エネルギー貧困に喘ぐ
子どもたちに『光』を
SINGAPORE
アジア大洋州住友商事(SCAO)は、
エネルギー貧困地域に住む子どもたちが夜間でも勉強できるよう、
ソーラーライトを組み立て、届ける活動に取り組みました。
この100SEEDの活動はSCAOのボランティアプログラム
「Project Hope」の一環として実施されたものです。

世界で5人に1人が直面する
「エネルギー貧困」に立ち向かう
今、世界的に深刻な社会問題となっている「エネルギー貧困」。電気などの生活に必要なエネルギーを十分に享受できない「エネルギー貧困層」の人口は世界で5人に1人とも言われています。特にインフラが未整備で電力料金が高い発展途上国に集中しており、低所得世帯の多くは安定した電力へのアクセスが確保できていません。こうした状況は健康はもちろんのこと、子どもたちの教育にも悪影響を与えています。十分な照明がない中、子どもたちは夜に勉強することもままならず、識字率の低下に拍車をかけています。
こうした問題に立ち向かい、子どもたちの未来を照らす「光」を100SEEDで届けたい。そう考えた私たちは、エネルギー貧困層の子どもたちにソーラーライトを提供する活動を行なっているオーストラリアの環境団体、SolarBuddyに働きかけました。SolarBuddyが提供するプログラムでは、全世界の支援者にソーラーライトのキットを配布し、彼らが組み立てた完成品を、ライトを必要とする地域に届けています。

組み立て前のSolarBuddyのソーラーキット
地元の生徒たちの視野を広げる
SolarBuddyのプログラムへの参加を決めた後、この機会をさらに実りあるものにすべく、特別支援者協会(APSN)にも協力を仰ぎました。APSNは軽度の知的障害のある生徒に特別支援教育、職業訓練、就労支援サービスを提供する社会福祉法人で、ここ数年、ともに活動している団体です。APSNが支援する生徒たちにSolarBuddyプログラムに参加してもらうことで、自身がどのように社会に貢献できるかを体感してもらえるのでは、と考えました。


生徒と一緒にキットを組み立てる
プログラム当日は、10~16歳のAPSNの生徒をSCAOシンガポール本社のオフィスに招待し、多目的室に案内。はじめにSolarBuddyの創設者からオンライン中継で歓迎と感謝の言葉をいただいた後、ソーラーライトのキットの組み立て方の説明動画を視聴しました。その後、当社の社員36名が生徒たちとペアを組み、キットの制作をスタート。初めは苦戦していた生徒たちですが、徐々にコツを掴み、手際良く作業できるように。やる気にも火がつき、誰が一番多く組み立てられるかを競い合う場面も見られました。また、完成品に添えるメッセージカードには、思い思いに心の込もったメッセージを綴ってくれました。
キットの組み立てが終わった後は、ティーブレイクの時間を作り、社員と生徒の交流の機会を設けました。その後は、社員がオフィスを案内し、会社の仕組みについて説明。参加者全員にとって、とても充実した時間になったようです。

オフィスに展示された船の模型に興味津々のAPSNの生徒たち

ティーブレイクで交流を深める
プログラムで得た貴重な学び
プログラムは比較的シンプルな内容だったものの、目に見える形、見えない形の両面で成果を上げることができたと思います。目に見える形での成果は、もちろん、カンボジアのエネルギー貧困層の子どもたちにソーラーライトを届けられたこと。目に見えない形での成果は、プログラムを通じて得た学びや気づきです。これまで援助を受ける側だった生徒たちは、キットの制作を通じ、「自分も困っている人の助けになることができる」という学びを得ることができました。この貴重な学びが将来成長し、社会人になってからも、彼らの心の中に生き続けてくれることを切に願います。
今後も現地のパートナーと連携しながら、世界中の人々の生活を向上させるための活動を広げていきます。
活動に関わった社員から
今回のプログラムでは、世界の恵まれない地域が直面している「エネルギー貧困」への課題意識を向上させると同時に、子どもたちの未来に希望を届ける支援を行うことができました。
また、APSNの支援する生徒たちと交流し、自身も困っている人を「助ける側」になれることを学んでもらえたことは印象深いです。キットを組み立て終えた後の達成感に満ちた生徒たちの表情からは、社会に貢献したいという強い意志がうかがえました。
今回のプログラムは、住友商事のコーポレート・メッセージ「Enriching lives and the world」をまさに体現した内容と言えるでしょう。
「Project Hope」は多方面にポジティブな影響をもたらすシンプルで強力なプロジェクトです。今後も活動を継続し、社会とコミュニティに明るい未来を創出するお手伝いをしていきます。