容 金属系材料3Dプリンティング装置の開発・製造・販売および試作品の造形


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