住友商事では、社員の海外におけるビジネスや生活経験を生かし、日本社会で孤立しがちな外国ルーツの子どもたちの教育課題に取り組んでいます。
外国ルーツの子どもとのオンライン学習
1980年代後半から、政府方針や経済のグローバル化などにより、日本に住み、働く外国人はますます増えつつあります。これに伴い、日本の学校で学ぶ外国にルーツを持つ子どもや若者(父母の両方、またいずれかが外国出身者である子どもや若者)も急速に増加しています。一方、彼らは学習や進学、キャリア形成において困難を抱えやすく、その解決には、学校だけでなく、行政、NPO、民間企業などさまざまなセクターの連携が必要だと言われています。
住友商事は、2020年10月、公益財団法人日本国際交流センター(以下「JCIE」)と提携し、JCIEが運営する大型助成事業「外国ルーツ青少年未来創造事業」の助成先団体に対し、プロボノや学習支援によるサポートを開始しました。具体的には、多文化共生社会の実現に取り組むそれらの団体に対し、広報活動や業務改善などの運営基盤の強化を支援したり、団体が運営する日本語や教科の学習教室で、子どもたちへの学習支援活動に参加したりしています。
組織運営の強化支援には、社員3~5人でチームを組み、それぞれの業務経験を活かして取り組みます。各チーム1団体を担当し、団体の代表メンバーの皆さんと対話しながら、活動に対する理解を深めます。支援内容は、「資金調達の多角化提案」、「広報活動支援」、「組織の基盤づくり支援」とさまざまですが、各団体のビジョンやミッションを確認しながら、長期的な視点で必要なサポートに取り組みます。
富山県高岡市で活動する「アレッセ高岡」の組織運営支援に、駐在地のニュージーランドからオンラインで参加しました。高岡は私の出身地でもあり、地元で社会変革に取り組む志高いメンバーと、一緒に汗をかきながら活動することで、社会課題が自分ゴトになったことを強く感じます。また、業務経験が、プロボノ活動でも十分に活かせることが分かりました。
学習支援では、定期的に子どもたちの宿題やテスト前の勉強をサポートしています。「社会福祉法人さぽうとにじゅういち」が運営する学習支援教室では、2020年、コロナ禍で対面支援が困難になる中、オンラインによる学習支援をスタートさせました。日本語が話せる子どもでも、教科書の文章を理解して教科学習を進めることは困難です。学習支援は、日本語理解の手助けをしながら、彼らに寄り添い、学びをあきらめないよう応援し続ける活動です。
週に1,2回、学習支援に携わりました。子どもたちとのオンライン学習は、毎回想定外のことが起こるのでエネルギーを使いますが、逆にパワーももらいました。外国ルーツの子どもたちが抱える課題を、身近な人達にも伝えていきたいと思います。
2022年01月