2025年07月10日
住友商事株式会社
米国のバイオ農薬・肥料販売会社DPH Biologicalsへ出資~世界最大のバイオ農業資材市場 米国で商品開発と販売を強化~
住友商事株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員 CEO:上野 真吾、以下「住友商事」)は、米国のバイオ農薬・肥料販売会社DPH Biologicals(以下「DPH」)へ出資しました。
本出資は2017年のスペイン・Futureco Bioscience S.A.、2024年のチリ・Bio Insumos Nativaに続くバイオ農薬関連事業への出資であり、当社が注力事業に位置付けるアグリ事業において、バイオ農薬・肥料分野における当社の事業基盤強化を狙ったものです。
世界的な人口増加に伴い、農作物の収量増加が不可欠とされている中で、農薬や肥料の使用は年々増加傾向にあります。そうした中、微生物や植物由来の抽出物を利用した、環境負荷の少ないバイオ農薬・バイオ肥料の需要が高まっています。特にバイオ農薬の全世界の市場規模は、2023年時点の80億米ドル(約1.2兆円)から29年には1.9倍の150億米ドル(2兆円超)への成長が見込まれており、農薬全体の市場規模750億米ドル(約11兆円)の約20パーセントを占めると予測されています。米国では、農業生産における環境負荷低減への社会的要請に加え、消費者の健康志向と食の安全性への関心の高まりを背景に、バイオ農薬・バイオ肥料の需要が急速に拡大しており、同国は世界最大のバイオ農業資材市場を形成しています。

今回の出資参画の狙い、今後の展開
DPHは、商品開発力と販売力に強みを有するバイオ農薬・肥料販売会社です。果樹・野菜に加え、トウモロコシや大豆といった米国の主要作物向けに土壌の健康改善や作物の収量向上に貢献する高品質なバイオ農薬・肥料を販売しています。外部の戦略的パートナーとの連携を通じて、地域・作物特性などを踏まえた市場ニーズに即した商品を開発し、販売しています。
住友商事は、DPHの商品開発力・販売力を生かし、当社グループの製品を含む高付加価値製品の販売を通じた米国におけるアグリ事業の基盤強化と、当社のネットワークとの連携を通じたグローバルでの販売強化を図ります。
住友商事グループの農薬・肥料分野における取り組み
住友商事グループは、50年以上にわたり、農薬・肥料関連ビジネスを手掛けており、現在では世界約40カ国で農薬・肥料など農業資材の販売・ディストリビューション事業を展開し、世界中の生産者とともに農業生産に貢献してきました。バイオ農業資材分野では、これまでも欧州・中南米を中心に出資や販売権取得を通じて事業を拡大しています。今回の出資により獲得したDPHの事業基盤と、当社グループのグローバルネットワーク、およびこれまで出資を行ってきたバイオ農業資材の研究・開発・製造領域の当社グループ事業との連携により、バイオ農業資材のバリューチェーンをより強固なものとし、同資材の普及を推進することで、持続可能な農業生産の実現に取り組んでいきます。
DPH Biologicals概要
会社名 | : | DPH Biologicals, LLC |
本社所在地 | : | 米国 イリノイ州 |
事業概要 | : | バイオ農薬・肥料販売会社 |
会社設立 | : | 2018年 |
従業員数 | : | 32人 |
ウェブサイト | : | DPH Biologicals |
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