資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応(2025年7月31日更新)
現状分析
- 株主資本コストについては、様々な算出方法がありますが、現状では、ROE12%以上を継続的に達成出来れば株主資本コストを上回り、付加価値を創出することになると考えております。
- この認識のもと、当社は、現行の「中期経営計画2026」(2024年度~2026年度)で掲げた事業ポートフォリオ変革の加速により、ROE12%以上を継続し、持続的な企業価値向上を目指して取り組んでおります。2024年度は、期初計画を上回り、連結純利益5,619億円、ROEは12.4%となりました。
- 2024年度期初からの当社株価は、2024年8月と2025年4月に発生した世界的な株式市場下落の影響を受け、一時的に急落する場面もありましたが、概ね横ばい圏内で推移しました。
- 当社PBRは、株価が急落した2024年8月以降1倍割れの状況が続いておりましたが、足元では回復基調にあります。

取組方針
当社は株価・PBRの更なる向上に向けて、以下取組を着実に実行し、安定的な利益成長を実績としてお示しすることで、市場からの更なる信頼獲得に努めて参ります。
- 「中期経営計画2026」では、「No.1事業群」をテーマに掲げ、競争優位を磨き、社会課題解決を通じた飛躍的な成長を実現すべく、「強みを核とした成長」及び「成長の原動力の強化」に重点的に取り組み、「事業ポートフォリオ変革」を加速させ、資本コストを上回るリターンを創出していきます。
- 具体的には、戦略事業単位(SBU: Strategic Business Unit)による組織体制のもと、事業別ROIC·WACC*を活用し、低採算資産の入替を含めた事業の再構築を進めるとともに、当社の強み、競争優位を発揮する成長事業へ経営資源を重点的に配分することで利益成長を牽引する収益の柱を構築し、さらなる収益基盤の拡大と収益の安定性向上を図ります。
- 2024年度以降の株主還元は、総還元性向を40%以上として、累進配当及び柔軟かつ機動的な自己株式取得を実施する方針としております。引き続き、財務健全性を維持しながら、株主還元と成長投資に対し、持続的な企業価値向上の観点から、経営資源を適切に配分してまいります。
- また、これらの取り組みについて、その実績や内容を十分にご理解頂けるよう、開示を充実し、市場参加者の皆様との建設的な対話に努めて参ります。
* ROIC:投下資本利益率、WACC:加重平均資本コスト