2024年06月19日
住友商事株式会社

マレーシアのマネージドケア事業者CompuMed社を完全子会社化~患者へ適正な価格で良質な医療を提供し、医療費抑制に貢献~

住友商事株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員 CEO:上野真吾、以下「住友商事」)は、グループ会社SC Healthcare Holdings(以下「SCH」)を通じて、マレーシアでマネージドケア事業を展開するCompuMed Services Sdn. Bhd.(コンピュメッド、以下「CompuMed社」)を買収し、完全子会社化しました。

マレーシアの医療の現状

近年、マレーシアでは、糖尿病などの慢性疾患の増加が社会問題になっており、高まる医療需要に対し、医療サービスの質の向上や供給が追いついておらず、適切な医療サービスを受けられない、診療を受けるまでに時間を要する、など課題が表面化しています。また、医療サービスの高度化により、医療費は年率10パーセント超、増大しています。
マレーシアには日本のような公的医療保険制度がなく、個人(患者)や民間医療保険会社、企業(以下「三者」)が医療費を負担するため、医療費増を背景に、三者の医療費抑制ニーズは年々高まっています。

マネージドケア事業の機能

マネージドケアは、適正な価格で良質な医療を提供することや、個人の健康管理向上を目指す仕組みです。マネージドケア事業者は、三者と医療機関をつなぐ存在として、医療費の審査や決済管理に加え、未病・予防サービスの提供などを通じ、医療費の適正化を目指します。例えばマレーシアでは、医療機関から送られる医療費請求内容を審査し、最適な治療・投薬が行われていることを確認したり、個人へ健康診断やワクチン接種を促進し病気の早期発見、予防を行うことで、医療費を抑制しています。

出資参画の狙い

CompuMed社は、マレーシアにおいてマネージドケア事業を展開しており、顧客である民間医療保険会社・企業のニーズをくみ取ったきめ細かなサービスを提供しています。
SCHは、CompuMed社が保有する優良な顧客基盤と高品質な顧客サービスを活用することで、マレーシアのマネージドケア市場において約4割のシェアを確保し、同国のナンバーワンマネージドケア事業者としての事業基盤をより強固なものとしていきます。

住友商事の東南アジアでのヘルスケア事業の取り組み

住友商事は、ヘルスケア事業において医療費の抑制を目指し、東南アジアでは、2019年にマレーシアでプライマリ・ケア(※)としてより多くの患者と接点をもつマネージドケア事業、2020年にクリニック事業(以下「両事業」)に参入しました。DXを活用したオンライン診療・調剤事業、クリニック事業と連携した健康管理プログラムなどの未病・予防サービスの提供に取り組んだ結果、現在両事業はマレーシアにおいてナンバーワンの事業規模を誇ります。

今後の成長戦略

2024年5月に発表した新中期経営計画においてもヘルスケア事業は引き続き成長事業として位置づけており、これらの取り組みを加速するとともに、プライマリ・ケアにとどまらず、眼科や整形外科、歯科などの専門的な医療を行う事業領域への展開も検討していきます。さらに、両事業で蓄積された医療データを活用したサービス展開も進めていきます。例えば、疾患リスクの高い会員の早期発見・重症化を防ぐ取り組みによって、入院や手術などの高額な治療を減らすことで、医療費抑制を実現します。
2030年までにマレーシアにおける取扱医療費を約300億円抑制することを目指すとともに、シンガポールやフィリピンなど東南アジアの他地域への事業展開も積極的に検討していきます。

  • プライマリ・ケア
    国民の健康管理やかかりつけ医の機能として、未病・予防からあらゆる健康上の問題、疾病に対し、総合的・継続的に対応する地域の保健医療機能。

【参考】

<CompuMed社概要>

会社名 CompuMed Services Sdn. Bhd.
設立年月 1998年
事業内容 マレーシアにおけるマネージドケア事業
従業員数 128名(2024年5月時点)


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