スポーツクライミング 森秋彩選手 特別インタビュー

子ども時代はどんなお子さんでしたか。

運動はあまり得意ではありませんでした。ただ、負けず嫌いだったので、運動会では順位は関係なく常に全力を出し切ることを自分の課題にして臨んでいました。木登りは好きでしたが、高いところに登るのは危険なので、父にクライミングジムに連れていってもらったことがきっかけで今に至ります。

最近、好成績をあげていますが、ブレイクするきっかけは何でしたか。

なかなか結果が出ない時に、先輩の野口啓代さんに相談したら、「登りたかったら登ればいいし、無理に登らなくてもいい」というアドバイスをいただき、大会は2年間くらいお休みして、楽しく登ることを意識した時期がありました。 そういう生活を続けていると心身の調子が良くなり、だんだん刺激もほしくなってきて、「試合に集中して、楽しむ」ことを心掛けたら良い成績を残すことができるようになりました。努力も大切ですが、スポーツ自体を楽しむことが一番大事なんだなと思うようになりましたし、大会に出るのも好きになりましたね。

現在、練習や試合で心掛けていることは。

結果は出せるようになりましたが、試合ごとに改善点や納得のいかないところはどうしても出てきます。自分にとっての苦手をどうすればなくしていけるかは練習で常に意識しています。基本的にコーチは付けていないので、自分で考えて判断しています。それから、大会1週間前から練習の強度を下げて、追い込みすぎないように心掛けています。 試合では、周りのことはあまり意識せずに、純粋に目の前の課題に集中することを大切にしています。クライミングは自分との戦いだと思っています。以前は試合前のルーティンを行っていた時期もありましたが、ルーティンができない状況があると不安になることがあったので、今はあまり試合前のルーティンは行っていないです。

オフのリフレッシュ方法は。

音楽を聴いたり料理したりしていると無心になれるので、そんな時間を大切にしています。家事や掃除も、気持ちがスッキリしてモチベーションがリセットされるのでいいですね。

学業との両立について意識することは。

昨年はオンライン授業だったので大きな問題はなかったのですが、対面授業となると通学でそれなりに疲労感はあります。ただ、通い始めると友人とも会えるので楽しいです。高校時代に比べて自由にクライミングの練習ができる時間が減ってしまったので、短時間で効率的な練習をするスキルが身に付きました。

今年20歳を迎えますが、今後の抱負を聞かせてください。

大人として自立していろんなことが一人でできるようになりたいです。実家暮らしで頼ってしまう部分がまだまだ多いので、一つ一つ親の手から離れていずれは一人暮らしも。競技だけでなく一人の人間としてもまだまだ成長したいです。 どんな形であれクライミングは一生続けていきたいと思っています。世界で戦えるのは長くても10年で、今がピークに近いと思います。ここからどこまで長く戦えるかが自分にとってのチャレンジです。ただ、引退した後も純粋な気持ちでクライミングを楽しめるような競技生活を送れたらいいなと思っています。

最後に住友商事社員にメッセージをお願いします。

大好きなクライミングに取り組んできたご縁で住友商事の皆様と出会って、サポートしていただくことができて、とても感謝しています。自分にとって最高のパフォーマンスをすることで、応援してくださる方々に感動や希望を与えられるような選手でありたいです。そして何より、ありのままに楽しんで登る自分の姿を見ていただけたらうれしいです。