グローバル事例

住友商事ならではの川上から川下までの
医薬トータルサポートと製薬事業

グローバル

住友商事は、グループ企業の住商ファーマインターナショナルと共に医薬ビジネスを推進しています。その領域は、医薬品の研究開発支援、原料供給、製薬事業にまで及びます。人々のQuality of Life(生活の質)の改善に貢献し、「生活水準の向上」を実現する事業をご紹介します。


国内外の製薬企業にとってのワンストップショップ

20世紀から21世紀にかけて医薬品はめざましい発達を遂げ、「医薬品の世紀」と言われるほどになっています。新薬開発や原料供給などは国境を越えた体制で行われるようになり、企業活動もグローバルに行われています。

住友商事では、事業会社の住商ファーマインターナショナル(以下、住商ファーマ)と共に、医薬ビジネスを展開しています。長年にわたる実績と総合商社ならではのグローバル体制を生かし、新薬からジェネリックまでの研究開発支援・医薬品原料の供給と、川上から川下に至るまで医薬品業界のプレーヤーを総合的にサポート。また、製薬事業そのものにも参画し、人々のQuality of Life(生活の質)改善に大きく貢献しています。

医薬品開発に必要な探索研究から臨床試験という段階では、バイオベンチャーへの投融資や研究提携・ライセンスの仲介などを推進。開発の後期から市販の段階では、日本をはじめ欧州、中国、インド、韓国などから最適なサプライヤーを選んで、医薬品原料から製剤までを、新薬・ジェネリック製薬企業に供給しています。また、海外メーカーの日本における製造業者認定や原料登録の申請もサポート。さらには、規格に合致した高品質な製品を供給するために、独自に品質の分析を行う「原薬分析センター」(川崎市)も設立しています。

川崎にある原薬分析センター内部の様子

創薬に貢献する

生命科学研究分野の発展はめざましく、研究機器や研究資源、創薬技術の役割は非常に大きなものになっています。住商ファーマは、研究機器の提供・サポートや、創薬支援ビジネスを手掛けています。

研究機器の分野においては、病気の進行や治癒の過程を体外から非侵襲(生体を傷つけず)でモニタリングする、in vivo(生体)イメージング装置を提供し、ライフサイエンスの基礎研究や創薬研究の進展に寄与しています。横浜にある住商ファーマのサポートセンターでは、機器のデモンストレーションや品質チェック、修理、メンテナンス、機器を用いたアプリケーション相談など、お客さまへのトータルサポートを行っています。2020年からは次世代ゲノム解析シーケンサー市場にも参入、培われた研究機器展開のネットワークを利用し、新しい切り口からの基礎研究・創薬事業への貢献も果たしています。

創薬支援ビジネスにおいては、新薬のライセンス仲介や研究提携サポート、核酸・抗体等のバイオ医薬品の受託製造、国内での研究用細胞株や遺伝子株など生物資源の提供サービスなど、現場のニーズに沿った事業を展開しています。近年注目のゲノム編集技術CRISPR/CAS9の基本特許の対日総代理店として、技術ライセンスの仲介も行っています。生物資源提供サービスは、遺伝子ベクターや遺伝子変異細胞株、iPS細胞関連資材などラインアップを充実させ、開始から30年以上がたちました。加えて、手術で切除した検体などを良好な状態で保管し、術前術後の病歴や治療歴などの情報と共に、高品質なヒト組織試料として研究者に提供しています。新たな取り組みとして、脂肪由来・歯髄由来の間葉系幹細胞の研究用途向けの分譲を開始しました。

また国内外のバイオテックや研究機関と連携し、ヒト組織試料、バイオマーカー探索やAI技術を組み合わせ、複合的サービスを提供し、医薬品産業における研究・開発を総合的にサポートしています。住友商事グループとしてトータルに研究・開発の支援ができる強みを生かして、バイオ・医薬品産業を支えていくことを目指しています。

In vivo イメージングフォーラム 2022

日本のジェネリック医薬品の普及をサポートする

ジェネリック医薬品という言葉は、すっかりおなじみになりました。ドクターから処方の際に「ジェネリックでいいですか」と尋ねられたことのある人も多いでしょう。新薬の特許が切れると、同じ成分、同じ効能の医薬品が後発品として登場。これがジェネリック医薬品です。新薬のような開発コストがかかっていないので、安く提供できることが強みです。

住商ファーマは、ジェネリック医薬品メーカー向けに、有効成分である原薬を供給しています。住友商事グループのグローバルネットワークを生かし、世界中から価格競争力がありかつ高品質の原薬サプライヤーを選定し、最新鋭の分析機器を装備した自社の原薬分析センターで原薬の規格設定や品質試験を実施しています。政府のジェネリック医薬品使用促進策によりジェネリック医薬品の数量シェアが政府目標の80%にほぼ到達した一方で、度重なるジェネリック医薬品メーカーの不祥事により医薬品の供給不安が社会問題となっている中、しっかりと品質管理された競争力のある原薬を安定的に供給することで、ジェネリック医薬品のコストダウンと安定供給をサポートしているのです。

住友商事グループは、ジェネリック医薬品の普及をサポートすることで、患者の経済的負担軽減、さらには日本全体での医療費抑制にも貢献しています。

新興国での医薬品普及にも注力

“医薬新興国”と呼ばれる地域の中南米、中東、ASEANなどは、経済発展や生活改善に伴って医薬品市場を大きく拡大しており、その成長率は世界の医薬品市場の平均伸び率を超え、世界市場の4分の1を超えると予想されています。住友商事では、これらの医薬新興国の現地製薬企業との関係強化を図り、バイオ医薬品等の導入や各政府が力を入れる現地製造の支援等を進め、人々の健康とより豊かな生活への貢献に、一層力を入れていく考えです。


2023年05月掲載

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