JAPAN

外国ルーツの子どもたちが、安心して学べる社会を

住友商事では、社員の海外におけるビジネスや生活経験を生かし、日本社会で孤立しがちな外国ルーツの子どもたちの教育課題に取り組んでいます。

共に未来を描ける社会を目指す

外国ルーツの子どもとのオンライン学習

1980年代後半から、政府方針や経済のグローバル化などにより、日本に住み、働く外国人はますます増えつつあります。これに伴い、日本の学校で学ぶ外国にルーツを持つ子どもや若者(父母の両方、またいずれかが外国出身者である子どもや若者)も急速に増加しています。一方、彼らは学習や進学、キャリア形成において困難を抱えやすく、その解決には、学校だけでなく、行政、NPO、民間企業などさまざまなセクターの連携が必要だと言われています。

住友商事は、2020年10月~2023年3月まで、公益財団法人日本国際交流センター(以下「JCIE」)と提携し、JCIEが運営する大型助成事業「外国ルーツ青少年未来創造事業」の助成先団体に対し、プロボノや学習支援によるサポートに取り組みました。具体的には、多文化共生社会の実現に取り組むそれらの団体に対し、広報活動や業務改善などの運営基盤の強化を支援したり、団体が運営する日本語や教科の学習教室で、子どもたちへの学習支援活動に参加しました。

課題に立ち向かうNPOをサポート

組織運営の強化支援には、社員3~5人でチームを組み、それぞれの業務経験を活かして取り組みました。各チーム1団体を担当し、団体の代表メンバーの皆さんと対話しながら、活動に対する理解を深めていきました。支援内容は、「資金調達の多角化提案」、「広報活動支援」、「組織の基盤づくり支援」とさまざまですが、各団体のビジョンやミッションを確認しながら、長期的な視点で必要なサポートを行いました。

外国ルーツの子どもがもつ課題に寄り添う

現在、社員はオンラインや対面で、日本語学習や、子どもたちの宿題やテスト前勉強のサポートを続けています。日本語が話せる子どもでも、教科書の文章を理解して教科学習を進めることは困難です。学習支援は、日本語理解の手助けをしながら、彼らに寄り添い、学びをあきらめないよう応援し続ける活動です。
また、高校入試に臨む生徒の面接の練習相手を務めたり、当社社員の子どもたちとスポーツで交流する楽しい機会の提供などにも取り組んでいます。

活動に関わった社員から

富山県で活動している「アレッセ高岡」のオンライン学習支援に2021年から参加しています。私自身が十代の頃に海外で苦労した経験から、日本で同様の苦労をしている子どもたちの役に立ちたいと思ったのが、参加のきっかけでした。週1回2時間と短い時間ではありますが、子どもたちが出来ることを増やして自信をつける手伝いをしたい、未来の可能性を広げたい、また、単純に彼らの話を聞く大人がいる場所を提供したいと考えて、アレッセ高岡や他の100SEEDメンバーと活動を続けています。子どもたちの成長を実感する瞬間が何よりの喜びです。

住友商事グローバルリサーチ 真鍋 舞
住友商事グローバルメタルズ 亀山 俊亮

来日して間もない生徒も、高校に入るには受験を突破せねばなりません。私は入試直前に、日本語での面接の練習相手を務めました。短い期間で、しっかりと応答ができる力を付けていて、相当努力したのであろうと感銘を受けました。支援の知識もなく不安でしたが、NPOの方から「彼らには、様々な日本語に接する機会が必要なんです」と言われ、色々な形で貢献する機会はあるのだなと気づきました。

これまでに支援した団体

2024年3月