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グローバル事例

心躍る豊かな暮らしづくりの一助に。
岐阜で展開する通販物流事業と住宅部材製造事業

広報パーソン探訪記

報道チーム渡邉 ひかり

2017年入社。現在、広報部報道チームでインフラ事業部門、人材・法務・総務を担当。高校・大学と体育会ラクロス部で太陽に焼かれる日々を送るが、社会人になり心機一転、ホットヨガを始める。人生で初めての動きに悪戦苦闘中だが、「人生楽しんだもん勝ち!」をモットーに前向きに継続している。

ふと窓の外を見ると穏やかな気持ちになった。電車に揺られていた時間はあまり長くないが、名古屋駅から名鉄名古屋本線に乗車し、犬山駅で名鉄広見線に乗り継ぐ時、周囲を見ると景色は一変していた。訪れた場所は岐阜県。田んぼや森林といった緑が広がっていた。

住友商事グループで、通販物流事業を行うベルメゾンロジスコと、集成材※1)のリーディングカンパニーであるセブン工業は、岐阜県を拠点にビジネスを展開する。ベルメゾンロジスコは、可児市と美濃加茂市の2カ所に物流センターを構えており、約1,200人が働いている。セブン工業は本社のある美濃加茂市を中心に、集成材などの木質材料を利用した住宅部材の製造販売および付帯事業を行っている。5月上旬、ベルメゾンロジスコとセブン工業を訪問した。

※1 集成材:製材した板を人工乾燥させ、接着剤で貼り合わせた建築資材のこと

ベルメゾンロジスコの作業進捗を「見える化」

西可児駅から車で約10分、周囲に高い建物がない中、突如姿を現したのは、ベルメゾンロジスコの基幹センターである可児ディストリビューションセンターだ。想像以上にスケールが大きい物流センターは、自動倉庫棟含む地上5階建て、約8万3,000平方メートルの規模を誇る。センター内を案内してもらうと、まず目に飛び込んできたのはテンポよく動く機械。今となっては物流倉庫の自動化は珍しくないが、可児ディストリビューションセンターでは20年以上前から物流センターが自動化されているという。

各フロアを回ると、至る所にモニターがあることに気付く。住友商事入社から約20年間、物流業務に携わってきたベルメゾンロジスコ社長の犬山直輝は「全社のスループット(※2)を増やすための施策だ」と微笑む。聞くと、作業生産性やサービスレベル達成度、保管キャパ状況などを日次で課別に管理されているという。従業員はモニターをチェックし、作業の進捗状況を気に掛けながら働いている様子が伺える。以前よりコスト管理のメッシュを細かくし、1時間当たりの生産性を可視化、結果を社内で共有することで、生産性への感度を高めている。

※2 スループット:工場や機械などが一定時間に処理できる作業量のこと

可児ディストリビューションセンター外観
20年以上前に導入した自動機械
センター内に設置されている進捗管理モニター

センター内に散りばめられたさまざまな工夫

続いて、ウェブ通販商品を中心に扱う美濃加茂ディストリビューションセンターを訪れた。2015年末に新設した地上3階建て、約4万6,000平方メートルの施設規模だ。きれいな物流センターの内部には、多種多様な商品が壁一面の商品棚に保管されている。ここ美濃加茂ではウェブ通販商品を扱うため、商材の変化が激しい。取扱商品の増加に伴い、以前の約2倍に商品棚を細かく区分したそうだ。

また、特徴的と言えるのが、「ささげ」機能を物流センター内で持つことだ。「ささげ」とは、撮影(さつえい)・採寸(さいすん)・原稿(げんこう)の頭文字を取った言葉で、ECサイトに掲載する商品の写真撮影から、採寸、商品PRの原稿作成などの一連の流れを指す。ベルメゾンロジスコでは、2017年から「ささげ」業務を行い、ECサイトに商品を掲載するまでの時間短縮やコスト削減に貢献している。

他にも可児と美濃加茂の両センター間で連携を取り、両センターへの注文商品を同梱して発送している。同梱作業は美濃加茂で行っており、可児から運ばれてきた商品を美濃加茂に付設された搬送装置(マルチシャトル)で荷揃えし、カタログやチラシと合わせて発送している。可児でピッキングした商品は緑色のボックス、美濃加茂でピッキングした商品は青色のボックスなどと一目見て分かりやすいよう色別され、同梱作業の効率化が図られていた。さまざまな工夫を凝らすことにより、効率性の高いサービス提供を目指す。ベルメゾンロジスコの挑戦は今この瞬間も続いている。

商品棚を細かく区分したほか、棚のサイドにはラックが取り付けられており、より多くの商品が保管できるよう工夫が凝らされている
ささげ業務の一つ「採寸」中の様子

セブン工業が扱う集成材とは?

先に紹介したベルメゾンロジスコ美濃加茂より車で10分。細い道を通り抜け、山々に囲まれた場所に住友商事が出資する集成材のリーディングカンパニーであるセブン工業本社がある。集成材とは、木の持つ風合いや優れた特徴はそのままに、木の弱点である狂いや割れ、強度不足などをカバーし、科学の力で天然木の品質を均一化した建築材料であり、日本ではセブン工業がいち早く取り入れて普及させたものである。単位重量あたりの強度を比較すると、スギの場合、引っ張り強度は鉄の約4倍、圧縮強度はコンクリートの約5倍の強さで、集成材だとさらに強度が増す。自由な形に加工でき、木材の特徴である調湿性と断熱性に優れるという強みを持つ。セブン工業では、この集成材を利用して、階段、カウンターや和室造作材などを製造する内装建材事業と木材物件の構造躯体を加工・施工する木構造建材事業を行っている。月ごとの主要アイテムの加工量は、階段が約8,000セット、カウンターは約25,000枚、住宅用構造躯体(くたい)(柱・梁(はり)・桁・土台など)の加工は、約8,000坪(200棟)にものぼる。工場内は、さまざまな加工機械が並んでおり、機械化が進んでいた。

原材料を切断したり加工を施すプレカット現場

ショールームを訪問

社長の田中太郎に案内されてやってきたのは、本社から30分程離れたショールームである。入った瞬間から木の匂いが心地よいこの空間には、階段やテーブルなどの商品が複数展示されている。実際に階段を上り下りし、テーブルに触れると、繊細かつ頑丈に作られていることが分かった。

セブン工業では、大工不足という課題に対応するため、現場施工の省力化について日々研究している。工場での加工度を高め(プレカット加工)、現場での施工時間と手間を減らすというニーズに応えているのである。特に階段は、熟練の大工でなければ施工は難しい部位である。特許申請中の特殊な加工技術を用いて熟練大工でなくとも簡単に取り付けられるよう、プレカット加工には工夫が凝らされている。田中は「これは製販一体の組織連携の下、生まれた技術なんだ」と語る。顧客の声を収集する体制を整えることで独自のビジネスモデルを構築し、商機を見いだしている。

ショールームに展示されているサンプル空間
岐阜県産の木材を一部使用したデザイン階段
特殊加工技術を用いてプレカットされた階段

岐阜で奮闘する二人の商社パーソン

今回岐阜の地を訪れ、特に印象的だったのは、2人の社長の会社に対する情熱だ。ベルメゾンロジスコ社長の犬山は「従業員にとって、日本一働きやすい会社」「通販業界で圧倒的な実力と名声を誇る物流サービス会社」を目指していると強調しており、従業員のための食堂や休憩スペースなどの充実した施設、ささげ業務などの通販事業者向けサービスを行う現場から会社に対する熱い思いを感じた。セブン工業社長の田中は「全員がプロになるという心意気で取り組んでいる」と熱く語っており、現場で行われている緻密な作業や美しい完成品から言葉の意味を実感した。美濃加茂という地にて、従業員と共に奮闘している2人の商社パーソンは最高に格好が良かった。


2018年09月掲載

キーワード

  • インフラ事業
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  • 輸送機・運輸

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