グローバル事例

ものづくりのスタートアップ企業を支援し、
「イノベーションのエコシステム」をつくる
──アクセラレータープログラム「HAX Tokyo」の取り組み

グローバル

ハードウェアスタートアップ企業の成長を支援する

スタートアップ企業(以下、スタートアップ)は、創業後の数年間、優れた技術やアイデアがあっても、ビジネスモデルの確立や資金調達に課題を抱えているケースが少なくありません。そのような企業を支援し、成長を加速(アクセラレーション)させる取り組みがアクセラレータープログラムです。

住友商事は、グループ会社でITサービスカンパニーのSCSKと共に、米国のベンチャーキャピタルSOSV Investments(以下、SOSV)と提携し、日本で同プログラム「HAX Tokyo(ハックス・トウキョウ)」を運営しています。

SOSVは、ハードウェアのスタートアップを支援するアクセラレータープログラム「HAX」を2012年から運営してきました。新しいハードウェアの開発は、デジタル技術を使ったソリューションを、ビジネスの現場に実装する上で極めて重要です。しかし、ハードウェアスタートアップは、製品のプロトタイピング、量産、流通といったプロセスが必要な分、ソフトウェアスタートアップと比べて成長軌道に乗るまでに多くの時間と資金が必要です。HAXは、そのような課題解決を支援し、ビジネスを早期に成功へ導くことを目的につくられたプログラムで、これまで世界中のおよそ250社を超えるスタートアップへ支援してきました。

HAX深圳(シンセン)オフィスの様子

DXの取り組みの一環として

HAXの拠点は4ヵ所あり、製品のプロトタイピングと量産に向けた準備などを行う2拠点(中国・深圳および米国・ニュージャージー)と、資金調達とマーケティングを行う2拠点(米国・サンフランシスコと当社グループの事業基盤を活用したビジネス開発を行う東京)にて分業されています。これまで日本のスタートアップがいきなりグローバルな支援の仕組みにアクセスする手立ては限定的でした。そこで、製品のコンセプトやビジネスモデルをブラッシュアップするプログラムの提供を通じて、その仕組みへのアクセスを容易にするのが、2019年にスタートした「HAX Tokyo」です。

住友商事がSCSKと共にHAX Tokyoに参画したのは、当社グループ全体の「デジタルトランスフォーメーション(DX)推進」のビジョンに基づいたものです。当社は、1998年、米国シリコンバレーにベンチャーキャピタルのプレシディオ・ベンチャーズを設立したことを皮切りに、スタートアップとの幅広い協業を強化してきました。また、2018年にはDX推進の専任組織であるDXセンターを設立し、イノベーションの創出に取り組んでいます。スタートアップとの共創によってグループのDXを進め、ビジネス領域を拡大し、テクノロジーを社会に実装し、産業の活性化を実現する。HAX Tokyoの立ち上げは、そのビジョン実現に向けた取り組みの一つです。

HAX Tokyoのコンセプト

HAX Tokyoにおける当社の役割は、総合商社としての営業網やパートナー企業とのネットワークなどを活用して、スタートアップのビジネス課題やニーズを明らかにし、製品が市場に受け入れられるために必要とされるプロセス(ビジネスモデルや製品仕様の策定など)を参加者と共有していくことです。スタートアップの「思い、アイデア、技術」と「社会」との接点を探り、製品が世の中に受け入れられる道筋をつくっていくこと。そして、成功の確度を高めていくこと。そのような取り組みを、住友商事はSOSV、SCSKと共に進めています。

多種多様なスタートアップが参加

HAX Tokyoのプログラムは、大きく6つの柱で構成されています。
スタートアップ経営の専門知識を学ぶ講座カリキュラム、専門家によるメンタリング、起業家コミュニティへの参加、深圳/ニュージャージー/サンフランシスコの仕組みの活用、当社グループの事業基盤を生かしたビジネス開発支援、そして潜在顧客および投資家等の前でプログラムの成果を発表するデモデイです。経営を学ぶ講座カリキュラムやメンタリングでは、企業経営に必要な基礎知識に加えて、ハードウェアビジネスに必要とされる知識、プロトタイピングや資金調達の方法などを、ワークショップやシミュレーションなどを通じて学びます。起業家コミュニティへの参加の具体例としては、SOSVがこれまで出資してきたスタートアップとの壁打ちやディスカッションが行われます。

2019年11月から20年2月に行われた第1期プログラムを皮切りに、現在第4期まで実施。2022年度からは通年採用に移行し、従来の3カ月のプログラムから、スタートアップの状況に応じてプログラム開始と終了のタイミングが柔軟に調整できるプログラムになりました。これまで、自動搬送ロボットサービスを開発するLexxPluss(レックスプラス)、新たなマイクロモビリティを開発するStriemo(ストリーモ)など、さまざまな技術を持つスタートアップが、プログラムに参加しました。

参加したスタートアップは、自分たちの技術や製品を本当に必要としているのは誰で、その機能を十分に役立ててもらうには何をすべきかをプログラムを通じて発見し、製品のコンセプトや仕様を大胆に変更しています。実際に、ビジネスの精度を短期間で確実に向上させ、深圳・ニュージャージーのネットワークを活用しプロトタイピングを行う等、事業化に向けた動きを着々と進めているスタートアップもあります。

HAX Tokyo採択スタートアップ一覧はこちら

Striemoが開発するマイクロモビリティ
LexxPlussが開発する自動搬送ロボット

さまざまなプレーヤーがつながり合う仕組みを

HAX Tokyoは、企業とスタートアップ、あるいは企業同士を結びつけることにより、「イノベーションのエコシステム」をつくり、社会に実装していくことを目指しています。ハードウェアの開発は日本のものづくりの力が大いに発揮される領域であり、国内には多数の優秀な人材がそろっています。多様なプレーヤー、優秀な人材がつながり合う仕組みをつくることにより、そのポテンシャルを引き出して、日本全体の産業の競争力を向上させていくこと。それがHAX Tokyoのビジョンです。

そして当社もまた、そのようなエコシステムの一員です。HAX Tokyoの取り組みを通じて、自ら新事業を生み出し、世の中に新しい価値を届け、グループのビジネスを発展させていきたいと考えています。

HAX Tokyoは、プログラムの成果を多くの企業と共有し、新しいコラボレーションとイノベーションを生み出していきます。スタートアップと共に成長し、グローバルなイノベーションをさらに発展させていくために、住友商事はHAX Tokyoの取り組みを今後も推進していきます。

関連情報

HAX Tokyoとのコラボレーションにご興味のある方や、不明点・ご質問等ある方は、以下までお気軽にご連絡ください。

2023年07月掲載

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