2022年12月19日

トルクメニスタン自動車庁とタクシー・バス輸出に関する契約を締結~同国における安心・安全な移動手段を提供~

トルクメニスタン自動車庁との契約 ~同国の新車輸入台数の約1年分に相当~

住友商事は、トルクメニスタン自動車庁向けに、2,110台のタクシーおよびバス(うちタクシー780台、バス1,330台)を輸出します。これは同国の約1年分の新車総輸入台数に匹敵する規模であり、契約金額は米国ドル115百万にのぼります。

2021年7月に860台(タクシー・バス合計)について契約を行い、うちタクシー469台は本年11月までに納車が完了しています。これに続き本年11月に1,250台(タクシー・バス合計)について追加契約を行いました。

納車済のタクシー(トヨタ・カローラ)
納車予定のバス(トヨタ・ハイエース)
納車予定のバス(トヨタ・コースター)

トルクメニスタンのタクシー事情 ~政府公認タクシーが不足~

トルクメニスタンでは、2016年1月から現在にいたるまで、同国政府による外貨兌換規制を受けた自動車の輸入制限が行われています。日本の東京都のタクシー保有台数3.1台/千人(※1)を基準とした場合、人口100万人を擁する首都アシガバートでは約3,000台は必要ですが、アシガバート市内を運行する政府公認タクシーは500台程度と見られ(※2)、慢性的なタクシー不足が続いています。

  1. 一般社団法人 全国ハイヤー・タクシー連合会公表の都道府県別車両数及び国勢調査人口等基本集計結果を基に当社にて試算
  2. トルクメニスタンの正確な統計データは公表されないため、当社調査に基づく推定値

安心・安全な移動手段を提供

この不足分の需要は、実態として、周辺国から流入した車両を使った政府非公認のタクシー(以下「非正規タクシー」)で補ってきましたが、非正規タクシーは料金支払い等におけるトラブルが多発していることから、同国政府は非正規タクシーへの規制をかけたため、市民の移動に影響が出始めています。この問題を解決すべく、同国政府は外貨流出を抑制しながらタクシーおよびバスの台数を増やすことを決定しました。2018年から当社と自動車庁とで交渉を重ね、2021年、2022年の同国のタクシー・バス輸入をほぼ一手に担う規模の今回の契約に至りました。

当社は、本案件を通じて、同国の政府公認タクシーの不足を解消し、安心・安全な移動手段を提供していきます。

住友商事が取り組む意義

当社は、イラクやリビア、ウクライナといった新興国において、長年にわたる自動車流通事業の経験と実績を有しています。トルクメニスタンでは、2015年に自動車輸入販売代理店事業に参画し、同国のトヨタ正規販売代理店として、知見を蓄えてきました。これらの知見に加えて、トヨタ自動車株式会社やトルクメニスタン政府との関係強化、また事業展開に際しての徹底したリスクマネジメントを通じて、本案件が実現しました。

当社は、持続的な成長のために優先的に取り組むマテリアリティ(重要課題)の一つに、「地域と産業の発展への貢献」を掲げており、本案件を推進するモビリティ事業第一本部においても、「地域社会のモビリティの発展への寄与」を長期目標として掲げています。本案件を通じ、トルクメニスタンの市民・一時滞在者に向けて、安心・安全な移動手段を提供することで、同国の公共交通機関が抱える課題を解決するとともに、旅客サービスの品質向上への貢献を目指します。また今後も、継続的に、安全性の高い移動手段の提供を続け、同国で生活する人々の暮らしの豊かさと、同国のさらなる発展に貢献していきます。

案件概要

案件概要

契約内容 トヨタ製タクシー・バス車両および補修部品の輸出に関する売買契約
初回契約 (契約時期) 2021年7月
    (モデル・台数) トヨタ/トルコ製カローラ780台
      トヨタ/日本製ハイエース50台
      トヨタ/日本製コースター30台
    (契約金額) 米国ドル20百万
追加契約 (契約時期) 2022年11月
    (モデル・台数) トヨタ/日本製ハイエース250台
      トヨタ/日本製コースター1,000台
    (契約金額) 米国ドル95百万

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